高知県メタンハイドレート開発研究会

土佐湾沖の海底にあるメタンハイドレートを掘り出す国家プロジェクトを、高知県に誘致する開発研究会を立ち上げました

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から1

2011-02-22 | 事務局からのお知らせ

---国際戦略総合特区に係る提案及び必要な取組・事業---(1)

提案主体名    特定非営利法人21世紀構想研究会
              (メタンハイドレート実用化研究委員会)

統括担当者名 NPO 21世紀構想研究会 理事長         

             馬場錬成(ばば れんせい)                

                    (東京理科大学大学院、知的財産戦略専攻 教授)

 実施担当者名 メタンハイドレート実用化研究委員会 委員長 

             平 朝彦(たいら あさひこ)             

                   ((独)海洋研究開発機構 理事)

提案プロジェクト名       メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ

対象地域 都道府県名             高知県 実験・研究等 
                    東京都  統括事務等

------           
① 関連する分野     
           環境及び近未来エネルギー

②  当該分野に係る地域の現状と課題並びに
           国際戦略総合特区により目指す地域の方向性

政府の新成長戦略「強い経済」に向けた戦略は、科学・技術立国を戦略であると位置づけて、「世界をリードするイノベーション」、「中小企業の知財活用の促進」を図るとある。この申請の計画では、この方針に沿って、海洋分野などの新フロンティアの開拓を進め、シーズ研究から産業化にいたる実証実験を行い、イノベーション創出を図るものである。

メタンハイドレートは土佐湾沖を含む日本列島黒潮圏、南海トラフの日本近海では最大の賦存量が推定される。東海沖の3次元調査は終了している。日本近海での全体の賦存量は国内天然ガス使用量の約100年分があると推定されている。大量にあると推定される南海トラフの3次元調査はされておらず、土佐沖から九州沖の調査が急がれる。国家戦略として早急な調査に取り組むことが重要課題である。

このような状況下で高知県内の中小企業主の個人が、メタンハイドレート回収・採取の開発に関連して、特許権を申請した。近いうちに特許権が認可になると予想される。特許の名称や詳細は後述するが、「掘削先端での自家燃焼局所加熱により水分と堆積粒子汚泥とガスに分離し、超臨界水を媒体として減圧、そして押上圧送する方式」で、極めてユニークな発想に基づく発明である。特記すべきことは、分離堆積粒子汚泥をその場に残置させるので、地上にも、海底にも何らの環境汚染を発生させないことである。

高知県としてはこれに大きな関心を持っている。今、地域経済は苦難の道を歩んでおり、好転の兆しが見えていない。閉塞感が漂う中で、元気を出そう、その源がここにあるぞと示したのが、「メタンハイドレート実用化研究」である。莫大なエネルギー資源を商業ベースに乗せる実用化実証の拠点地域として、地の利を得たこれに相応しい場所、それが高知である。パイロットプラント実証実験から採取されるメタンガスを高知新港に陸揚げして、利活用促進を図るための実証実験の特別な地域としたい。

換言すれば、日本経済が、そして地方が、高知が、燃え上がり、生き返ることの出来る『燃える氷(MH)計画』である。

 

③  ②の戦略の実施が我が国経済の成長に寄与することの理由

日本は江戸時代以前は資源大国であった。かって、金や銀や銅などの鉱物資源の豊かさは世界に比類なきものであった。日本は資源の豊かな、「黄金の国、ジパング」であった。昔、「ジャポニズム」として、ヨーロッパ文化に大きな影響を与えたのは、日本人の精神性の豊かな暮らしであり、それは風光明媚な自然環境と四季の恵みのお陰である。そしてこれらは、地震・火山・台風と同じように、日本列島を作り出したプレート運動のお陰であると言っても過言ではない。室戸岬や佐川町、そして四国各地でジオパークへの国際登録をしようとの取組が盛んになっている。地質の名称には四国、特に高知の地名から取ったものが多い。例を挙げれば、四万十帯もその一つであるが、四万十帯とその北側にある秩父帯との断層は仏像構造線と呼ばれ、仏像は土佐市北部の小さな集落の名前である。

日本は、視点を変えれば、海の底を眺めれば、メタンハイドレート、熱水性鉱床、コバルト・リッチ・クラストに関して、世界トップクラスの賦存量を有し、眠れる海底資源大国なのである。ここで、メタンハイドレート採掘に伴う副産物の可能性に言及しておく必要がある。メタンハイドレートから分離した水にはリチウムが濃縮されている可能性がある。 四万十帯の上に乗った未固結泥が押し上げられて形成される「泥火山」では、その上のメタンハイドレート層をも押し上げて、海底に噴出している。メタンハイドレートがメタンを分離した水には、リチウムが濃縮していることが見い出されている。リチウム回収の有力な手段となる可能性が高い。

これらの数々の有用資源を採掘し、生産を行うには、探査・開発の研究を進める必要がある。これらの資源を経済的に有効活用するには、高い技術力が要請され、その技術開発には、莫大な投資が必要であると同時に、イノベーションが求められる。特許の産業化と言い直しても良い。メタンハイドレートの掘削に係わる直接の技術のみならず、この巨大プロジェクトから派生するであろう数知れない新発明や新発見は日本経済の成長に大きく寄与する副産物である。

さらにグローバル化の視点に立てば、高知のみならず、日本国の経済発展に寄与するだけではなく、極言すれば、この技術は世界の国々に大きな恩恵をもたらすものである。海底資源は日本周辺だけではないからである。
これとは逆に、大都市への一極集中の弊害を排除するという視点からは、分散型の多極へと変わる潮流を増幅させて行くきっかけとなれば、分散型社会を構築するテストケースとなる。高知に焦点を当てることが、その第一歩となることを期待し、そのような意味の社会実験になれば素晴らしいと考えている。先見の明を持って考えたい。

④ ②の戦略を当該地域で実施する必要性

高知から、この計画を申請する必然性は以下の4つの要因に基づいている。

A) 高知県沖から広がるメタンハイドレート層

南海トラフは、プレート運動によって東海・東南海・南海地震を引き起こすと懸念されているが、プレート運動によって、プレート上にたまった堆積物が次々と陸側斜面に付け加わり、いわゆる「付加体」を形成する。「付加体」形成に伴う地層中の流体移動によって、地層中の有機物から発生したメタンガスが集積し、メタンハイドレート層を南海トラフ斜面域全域に形成している。メタンハイドレート層は、海底下300m前後の温度・圧力条件下で水(H2O)とメタンガス(CH4)が合体して固体状(時には、シャーベット状)の層をなし、その下にメタンガスをトラップしたものである。石油、天然ガスと異なり、自噴しないので、斬新な採掘技術の開発が必要である。土佐出身の植木枝盛は「自由は土佐の山間より出づ」と言っているが、まさに「メタンハイドレートは土佐沖の海底より出づ」である。

B) 高知県の地理的条件、及び支援設備および人的資源

高知県が我が国全体の成長を牽引する地域の資質を備えていること、この提案が国全体の成長戦略に取って極めて重要であることを認識して欲しい。高知外洋港(FAZ)、2500mの滑走路を持つ高知龍馬空港、2車線化された高知高速道に加えて、海と空の港と陸の道を結ぶ高規格道路の建設が進み、四国8の字型高速道の目標に向かって進んでいる。高知市、南国市、香南市、香美市などは香長平野に位置し、適度な密度で都市を形作っている。広い土地の確保に大きな困難はない。この地域はこれらの交通拠点の至近距離に位置する。メタン運搬船や化学プラントとしての船舶が、台風などの大荒れに対して直ちに避難できる場所を提供している。また、国内港としてだけでなく、東南アジア、北米大陸などへの利便性から見て、国際競争力の点から、貿易港として極めて有利な立地条件を備えている。

C) 一人の高知県民の特許出願による優れた掘削システム

低温・高圧状態にあるメタンハイドレートは減圧、あるいは昇温によって分離するが、環境の温度によっては、分離した水分が凍結し、閉塞状態を発生する。それを打開するための方策が局所的加熱であり、超臨界水の流速変化による吸引、押し上げである。一言では難しいので、キーワード的に表現すれば、掘削先端・自家燃焼加熱・超臨界状態・減圧・押上圧送方式となる。メタンハイドレートを効率よく汲み上げ、地層を構成する堆積粒子汚泥は取り出さない方式であり、環境汚染を引き起こさないことは大きな利点である。この特許、は従来の考え方とは全く異なっている。実地検証を行って実際に公共の用に供したいとの出願人の沢山の思いが詰まっている。

D) 高知コアセンター(KU / JAMSTEC)の存在

海洋コア(柱状資料をコアと呼ぶ)の総合的な解析を通して,地球環境変動要因の解明や海洋底資源の基礎研究を行うことを目的として,2000年に海洋コア研究センターとして開設され.その後に高知大学物部キャンパス内に新たな研究施設が建設された.本センターは,海洋コアの冷蔵・冷凍保管を始めとし,コア試料を用いた基礎解析から応用研究までを,一貫して行うことが可能な研究設備を備える国内唯一、かつ世界有数の研究機関である。全国共同利用研究が本格的にスタートし,年間40件程度の研究課題が採択され,本センターの卓越した研究環境を生かした共同研究が行われている。また、総合国際深海掘削計画(IODP)の拠点として活動しており、昨年は5万点以上のコア資料を世界に配送した。本センターの名称は、海洋コア総合研究センター(高知大学)と高知コア研究所((独)海洋研究開発機構)との共同運用体制を示す愛称となっている。
世界各国からここに集う研究者は良き理解者として、また関心を持つ人材として有望である。将来はここを核として、メタンハイドレートの研究センターが誕生する可能性が高いように思われる。

⑤ ②の戦略の実現に向けた実施主体・運営主体の機能・役割


提案主体の「特定非営利法人21世紀構想研究会」は、知的基盤の強固な研究現場と産業振興の技術革新を実現し、真の科学技術創造立国を確立するため、適宜、研究テーマを掲げて討論する場として、1997年9月26日にスタートした。

研究会の会員は、主としてベンチャー企業、行政官庁、大学、マスコミの4極から参加し、毎回、活発な議論を展開して来た。研究会で得られた成果を社会に訴えて啓発をはかりながら、国の政策にも結びつくように活動するという目的も、回を追うにしたがって明確となり、政府審議会のパブリックコメントなどにも積極的に発言している。研究会は、2000年7月に東京都から特定非営利法人として認められ、さらに生命科学委員会(東中川徹委員長)、産業技術・知的財産権委員会(生越由美委員長)、環境・エネルギー安全委員会(千葉英之委員長)が下部組織として設立され、適宜テーマを定めて活動を続けている。

まだ世に知られていないベンチャー企業の優れた技術を、研究会を通して広く認識してもらったり、これまであまり接点がなかった中央行政官庁の官僚との交流を通じて、政策への提言をすることも活動の一つになっている。

会員数は現在約100人である。
アドバイザーとして、
荒井寿光氏(東京中小企業投資育成(株)代表取締役、元特許庁長官)、
安西裕一郎氏(慶応義塾学事顧問、慶應義塾大学理工学部教授)、
黒川清氏(政策研究大学院大学教授、前内閣特別顧問)、
銭谷真美氏(東京国立博物館館長、前文部科学省事務次官)、
利根川進氏(マサチュセッツ工科大学(MIT)教授)、
吉川弘之氏((独)科学技術振興機構研究開発戦略センター長、
                      前産業技術総合研究所理事長)
の方々にお願いし、適宜、活動への助言を頂いている。

「メタンハイドレート実用化研究」の中枢として、このプロジェクトの実施・運営主体として、幅広い、そして高度な視点からの的確な判断と実行力を期待できる受け皿としてこれ以上のものは見あたらない。そして、メタンを押し上げる技術の発明者とそれを出願する代理人がともにこの21世紀構想研究会のメンバーであることも大きな強みである。実行に当たっては、複数の部会を設けて、連携をとりながら、機能分担をする必要がある。

さしあたって、提案主体の「特定非営利法人21世紀構想研究会(メタンハイドレート実用化研究委員会)」内に直轄の
1)「メタンハイドレート(MH)国際戦略部会」、
2)「メタンハイドレート(MH)技術専門部会」
を置き、さらに高知県に
3)「高知県メタンハイドレート実用化研究委員会」
を置くことになる。
                                                                                                      
参考資料1:「特定非営利法人21世紀構想研究会 会員名簿」

 

 

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から2

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から3


メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から2

2011-02-22 | 特区申請資料から

⑥ ②の戦略の実現に必要な取組・事業

(1)

取組・事業の名称: メタンハイドレート(MH)国際戦略部会の設置・運用

取組・事業の概要: 

様々な検討事項が存在し、また発生する。これらを予測し、考察を加えることが必要である。特に、メタンハイドレートの国家的プロジェクトが別途先行している。本提案はこれとは異なる掘削方法からの構想であり、どのように棲み分けるべきかが最初の最重点検討課題となるであろう。

検討すべき課題を以下に列挙する。

*ソリューション研究---将来のエネルギー安全保証上で重要、かつ有望な国産エネル ギーとなるための条件と今後の目標の設定に至る検討が必要である。膨大な規模の事業 展開に際して起こり得る事態を想定し、対応策を考えておく必要がある。

*特許戦略---一巨大なこのプロジェクトを通して、関連する特許は数知れない。基本特 許だけではなく、使う材料の選択やその製造原理に至るまで特許の山に行き当たる。国 際的な戦略を考慮した対応が必要である。より積極的に、特許の産業化を図ることも必 然的な帰結となるだろう。

*将来に向けての技術的・経営戦略的検討事項---例えば、採掘現場からの荷姿や輸送 手段等の検討、C1化学との関連、市場形成の場所など。

*資金調達の方策、各種ファンドの対応策---膨大な資金が国境を越えて動いている時 代である。そして今、円高が進行し、日本経済は大きな影響を受けていると考えること が普通である。日本だけが被害者のように報道されている。メタンハイドレートは強い 日本経済を確立する絶好の道具であり、チャンスを与える絶好の手段であり、武器であ る。この計画に参加する各種企業の予想される経済的な各種の評価は、内外の国際ファ ンドに依存する。良い面、悪い面の経済予測と対応策を検討しておく必要がある。

*広報活動、教育・啓蒙活動のあり方と発信方法---東南海地震との関連性、南海トラ フと地震とメタンハイドレート層の形成を科学的に説明できる体系化が必要である。住 民や国民に対する啓蒙によるコンセンサスの形成に工夫が必要である。

*地球環境問題への提案が必要。---炭素会計、石油ピーク(ハバート曲線の予測)、 安く豊富な石油の時代の終焉、エネルギー利益率は?、

*コンプライアンス経営の徹底---どのような運営体制が最も望ましいかの検討

*危機管理体制---危機の可能性と対応策のあり方の検討

 

取組・事業の期間:
スタート時点から5年間、その後改組の可能性あり

実施主体・運営主体:
NPO  21世紀構想研究会・メタンハイドレート実用化研究委員会内に設置


(2)

取組・事業の名称:
メタンハイドレート(MH)技術専門部会の設置・運用・実施

取組・事業の概要:
優れた発明ではあるが、技術面での詳細な解析がさらに必要である。その後、順次設計段階へ、製造過程へと進む司令塔として機能する組織とする。検討事項を順次記載しておく。

*メカニズムの原理の再検討

*詳細設計
 構造設計・・図面の作成など・・・・
 材料設計(成型法の設計と各部材の材質選択、製造プロセスの検討)

*作動シミュレーション
 3次元コンピューターによる作動シミュレーション、
 模型の作製とモデル実験、

*材料性能試験
  多数の部材の検査、

*パイロットプラント製作と稼働実験
  温度・圧力試験タンクの建設(超臨界水の条件まで)、
 温度・圧力試験タンクの建設(メタンハイドレートの地上での製造、その性状の把握  研究の試料作成)
 モデル・試作装置・ユニットなどの地上における起動テスト
  パイロットプラント稼働実験場(例えば、-5℃、100気圧の条件)の建設、

*海底におけるガス回収・採取実証実験

*将来に向けての検討事項
 採掘現場からの輸送手段・輸送荷姿(ガス、液体、シャーベット状)、船上での化学処 理の必要性等の検討、
 C1化学との関連(技術的検討)、市場形成の場所(荷揚げの方法と荷揚げの港)の検討、

 

取組・事業の期間:
スタート時点から5年間、その後改組の可能性あり

実施主体・運営主体:
NPO  21世紀構想研究会・メタンハイドレート実用化研究委員会内に設置
実務的部会であり、構成メンバーは親の委員会の構成メンバーに加えて、海洋開発や関連素材・機器製造業などの大企業が中核となるだろう。

例えば、
新日本製鐵(株)、住友金属工業(株)、日本冶金工業(株)、日本ガイシ(株)などの素材産業に加えて、(株)東芝、(株)日立製作所、三菱電機(株)などを始めとする電気機器メーカー、
及びソフト系の企業の参加が必要である。
また、石川島播磨重工業(株)、三菱重工業(株)、千代田化工建設(株)、三井造船(株)などの機械工業、建設コンサルタントの大手など、
最先端技術を持つ企業の参画を期待している。日本の技術・あらゆるノウハウを結集する仕組みが必須である。

 

(3) 

取組・事業の名称:
高知県メタンハイドレート実用化研究委員会の設置、そして活動

取組・事業の概要:
高知県の活性化も重要であるが、四国全体に裾野を広げることも視野に入れての総合的検討を行うことを目的とする。直接の設置目的と役割は、メタンハイドレート実用化研究の高知からのサポート体制の構築である。高知からの幅広い視点での協力の可能性の検討も重要課題である。具体的な検討項目を下記に示す。

*立地条件の立場からの用地取得、
*高知新港整備など受け入れ皿の体制の強化、
*県民・地域住民に対する十分な説明--ヒヤリングの開催
*環境問題の対する啓発---炭素会計、
 地域の、高知の、四国の、社会的・経済的な将来予測
*直接の恩恵はどのようなものか、間接的な影響は、波及効果は、雇用は増加するか、何 が望ましいか、
*高知の産業はどのような影響を受けるか、どのように仕向けたら活性化するか、人材の 集積は可能か、知識産業は育つだろうか、

取組・事業の期間:
発足からプロジェクトの終わりまで

実施主体・運営主体:
官民を問わず、組織・個人を問わず、広く県内に関心を持もって貰える組織とすることが望ましい。例えば、

高知県、高知市、南国市、香美市、香南市
高知県工業会、高知県経営者協会、高知県農業協同組合中央会
高知大学、高知工科大学等
高知県産業振興センター、高知県工業技術センター、
四国電力、四国ガス
日本銀行高知支店、四国銀行、高知銀行、みずほ銀行、日本政策金融公庫
等である。

 

⑦ ②の戦略の実現のため地域が独自で行う(行ってきた)取組・事業        


(11)

取組・事業の名称:
NPO 21世紀構想研究会の活動と取組み

取組・事業の概要:
中心となるこのNPO21世紀構想研究会の取組と事業については、⑤項の「②の戦略の実現に向けた実施主体・運営主体の機能・役割」において既に述べているので省略する。
取組・事業の期間: 
先の示した。
実施主体・運営主体:
NPO 21世紀構想研究会自体であり、すでに述べたとうりである。

(12)

取組・事業の名称:
NPO  21世紀構想研究会(環境・エネルギー安全委員会)活動

取組・事業の概要:
環境・エネルギー安全委員会では、委員長千葉英之氏(ジャーナリスト)を中心として、環境・エネルギー問題の識者をお招きして、議論を進めてきた。
*研究会の代表的なテーマを紹介すれば、
 「原子力平和利用と核査察の役割」、
           道正久春(科学技術国際交流センター専務理事)
 「大丈夫か?脱原子力の電力供給」(最新のヨーロッパ電力事情)、
           岸本 康 (エネルギージャーナリスト,元共同通信論説副委員長)
 「グローバルな視野から日本のエネルギー安全保障を考える」、
           深海博明(慶応大学名誉教授)          などである。
*9月6日付けで名称を「メタンハイドレート実用化研究委員会」に変更して、メタンハ イドレートに特化することにしている。本年(2010)9月17日には早速、下記のように勉 強会を開催した。
 「『ちきゅう』号による新しい地球像の探求
                               ~メタンハイドレート 熱水鉱床 地下生命圏~」
            平 朝彦(独立行政法人 海洋研究開発機構理事)
取組・事業の期間:
1997年9月26日のNPO発足の時点から活動し、継続中である。

実施主体・運営主体:
NPO  21世紀構想研究会・メタンハイドレート実用化研究委員会  

(13)

取組・事業の名称:
高知新港(高知FAZ)の建設と運用と活性化

取組・事業の概要:
高知新港は、大圏コースに最も近く、太平洋に面した西日本地域でも数少ない港であり、高知県の産業・経済の発展だけでなく、西日本地域の物流拠点として、地域の経済・産業に大きな経済効果が期待して建設が進められた。高知新港は1,500億円の費用と、10年以上の歳月をかけ現在も建設途上にある。浦戸湾の外に建設される高知新港は険しい山に囲まれた高知県にとって必須のものであると説明されている。外洋航路の展開が出来るからである。一方で、高知新港は多くの公共事業と同様に、「工事が目的の事業」であると批判も多くなっている矢先である。

今回のプロジェクトは、このような不評を霧散させるものである。新港がなければ、提案することすら出来ないと思われる。こんな幸せは先行投資のお陰であり、先見の明があったと云える。次の(13)に示す海洋コア総合研究センターが高知大学に誘致できたのもこのお陰である。2006年1月には、高知新港で地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開があり、また2008年には掘削したコア試料の積み卸しのために寄港している。FAZのお陰であることが実感できる。

試験掘削は勿論のこと、実用操業に入っても高知新港は様々な役割を担うことが出来る。台風時の緊急避難場所として、作業員の休息の場へ、そして基礎研究・応用研究の場への経路として活用できる。

取組・事業の期間:
~2000年から現在も

実施主体・運営主体:
高知県 土木部 港湾振興課他  

(14) 

取組・事業の名称:
高知コアセンター(KU / JAMSTEC)高知大学の学内共同研究施設としての海洋コア総合研究センターの誘致・建設、運用

取組・事業の概要:
海洋コアの総合的な解析を通して、地球環境変動要因の解明や海洋底資源の基礎研究を行うことを目的として、2000年(平成12年)4月に学内共同教育研究施設として設立された(旧名称:海洋コア研究センター)。2003年(平成15年)4月には,全国共同利用研究施設に改組・拡充が行われ,これに伴い高知大学物部キャンパス内に新たな研究施設が建設された。採取した海洋コアの冷蔵・冷凍保管を始めとし、コア試料を用いた基礎解析から応用研究までを、一貫して行うことが可能な研究設備を備える国内唯一の研究機関である。

2004年からは、全国共同利用研究が本格的にスタートし、年間40件程度の研究課題が採択され、本センターの卓越した研究環境を生かした共同研究が行われている。また、本センターの施設・設備は、海洋研究開発機構との共同運用体制である。

取組・事業の期間:
~2000年4月から、そして現在まで。

実施主体・運営主体:
高知大学、および海洋研究開発機構 

(15)

取組・事業の名称:
メタンハイドレート掘削に関する特許権の取得(出願人: 杉本昭壽 )

取組・事業の概要:
出願中の特許は下記の2件である。

*出願番号:特願2005-207129号、「ガスハイドレートからのガス回収方法および回収装置 並びにガスハイドレートからの再ガス化方法」、 公開日;平成18年2月23日、公開 番号;特開2006-052395号                ---参考資料2
 および 

*出願番号:特願 2005-238783号、「ガスハイドレート層からのガス回収システム」、公  開日;平成19年3月1日、公開番号;特開2007-051508号  ---参考資料3

これら2件の特許出願は公開後に、何らの異議申し立ても出ていないようであり、間違いなく近いうちに特許が成立するものと期待している。

この特許出願は、従来から提案されている「加熱法(温水圧入)」、{加熱法(抗井加熱)」、「減圧法」や「分解促進剤注入法」などのどれにも属さない新しい提案である。海底地層内でガス化したメタンを、採取管(ライザーパイプ)を通じて、気体として地上に取り出すことに変わりはない。この特許出願の内容を要約すれば以下のようである。

掘削先端で発生した一部のメタンを、地上から導入した空気で燃焼加熱し、気体のメタンを分離し、堆積粒子汚泥を含む水分は濾過し、タービン・スクラバーで高温・高圧の超臨界状態にして、部分的に真空状態を作り出し、気体メタンを吸引し、さらに発生する圧力で押し上げる方式である。これによりガスだけを地上に持ち出すことが出来る。キーワード的に表現すれば、掘削先端・その場局所燃焼加熱・超臨界水循環・減圧・押上圧送方式となる。メタンハイドレートを効率よく汲み上げ、分離した堆積粒子汚泥も水も現場に残留させて、取り出さない方式であり、地上へはもちろんのこと、海底にも堆積粒子汚泥を持ち出さないことで、環境汚染を引き起こさないことが大きな利点である。このことは必然的に、取り出すに必要なエネルギーが小さく、生産される正味のネットエネルギーが大きいことにつながってくる。このほかにも現在、研究開発中の関連特許案件が数件あり、いずれも近いうちに出願する予定である。

取組・事業の期間:
表記の日時から本年末には認可の予想。

実施主体・運営主体:
いおん特許事務所


参考資料2
  特許申請書:「ガスハイドレートからのガス回収方法および回収装置 並びにガスハイ       ドレートからの再ガス化方法」
参考資料3
 特許申請書:「ガスハイドレート層からのガス回収システム」

(16) 

取組・事業の名称:
メタンハイドレート開発促進事業(MH21計画)

取組・事業の概要:
平成13年7月に発表された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を実現するため、平成13年度、官民学共同の「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)」が組織された。(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、(独)産業技術総合研究所(産総研)、および(財)エンジニヤリング振興協会(ENAA)と共同で設立したものである。
メタンハイドレート開発計画は3つのフェーズに分かれており、平成20年度にフェーズ1が終わり、平成21年度からフェーズ2が開始された。
フェーズ1の成果は「減圧法」を採用して、カナダ・マッケンジーデルタ地域で実証試験を行っている。また、基礎試錐を東海沖~熊野灘で行い、メタンハイドレート層のサンプリングなどを行っている。
2009年度からはフェーズ2に進む計画であるが、ここでは我が国周辺の海洋域で産出試験を行い、生産性や回収率の向上などの研究開発を行うことになっていると聞く。

取組・事業の期間:
2001年(平成13年)に研究開始、2009年(平成21年)4月にセンター設置~

実施主体・運営主体:
独立行政法人 産業技術総合研究所(理事長 野間口 有)・メタンハイドレート研究センター(研究センター長 成田 英夫)


----おわり----

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から1

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から2

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から3

 


メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から3

2011-02-22 | 特区申請資料から

---国際戦略総合特区に係る提案及び必要な取組・事業---(2)

       取組に必要な特例措置・支援措置

提案主体名    特定非営利法人21世紀構想研究会
              (メタンハイドレート実用化研究委員会)

提案プロジェクト名    メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ

総合的な要望事項と提案
本提案は「総合特区制度」の提案募集の政策や意図に馴染まない面があるかも知れない。しかし、制度の基本的趣旨から見れば、日本の基本的なエネルギー政策に大きく係わるものであることは間違いない。この意味でこの制度の中で「国際戦略総合特区」のカテゴリーで提案をすることにした。従って、個々の「取組に必要な特例措置・支援措置」の欄には、記述をキーワードに留め、具体的な特例措置は述べていない。下記の要望を、大所高所から視点でのご判断をお願いする次第である。

「提案及び必要な措置・事業」⑦項で述べたように、     
ここで提案するメタンハイドレート掘削の方法は従来にない特徴を多々備えている。空気(酸素)をパイプ中に送り込み、その場燃焼加熱により、メタンハイドレートから分離される水と泥を、その場に残置したまま、気体のメタンだけを地上に持ち出すこの方法が、現在では、掘削を可能にする唯一の方法であると言っても過言ではない。環境汚染が極めて少ない方法であり、またエネルギー利得率も高いことが特徴である。出願人は三次元コンピューター・グラフィックスを自力で構えての研究の成果である。この技術の実現を国が総力を挙げて推進することが、今の日本の置かれた経済的苦境を抜け出す方法の一つであり、またこれを進めることが急務である。

北海海底油田の大半は英国とノルウェーの経済水域の境界線付近にある。イギリスは北海油田の発見でエネルギーに余裕ができ、1994年に約20年の運転経験のある高速増殖炉を廃止した。またこの石油が対外貿易に大きく貢献してきた。現在のイギリスのエネルギー政策の基礎となっているのは、2003年に出されたエネルギー白書である。白書は「低炭素経済の創造」をテーマにしており、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の削減に主眼を置いている。1970~80年代の英国におけるポンド急落時のサッチャー政権を支えたのは北海油田の採掘開始である。

排他的経済水域は沿岸から200海里であり、水産資源や鉱物資源などの探査・開発の権利があり、資源管理や海洋汚染防止の義務もある。四方を海に囲まれた日本の現状を見るに、北方領土、尖閣諸島、竹島の領有権や日本海の呼称をめぐる日本と近隣国間の問題は解決されていない。東シナ海ガス田開発に関する日中両政府の条約締結交渉の延期が報じられている。メタンハイドレートだけではなく、熱水鉱床などの鉱物資源の可能性も争いの原因である。外交問題として対処する方策も議論して置く必要がある。

経済政策は、金融政策や財政政策を重ね合わせて議論することが重要である。国債や年金制度・健康保険で、後年度負担を増やしている日本の財政事情を改善する絶好の機会かも知れない。金利や為替レートを通じての積極的な経済外交も必要である。外国資金の活用も有利に展開しなければならない。グローバルな視点が求められる。

土佐藩の支援を受けて設立した坂本龍馬の海援隊は、隊員資格に出身の分け隔てをせず、目的を「運輸、射利(利益追求)、投機、開拓、土佐藩の応援」とし、隊士の教育を行う学校でもあり、世界を視野に入れた構想を打ち出した。高知からのこの提案はこれに倣っている。なお、国が現在進めている「メタンハイドレート開発促進事業(MH21計画)」との関連を議論し、調整する必要があるだろう。

あらゆるものを将来に回して、現在を凌いでいる負債を解消するための国策として、発想を転換して、大所高所からの施策の構築を皆で考えるきっかけとしたい。
例えば、政府部内に、関係各省庁及び企業代表者、学識経験者からなる委員会を設置する。また国会内に委員会を設置し、超党派で日本の将来を議論するなどである。各地方にも勉強会や討論会を設置し国民の関心を高めていく。10年後、20年後・・の日本国の政治・経済、環境、教育などあるべき姿の討議を行う。

 

 


(a) 取組に必要な規制の特別措置
農地転用、水利権、漁業権、海底での鉱区設定、などの特例措置。

1  求める措置の具体的内容:     個々の記入なし。
事業の実施内容・提案理由:
根拠法令等:
制度の所管・関係官庁:
この措置が必要となる取組・事業:
その他(特記事項):

(b) 取組に必要な税制上の支援措置
事業税、固定資産税は、参加企業の税金などの優遇措置。、

1  求める措置の具体的内容:      個々の記入なし。
事業の実施内容・提案理由:
税目:
この措置が必要となる取組・事業:
その他(特記事項):


(c)  取組に必要な財政上の支援措置
国益としての視点から、思い切った資金調達の方法を考えるべきである。資金調達に必要な規制の緩和。各種の投資ファンドの対応策。

1  求める措置の具体的内容:      個々の記入なし。
事業の実施内容・提案理由:
この措置が必要となる取組・事業:
その他(特記事項):

(d)  取組に必要な金融上の支援措置
各種のファンドをどのように考えるか。敵対ではなく、取り込む条件を考える。
資金調達や金融市場のリーダーシップを日本が取ること。我が国の森林が国際的に売買されようとしている。同じことが発生しないような手立てが必要であろう。

1 求める措置の具体的内容:      個々の記入なし。
事業の実施内容・提案理由:
この措置が必要となる取組・事業:
その他(特記事項):

(e) 取組に必要なその他の支援措置
「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」に基づく調査で、土佐湾沖の付与調査の早急な実施が望まれる。メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)によるフェーズ2の調査が始まっていると聞くが、計画の見直しや変更についての検討を行って頂くことは出来ないだろうか。    ・・・・・

1  求める措置の具体的内容:    個々の記入なし。
事業の実施内容・提案理由:
この措置が必要となる取組・事業:
その他(特記事項):

---おわり-----

 

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から1

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から2

メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ・・・特区申請資料から3