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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

夏から夏へー佐藤多佳子

2019年11月29日 | 読書

評価4

「一瞬の風になれ」で第4回(2007年)本屋大賞受賞の作者が陸上4X100リレー日本代表メンバーの2007年夏の大阪世界陸上(5位)から2008年夏の北京五輪(銅メダル、後に1位ジャマイカの失格で銀へ繰り上げ)をむかえるまでの姿を追ったノンフィクション。

メンバーの塚原直貴、末續慎吾、高平慎士、朝原宣治(走行順)への過酷な練習風景を織り交ぜながらのインタビューで、その人生にかける思い、レースに挑む心境を余さず伝える良書!陸上を見る目が変わりそう!佐藤多佳子さんありがとうございます!

【追伸】
大阪世界陸上のリレー準決勝後の遅い夕食をとりにリレーメンバー全員で「なか卯」に行ったとのエピソードに思わず笑ってしまいました(笑)。

凍える牙ー乃南アサ

2019年11月27日 | 読書

評価4

1996年直木賞作品。
音道貴子は警視庁のトカゲ(オートバイによる追跡部隊)に所属する女刑事。オオカミ犬による復讐事件が起こり、貴子と相方の滝沢は犯人を追う。最後の犯行に向けて疾走する野獣とそれを追跡する貴子のスピード感が爽快!

乃南アサ初読み。
音道貴子は30代前半、元同僚の夫と離婚したばかり。その心の傷と戦いながら、相方との軋轢にもめげず汗みどろになって悪戦苦闘する姿が痛々しい。音道貴子シリーズは何冊かあるようなので読んでみよう!本作品では、そのキャラクターがはっきりと示されてはいないように思われるので乞うご期待。

一瞬の風になれ(3)-佐藤多佳子

2019年11月23日 | 読書

評価4

南関東大会、春野台高校陸上部主将の神谷新二は100㍍3位、幼馴染の一ノ瀬連は優勝でインターハイ切符を手にする。4継は1走鍵山、2走一ノ瀬、3走桃内、4走神谷で怒涛の優勝!いやーっ痺れた!手に汗握った!おめでとう!春野台高校!・・・で、ここで物語は余韻を残して幕を閉じるのだ。インハイも頑張れ!と思わず叫んだ(笑)!

う~ん、リレーのシーン、もっともっと応援風景の描写が欲しかった。新二の大好きなお兄ちゃん・健一にも来てもらいたかった。あと、文庫本版の巻末に、作者の取材に協力した麻溝台高校(神奈川)陸上部の人たちの座談会が載っているが読まなきゃよかった、正直しらけた・・・

スポーツ小説いいですね!新しいジャンル発見!またいろいろ探して読んで行きたいと思います。

一瞬の風になれ(2)-佐藤多佳子

2019年11月21日 | 読書

評価4

新二と連は2年生になった。新入部員も入って来た。新二は同じ陸上部の谷口若菜に恋心を抱く。インターハイの南関東大会4継は予選敗退。でも、春野台高校はめきめきと力をつけている。「インハイ出場」が近づく実感を感じる中、新二は次期主将に指名された。100㍍でも県決勝上位を目指せるくらいになった新二は精力的にトレーニングに励むが、親愛なるJリーガーの兄・健一が交通事故で生命線ともいえる右足を負傷。アスリートとしての生き方に迷いを生じた新二は部活にも顔を出さず苦悩するが秋の全国高校駅伝予選で母校選手の姿を見て感動。陸上に取り組む意欲を持ち直し再起を図る決意を胸に、いよいよ最後の学年!

ちょっとブラザーコンプレックスの主人公にイライラするが、ページをめくる手が止まらなくて二日で2冊読んじまった(笑)。さーラスト!陸上っていいな~!

一瞬の風になれ(1)-佐藤多佳子

2019年11月20日 | 読書

評価3

主人公の神谷新二はサッカーを断念して、幼馴染の一ノ瀬連と春野台高校の陸上部に入った。連は中学総体で全国上位に入るほどのスプリンター。新二は体力勝負で連の背中を追う。二人を中心とした青春陸上小説1巻目(全3巻)いよいよスタート!

昔から陸上には興味があって母校選手を中心に追っかけては来たが、陸上競技を掘り下げた文章を読むのは初めて。練習内容を始めとして「なるほどな~」とかなりためになる。まだまだ始まったばかり、これからどんどん面白くなって行くはず!4継(100㍍×4リレー)の場面に思わず感動!ガンバレ!新二!連!春野台高校陸上部!