白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

いちばん長い夜にー乃南アサ

2021年04月26日 | 読書

評価5

再読(前回2020年3月4日)。
2011年3月11日、芭子は綾香の息子を探しに向かった仙台で東日本大震災に襲われた。著者自身が未曽有の大災害の中、仙台から東京へとタクシーを乗り継いで辿りつた実体験を基にした描写があまりにも生々しいマエ(前科)持ち女シリーズ完結編!

大震災を境に、同じマエ持ちとは言え、下町の片隅でひっそりと歩んで来た二人(小森谷芭子、江口綾香)の間に妙な距離間が生まれる。それは、綾香が「人を殺めた過去」を真正面からとらえようとし始めた証でもあった。芭子は大震災からともに逃れた弁護士・南祐三郎と付き合い始め、綾香は償いきれない自分の罪を被災地のボランティア活動を通して見つめて行く。これまで手を携えて生きて来た二人の新しい人生の始まりにエールを贈りたい。芭子ちゃん、綾香さん、頑張れ!

大震災当日から翌日にかけての東京行きの描写に圧倒される、何度読んでも一気読み!!!