高知県メタンハイドレート開発研究会

土佐湾沖の海底にあるメタンハイドレートを掘り出す国家プロジェクトを、高知県に誘致する開発研究会を立ち上げました

鈴木朝夫のメタンハイドレートのこと、もっと知りたい・・・その6 石油の代替エネルギー  

2011-05-19 | メタンハイドレートに関する記事

鈴木朝夫のメタンハイドレートのこと、もっと知りたい・・・

その6 石油の代替エネルギー   

鈴木 朝夫 (高知工科大学名誉教授・東京工業大学名誉教授)

  

6) 石油の代替エネルギー


{石油ピーク} 

石油の産出量がピークを過ぎると、緩やかな減少に転じて石油減耗の時代となる。米国の石油生産量は1971年にピークを迎えたことが知られている。既に、全世界の石油生産量はピークを過ぎ、石油減耗の時代に入ったとも考えられる。

 

{エネルギー利得率、EPR} 

EPR=(出力エネルギー)/(入力エネルギー)である。採掘・精製・保管・輸送などの生産に必要な入力エネルギーと利用出来る出力エネルギーの比がEPRである。石油火力は7.9である。石炭火力が6.5、液化天然ガス火力2,4、風力3.9、地熱6.8などとなっている。なお原子力は17.4となっているが、計算の根拠が不明である。

 

{原子力エネルギー} 

津波による福島第一原発の事故で、信頼は一気に低下した。また、地球温暖化は原子炉の排水による海水温の上昇であると考える人も多い。都市のヒートアイランド現象に匹敵するとする試算もある。また建設段階から高レベル廃棄物処理、そして廃炉までの入力エネルギーの見積もりは難しいし、CO2排出も大きいと思われる。

 

{メタンのエネルギー利得率} 

燃料としては天然ガスの代替として使える。ガスタービン発電は一般的である。また水素燃料電池としての可能性も高い。C1化学の原材料として、複雑な有機化合物の合成も、また使いやすい化合物に変化させた燃料も可能である。

 

{ハイドレートからのメタンは副産物}

リチウムがメタンハイドレートの分解水に含まれているとすれば、どちらが副産物か分からなくなる。局所加熱によるエネルギー節約型の掘削法でもあり、総合的なエネルギー利得率はかなり大きなものになると期待できる。

 

{大地震の誘発は}

今の人類の知識の範囲では因果関係を考える根拠を持たない。予知できる学問の進展への期待と、コスト・ミニマムの安全・安心の対策を考える必要がある。

 

{地球温暖化への影響} 

 CO2の20倍もの温室効果があり、5500万年前の生物の大量絶滅の原因とも言われているメタンである。これは46億年にわたる地球のダイナミックな営みの中での物語である。議論になるのは、掘り出して燃焼させることと、自然放出との比較になる。メタンはCO2の排出量の差から、石油に代わるエネルギー源として期待できる。

 

 

鈴木朝夫のメタンハイドレートのこと、もっと知りたいコーナー 

メタンハイドレート の取り組み 記事 目次

設立総会・記念講演の開催2011年7月18日(海の日)、 

 



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