銀の砂時計

Elegant~美しい旋律に調和する良質な風景・生活空間を求めて

気になることば

2006-03-21 21:28:11 | あきかぜ便り~日記
NHKラジオの番組で「気になることば」というミニコーナーがあります。

先日の話題は
「敷居が高い」
という「ことば」についての話題でした。大まかな意味としては「ある人の家に行きにくい」という内容だったと記憶しますが、最近はもっと違う側面から使っていることがある。そして、その違う側面からの表現は間違いではないのか?、ということでした。

そういえば
「このソフトは初心者には<しきい>が高い/低い」
などと使っていたことを聞いたことがあります。さらにインターネットプロバイダーがほとんど無かった頃には
「インターネットは<しきい>の高い存在」
「誰でも使えるようになって、インターネットの<しきい>も低くなった」
と使っていたような気がします。

この2つの表現、
「敷居が高いの<敷居>」・・・甲

「(たとえば)ソフトに関する<しきい>」・・・乙
とは、同じ「ことば」なのでしょうか?

確かに「甲」の用法で「乙」を表現しているというのなら、「乙」の表現は日本語として間違っているのかもしれません。しかし、発音が同じでも、この2つの「ことば」を私は同じものには思えません。なぜなら、「乙」でいう「しきい」の背景にある言葉として、「しきい値」を思い浮かべてしまうからです。

「しきい値」という言葉は、たまに科学の世界で見かけることがあります。「ある一定の値を境に効果が出たり出なかったり/ある現象が起きたり起きなかったり」という用語だったと思います。この用語のイメージを背景にした表現があるとすれば、「乙」の表現は正しいのではないか・・・と思うのです。

先の例に戻れば
「このソフトは初心者には<しきい>が高い」
と表現すれば、
「このソフトは高いレベルの使いこなしを要するので、初心者には難しい」
という意味で、ある一定の水準値を満たしているかどうかというところに主眼がいっていると思うのです。番組では、この点のお話は明確にはなされなかったようです。

「乙」のような表現は、科学やコンピュータなどに詳しい人たちのの間で広まり、おそらくそれが多くの場面で表現に用いられるようになったのでしょう。ただ、「敷居」「しきい」という同じ発音だった為に、混同が生じているのではないかと推測します。

#「しきい値」の「しきい」を漢字で表現しないのか、なぜ平仮名なのかという点まではよく分かりません
(^^;



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