高知県メタンハイドレート開発研究会

土佐湾沖の海底にあるメタンハイドレートを掘り出す国家プロジェクトを、高知県に誘致する開発研究会を立ち上げました

鈴木朝夫の講演・出版の記録・・・その8 新エネルギー資源の使い方 6) ビッグデータとスマートグリッド

2012-11-09 | 講演などの資料

(日本電気計測器工業会主催 計測展2012 OSAKA、計測と制御で創る未来の地球、2012,10,31、於;グランキューブ大阪 講演)

新エネルギー資源の使い方
      メタンハイドレート、地熱発電、そしてストレージ

      鈴木 朝夫 (東京工業大学名誉教授・高知工科大学名誉教授、高知県メタンハイドレート開発研究会理事長)


もくじ)
はじめに) 資源大国日本  ----------1
1) メタンハイドレートとは        ----------1
2) メタンハイドレートの掘削は       ----------3
3) 国家プロジェクトと高知の動き        ----------4
   4) エネルギー資源の分類      ----------5
  5) 日本は昔からの資源大国(黄金の国、ジパング) ----------6
  6) ビッグデータとスマート・グリッド  ----------7
  7) 事故は必ず起きる(低確率巨大事故)      ----------8
  8) 右肩下がりの下山の先は         ----------9
おわりに) 生き甲斐とは、幸せとは  ----------10

 

6) ビッグデータとスマートグリッド


{ベストミックス} 「直ちに再生可能エネルギーで原子力エネルギー分をカバーすることは、極めて難しい」と強調した上で、(1)節電、省エネ、(2)原発の稼働維持、(3)LNG・火力発電の効率化、(4)再生可能エネルギーの普及促進、これらを総合してベストミックスと名付けている。

{エネルギー総需要削減} ピーク時カット、ネルギー価格とピーク時価格の調整。そして節約、省エネ、リサイクルでことは済むのだろうか。人類の生活態度の変換が必要である。
10月から環境税
{スマートグリッドとは} 他種類のエネルギーの供給側とニーズの多様性を示す需要側の相互連携を高度に知能化した情報通信技術で制御する送配電網である。従来の大型発電所からだけの電力供給を行う発送電網ではない。家庭やオフィスや事業所などの小口電力を消費する需要側にも、多様な発電機能を備え、地域で必要な電力を消費地で生産するような、地産地消の仕組みを備えていることも特徴である。

{スーパー・スマートグリッド} 時々刻々の料金変動制によるエネルギー・シフトの提案。金融市場のイメージ。強大なソフトが必要となる。大きな蓄電能力が必須の条件になる。

{環境アセスメント}   国では道路・港湾・埋立などの公共事業の環境影響評価を行うことを定めているが、開発行為が環境に与える影響の範囲や程度を様々な角度から検討する必要がある。実施主体の構成や経過の透明性が保たなければならない。

{(再生可能)熱エネルギー} 太陽熱、地中熱、温泉熱、バイオマス熱、雪氷熱などそのまま捨て去られている比較的低い温度の熱エネルギー利用することが再生可能熱エネルギーである。例えば、庭に水を撒く効果は蒸散熱・蒸発熱の有効利用である。風流の世界でもある。

{インターネット・プロトコール、IPv4とIPv6} アドレスは幾つあればよいか。現在のIPv4は 2の32乗(=約42億)個である。地球上の人口よりも少ない。IPv6では 2の128乗(= 約340澗)個である。340澗個とは340兆の1兆倍の1兆倍のアドレスになる。IPv4を石油缶の体積とすれば、IPv6は太陽を越える大きさになる。

{ビッグデータ} FacebookやGoogleに代表されるような巨大な情報を取り扱える時代に入っている。初音ミクやコンプリートガチャの巨大さを想像して欲しい。複雑な巨大システムの制御が可能な時代である。欠陥を皆無にすることはできない。低確率巨大事故の候補の1つである。

{リスク、コスト、環境} 原子力以外は安全との考えは当たらない。多様な再生可能エネルギーの大規模化で様々な問題が発生する。3つの要素の相互作用を常に念頭に置くべきである。

{風力発電と太陽光発電} 太陽光は最も発電コストが高い。風力がより低コストであるが、太陽光の3倍の面積が必要であり、騒音被害、特に低周波騒音被害が問題になっている。

{メガソーラー} 出力が1MW(メガワット) (1000kW)以上の大規模太陽光発電施設をメガソーラーと呼んでいる。休耕田や耕作放棄地を利用する計画をソフトバンクが発表した。

{洋上風力発電} 大規模風力発電には着床や浮体がある。ツバを付けた「風レンズ風車」は従来型の3倍の能力を持っている。太陽光発電などを組み合わせ、さらに養殖場、海洋牧場を設置した洋上式多目的複合エネルギーファームの構想がある。台風と津波への対応が重要である。

{エネルギー貯蔵(ストレージ)} 多数の発電電源間の系統安定性の確保。ダム貯水(揚水発電)、燃料電池(水素エネルギー)、二次電池(水素電池、リチウム電池)、超電導、フライホイールなど。

 

1) メタンハイドレートとは  2) メタンハイドレートの掘削は  3) 国家プロジェクトと高知の動き

4) エネルギー資源の分類  5) 日本は昔からの資源大国(黄金の国、ジパング)  6) ビッグデータとスマート・グリッド

7) 事故は必ず起きる(低確率巨大事故)  8) 右肩下がりの下山の先は  

 

〒718-0054 高知県香美市土佐山田町植718

鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

0887-52-5154、携帯 090-3461-6571

 

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