
土日読んだ本三冊目!
こんなに暇でいいんだろうか(笑)!?
144頁の作品ながら中身は濃い。
小さい広告代理店の経営者である「私」は容体が悪化した父親のもと故郷函館に帰郷する。間もなく父親は死に至り、「私」は父親の残した原稿を手に父親の人生と自分の人生を振り返る。
13年前に父親を亡くしている私と諸々共通点がある展開に引き込まれ、あっと言う間に読み終えてしまった。さすがは荻原さん!印象に残った言葉をあげておく。
「あ、お父さん」
娘は私のことを、お父さんと呼ぶ。パパという呼び名に抵抗があった私が、そう呼ばせていたからだ。
娘とは相性もなにもない。親とは常に子へ、見返りのない片思いをするものなのだ。
世の中には二種類の人間がいる。
尻尾を振ってでも、生活や家庭を守ろうとする人間。尻尾を振らずに、目に見えないものを守ろうとする人間。
人生は、何をなしたかではない。何をなそうとしたかだ。
私も小説を書こうかな・・・
書き出しは最初から決まっている。
私がこの世に生を受けたのは、昭和31年岩手県盛岡市だ。誰が何を言おうが言うまいが、それは変えられない。