銀の砂時計

Elegant~美しい旋律に調和する良質な風景・生活空間を求めて

やっと118話・・・

2014-02-28 10:00:01 | あきかぜ便り~日記
観る時間がなかったことに続き、映画熱の再来で、CHIQUITITASを観る余裕がなくなっていました。今月から再開したのですが、やっと118話まで来ました。本放送は今日で164話のはずですから、観ていない部分の消化を急がないと(涙)。たまった「Liçãn de casa」に唖然としているような心境です。

118話では「Mentirinhas」(縮小版)で始まり「Coração com Buraquinhos」で終わるという構成で、歌が好きな人にはドカーンとくると思います。旧バージョンの「Coração com Buraquinhos」が良かっただけに2013年版にも期待していました。旧バージョンの良さを生かしながらも映像に現代の味付けがなされ、「SARA SARA SARA...♪」のところには飛行機の効果音まで組み込んでいたりして、細かいところまでバージョンアップしていました。うーん、これはこれでいいですね。

「Coração com Buraquinhos」も歌の内容は優しさに満ちていて、ちょっと哀しいけれど、とても心優しい歌になっています。ただ、傘をクルクル回すシーン(旧バージョン)が好きだったので、今回は無くなったのが残念かなぁ。

あとはCrisの動画が晒し者状態になっているところは、さりげなくネット社会の怖さを教えているのかもしれませんね。おそらく視聴者は子供が多いと思いますので、それなりに配慮しているのでしょう。ああ、でも、Crisのオーバーなアクション、「TE ARMO」と繰り返す様子は笑ってしまいましたょ。



と、まあ、こんな話を日本でしても周囲には全く通じないのですが・・・(汗)
#こんなに素敵な番組なのにネ



パトリシア・ゴッジ

2014-02-24 16:00:01 | 映像空間
「シベールの日曜日」でシベールを演じていたパトリシア・ゴッジが主演している二作目「かもめの城(RAPTURE)」もDVDになっているのですね。シベールを繰り返し観ているうちに二作目も観たくなってきました。

そこでアマゾンで注文してしまいました・・・

かもめの城 [DVD]
クリエーター情報なし
紀伊國屋書店



MENTIRINHAS との出会い・・・

2014-02-23 10:00:01 | 音楽空間
そもそも「Mentirinhas」という歌に出会ったのは、ポルトガル語を勉強する前のことで、CARROSSELを観始めたころです。そのころは1990年代の古いバージョンのビデオクリップでした。

その時は歌詞の意味が分かりませんでしたが、とても気に入ってしまいました。駅で両親と思われる人との別れ、幼いころにはいていたであろう靴、そして涙・・・とても哀しいのに優しい気持ちにさせてくれる歌に感動しました。

そしてポルトガル語を学び始め、2013年版のChiquititasが始まると、当然のごとく2013年版の歌を心待ちにしていました。そしてDVDにも収録されている、2013年版Mentirinhasを観た時は体が震えました。

オルゴールのメロディーから始まるそれは、歌の世界を純粋に純化したような美しさに仕上がっていました。オルゴールをイメージした出だしには瞬間ノックダウンですよ。もちろん曲全体は現代的な解釈にアレンジされていますが、胸の内にグサグサ突き刺すような切なさの棘が猛烈に迫ってきます。

歌詞の内容に即したかのような人形劇のシーン、霧の中の森を探し回るような白いカーテンのシーン、ぬいぐるみを抱えている寂しそうな姿・・・これでもか!というくらいに、切なさが攻めてきます。ふつう泣きますよ、これでは。

そしてTatiの涙と歌に熱い思いがこみ上げてきますね。
「Não me diga mentirinhas, dói demais」
この言葉が胸の中に突き刺さって、どうにもなりません。叫びにも似た、強く重たい思いが感じられ、本当に「痛い」です。動画サイトで観る女の子たちも、この部分に力が入っています。この一節を聴くと、鋭利な刃物が突き刺さるような感覚を覚えずにはいられません。

さらに、カメラはViviの涙に続き、Biaの姿、そしてCrisの大粒の涙を映しだします。このシーンを観ていると、ジーンと来ます。確かに演出もあるのでしょうが、この子たちの様子を見ていると、何か深いところにあるものにこころから共鳴しているような気がしてなりません。感情入りまくりで歌う普通のMENINASと同じものを感じるのです。わたしとしては、そこが知りたい。形のないものなのでしょうが、奥深いところにある「何か」を感じるのです。うーん、うまく言葉で表現できないですねえ。

Miliのパートもスゴイ内容ですよね。
「sempre vou te amor」
「vamos ser feliz」
とても優しい言葉を綴っているのですね。泣きたくなるくらい母性豊かな優しさに満ち溢れています。哀しいけれど、優しい気持ちにさせてくれるのは、たぶんこれが原因なのかもしれませんね。


ブラジルの作品、音楽、そしてポルトガル語に出会えたことを幸せに思います。


***
そういえば、Chiquititasに出てくるmeninasの寝室は、どこかシベールの寄宿学校の寝室に似ていますね。普通ベッドの奥に組み込み式の2段ベッドがあるのです。孤児院とか寄宿学校はこういうものなのでしょうかねえ? ああ、でも、ブラジルとフランスですから国が違いますよね・・・偶然? うーん、謎です。


MENTIRINHAS

2014-02-22 10:00:01 | 音楽空間
ブラジル「Chiquititas」に出てくる歌で、題名は「ちょっとした嘘」みたいな意味らしいです。ポルトガル語の作文でMENTIRINHASという単語を使ったら、「どこで覚えたの?」的な質問をブラジル人先生から受けました。まあまあ良く使う単語のようです。

この単語で動画サイトを検索すると、「Mentirinhas」を歌う女の子の動画が複数出てきます。演出なのか分かりませんが、泣きながら歌っているmeninasもいます。

好きな歌なので、いろいろなmeninasの歌を聴きました。そこで気が付いたのですが、どの子も2013年版のTatiのパート
Não me diga mentirinhas, dói demais
Eu já sei que estou sozinha
Sem meus pais
Eles foram pra bem longe
Esqueceram que nasci
Me deixaram sem carinho por aqui
を感情こめて歌っているのです。4歳くらいの子まで力が入っているのです!

もちろん、この歌詞部分は歌のコア部分なので、とりわけ力が入るのも分かります。ただ、2013年版ではTatiが涙を流しながら歌っている通り、内容的にはとてもとても~哀しいのですよね。
「愛情も得られず、ただ独りここにいる」
的な内容ですから・・・
それでも女の子たちは歌っているのです。


この歌を感情をこめて、ときには涙しながら歌うって、どういうことなんだろう?
この女の子たちは何をみて、何を思っているのだろう?

彼女たちが歌う姿をみていると、このような思いが強くなってきました。


MENINASの瞳に映るもの・・・
わたしがいま一番知りたいことのひとつです。

こればかりは現地で暮らさないと分からないような気がしますが、その思いの深いところに寄り添ってみたいです。そしてこのような歌がある環境は、音楽的にはFELIZなのでしょうね。



シベールな日々・・・

2014-02-21 10:00:01 | 映像空間
映画「シベールの日曜日」のブルーレイが届いてからというもの、なんだかんだで繰り返し観てしまっています。いままで観ることがなかった時間が長かったせいか、一度再起動してしまったこころの振動は収まるところを知らず、休みの日は午前・午後と2回観てしまったり、普段でも暇があれば観ています。合計30回近く観ていますね。
 友人「そこまで観れば作品も本望でしょ?」
 #完全に呆れています

確かにシベールを演じていたパトリシア・ゴッジの素晴らしい演技に感動するのですが、それよりもシベールの失ったものの切なさに打ちのめされているような気がします。シベールの涙で作品が終わって、めっちゃめちゃに打ちのめされるのですが、それでも繰り返し観たくなるのです。この純粋で透明な世界は病み付きになります。


***
シベールな日々になってしまったため、Chiquititasを観る時間が無くなってしまって、本放送からだいぶ遅れをとってしまいました。やっと、シベールのショックも落ち着いてきたので、Chiquititasのストーリーを追いかけはじめました。

ただ・・・・・・・

「Mentirinhas」の歌を聴いたとき、いままで以上に哀しくなりました。

Não me diga mentirinhas, dói demais
Eu já sei que estou sozinha
Sem meus pais
Eles foram pra bem longe
Esqueceram que nasci
Me deixaram sem carinho por aqui

なんて哀しい歌詞なのでしょう。内心で号泣している自分に気が付きました。両親からの愛情を受けらない孤独感を歌う姿は、薄幸なシベールと完全に重なってしまいます。歌から受ける印象が大きく変化した感じです。それでも「Mentirinhas」にはブラジル的な優しさ・温かさがあるのが救いですけどね!


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映画「シベールの日曜日」

2014-02-09 17:00:01 | 映像空間
Amazonで注文していたDVDはすぐに届きました。実はブルーレイを購入したのは今回が初めてです。初ブルーレイが「シベールの日曜日」とは・・・ちょっぴり嬉しかったりします。

シベールの日曜日 ブルーレイ [Blu-ray]
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***
この映画は古い作品です。50年以上前の作品になりますが、いま観ても大きな感動を与えてくれる、わたしにとって大切な作品です。

モノクロの映像が美しく(BR-DVDでは少しデジタル臭くなっていますが)、どのように撮影したのか、撮影意図などを考えるのも楽しいです。日曜日、ピエールが修道院の学校を訪れたとき、ミラー越しの映像を使ったシーンには度肝を抜かれた思いがしました。風見鶏のある教会の屋根から俯瞰して撮影しているシーンでも、煙突から出ている煙に味わいがありますね。
#照明の当て方も考えさせられました

控えめで詩的な台詞、静寂の中で淡々とお話が進んでいきます。展開される世界は極めて純粋かつ透明で美しく、そしてこころの通い方に優しさが満ちていて温かいです。しかし同時にどことなく漂う哀しい香りがあり、作品に深みを与えています。

静かで美しい映像に二人の心象心理が描写されていて、観ていて引き込まれてしまいます。水面の波紋、凍りついた水面、霧、クリスマスツリーの小さな箱、そのすべてが台詞以上に多くのことを語りかけてきます。波紋(水の輪)が二人の家というところも好きですし、波紋を見ていると「物語」の始まりを告げる画面効果のユラユラにも感じられます。あの美しい公園(?)は今もあるのでしょうか。

カルロスの鳥かごも象徴的です。鳥かごという閉ざされた世界とピエールの心理、完成した鳥かごの中にいるピエールに向かって「北斎のようだ」という言葉を投げかけたりします。カルロスの部屋は窓ガラスが曇っていないのも気になりました。

他にも、回転木馬前のシーンでは「馬」と「鶏」が正面に来て止まったり、ゴーカートの車体には「13」の番号が振ってあったりします。「馬」と「鶏」は、シベールが気になっている白馬と風見鶏なのかもしれません。

音楽も素敵な使い方をしています。ピチカートで主題の旋律が繰り返されますが、適度な緊張感が漂い、作品に張りを与えています。中でもアルビノーニ「アダージョ」が流れるシーンは一番好きですね。純粋な二人の関係とその後の結末を暗示しているかのようで、なぜかウルウルきます。アダージョの旋律が壊れかけた二人のこころの共鳴音にも聞こえ、聴きなれた曲なのに楽曲に対する印象を大きく変えられてしまいました。


***
ほぼ20数年ぶりに「シベールの日曜日」を観ました。以前に観たときと同様に感動しまくりでしたが、より深く、より悲しく、感情を揺さぶられた気がします。「triste」なのです。美しいモノクロの映像がより感動を引き立てています。
#わたしはモノクロ写真が好きですしネ

台詞の細かい表現を気にしないのなら、日本語の字幕なんて必要ないかもしれません。「こころ」で感じる映画ではないでしょうか・・・それほど自然に入り込むことができた映画です。

シベールを演じたパトリシア・ゴッジはとても愛らしく、「少女」でありながら「女」でもあるという役柄をうまく演じていました。表情の豊かさが良いです。学校の前のベンチで独り座り、寂しそうな表情を浮かべている姿は強烈なインパクトを与えられ、わたしは忘れることができません。ツリーの小さな箱を取るよう促す視線、本当の名前を告げる表情、いずれも美しい世界を印象深く演じています。「シベール」という彼女の本当の名前は、彼女の失われたidentityであり、それを開示することの意味深さ・重さ、そして再び失われたときの深い悲しみ、久々に震えるほど感動しました。


***
わたしはこの作品が好きでたまりません。
これからも繰り返し繰り返し~観ると思います。



ずっとこのまま二人をそっとしていてあげたかった・・・

ふと、そう思いました。



***
おまけ
大好きな番組「Chiquititas」「Carinha de Anjo」は孤児院だったり寄宿学校だったり・・・これらは「シベールの日曜日」とは全く別種類の作品ですし、シベールほど悲しい展開ではないものの、どこか似たような風情を感じています。シベールに再会した後、これらブラジルの作品に接すると、シベールのことを思い出すかもしれませんね。


記憶の中の映画との再会

2014-02-03 10:00:01 | 映像空間
先日、WOWOWを観たら引き込まれるように観てしまった作品がありました。作品としては途中から観はじめることになってしまいましたが、ちょうど女の子(EVA)が出てくるところあたりでした。まず、わたしを惹きつけたのは
「あれ?スペイン映画かな?」
という気づきでした。どうしてもスペイン語を耳にしてしまうとドキドキしてしまうもので・・・それと映像の美しさにも魅力を感じ、強い関心を持ちながら最後まで観てしまいました。
#ヨーロッパの映画は好きなので、体が自然と反応します(笑)
#鬼太郎の妖怪アンテナ並みです(自讃)


この作品はスペイン映画で「EVA」という題名でした。初めて観る作品で、題名のEVA(エヴァ)は観始めたときに登場した女の子の名前でした。ストーリー的にはロボット系のお話で、基本的に興味のない分野のはずでした。しかし、この作品にある「何か」を感じてテレビを消すこともなく、見続けました。特に映画の終わり部分がとても気に入り、少し悲しくなりました。

ただ確かに面白い作品だったのですが、内心では本編から離れた場所に何か違う存在を漠然と思い浮かべてしまい、なんとも不思議な感覚に陥りました。その時は記憶の引き出しを当たっても思い出せず、つかみどころのない曖昧なイメージのかけらだけが残りました。

とりあえずは面白かったのでアマゾンでDVDを買おうと思い、早速パソコンで検索しました。

EVA [Blu-ray]
クリエーター情報なし
松竹



わたしはAmazonで買い物をするときカートに品物を入れる前に「この商品を買った人は、こんなものを買っています」的なリストを見ることにしています。お約束通り今回も見てみました。すると、わたし的にビックリの結果が出ていました。

そのリスト中の映画作品に、わたしの心を揺さぶった作品があったのです。それが
「シベールの日曜日」
です。

シベールの日曜日 ブルーレイ [Blu-ray]
クリエーター情報なし
角川書店



***
20年くらい前、深夜の映画枠で放送され、めちゃめちゃに感激した記憶があります。当時、VHSのテープに録画し大切に保管していました。数年後にカビが発生して、泣く泣く処分せざるを得ませんでした。それから年月が過ぎ、記憶の底に深く沈んだままになっていたのです。それが「EVA」を媒介して「シベールの日曜日」を思い出すこととなり、その時の感動が一気に甦ってきました。

もう一度シベールに会いたい・・・

いつしか購入するDVDが「EVA」から「シベールの日曜日」にとって代わられていました。これほど古い作品がDVD化されていたとは知らず、DVDの存在にも驚きました。


***
わたしが映画の魅力に初めてハマったのはビクトル・エリセ監督「ミツバチのささやき」(スペイン)です。その後はアンドレイ・タルコフスキー、小津安二郎作品などが好きになりました。その流れの中に「シベールの日曜日」があり、わたしにとって大切な作品なのです。DVDでシベールに再会できるなんて夢のようです。届いたら、次の休日にじっくり鑑賞予定です。

そうそう、映画「EVA」のエヴァが着ているコートは、どことなくシベールのコートみたいな感じがしませんか? 「EVA」を観て不思議な感覚を感じたのは、エヴァという女の子からシベールを感じとっていたのかもしれませんね。
#両作品のストーリーは無関係ですし、この感覚は個人的な感想にすぎません。


鑑賞したらこのブログで取り上げる予定です。