白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

私の9月の記録

2022年09月30日 | 家族・自分
・522,756歩(28日間)=一日平均:18,670歩
・437.7㌔(28日間)=一日平均:15.6㌔
・日本一周(12,000㌔)まで、あと7,260㌔
・読書=12冊(塩野七生3冊、遠藤周作5冊、阿川弘之1冊、小川洋子3冊)

8月と打って変って良い天気が多かったので、前々から行きたいと思っていた、御所湖、滝沢市役所、分れ、県立博物館、都南中央橋を一ヵ月で全て制覇してしまい、過去最高の距離数となりました。
10月は秋を探して歩きます。

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ことりー小川洋子

2022年09月30日 | 読書
評価5

再読(前回2021年2月15日)。
ポーポー語を使って小鳥と会話が出来る兄と二人暮らしだった小鳥の小父さんは兄を失ってからは幼稚園の鳥小屋の世話をボランティアで懸命に務めるが、ある事件をきっかけに、その役目を取り上げられてしまう。両親亡き後、ひっそりと暮らす兄弟と小鳥が織りなす優しく切ない物語。

毎週水曜日に近所の青空商店でキャンディを買うお兄さんは、そのキャンディの包装紙で小鳥ブローチを作る。お兄さんが使うポーポー語を理解できるのは小鳥の小父さんだけ。兄弟での旅行は、実際に旅をするのではなく、厳選された品々をボストンバッグに詰め込み、旅行計画を綿密に立てた上で近所の幼稚園の鳥小屋の前まで行くこと。ある男に誘われて、メジロの「鳴き合わせ会」に出かけた小鳥の小父さんは、鳥籠に入れられた多くのメジロを次々と逃がしてしまった後、家に帰りついて自分が飼っているメジロの鳥籠を抱いたまま死を迎える。

こんな、小川洋子が紡ぎ出す小川洋子的世界。
両親が亡くなって、父親の書斎も崩れ落ちて、お兄さんも亡くなって、司書の女性もいなくなって、青空商店のキャンディも無くなって、そして、小鳥の小父さんも亡くなって、死をむかえるために人生はある、とでも言うような小川洋子文学作品です。

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やさしい訴えー小川洋子

2022年09月29日 | 読書
評価4

カリグラファーの瑠璃子は夫の許を離れ別荘に移り住む。そこでチェンバロ製作者の新田と弟子の馨に出会った瑠璃子は新田に惹かれて行くが、新田と馨の目に見えない絆の強さに打ちのめされる。別荘を取り巻く自然と3人の男女が織りなす愛のハーモニーに加えて老犬ドナの名脇役ぶりが際立つ。

私の記憶では、今まで読んだ小川洋子作品に登場人物の名前や地名が出て来たことはない(あっても記憶に残らないほど)と思うのだが、この作品には日野瑠璃子さん、新田さん(下の名前のイニシャルはYなのだが名前は不明)、薫さん(苗字不明)が登場。別荘のある場所は東京まで新幹線で3時間で、「車で花巻まで行って飛行機で札幌まで」という記述から、どうも岩手県内ではないだろうか!?という気がするのだが・・・まっいずれにしても、小川作品として、かなり珍しい部類に入ると思う。

小川さんの静謐でチェンバロの音色が聴こえて来るような物語、満喫しました。秋の夜長に最適!

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