就農して始めに出来たのが小松菜。
品種は特に気にせずF1種であったがその後、在来種を含めて幾らか播き比べた。
F1種とは一代交配種のことで強い性質の物をかけ合わせることで従来の欠点を補ったりする品種改良をしたものを言う。
いわゆる犬の雑種と同じでそれは一世代限りのもの。種を採っても同じものは出来ない。
F1種の小松菜は一般的にはチンゲンサイとの交配種。
本来の小松菜(在来種)は東京小松川周辺で作られていたもので、葉は今主流の丸葉ではなく広葉で緑は薄い。
茎の下まで葉がついていると昔藁や針金で束ねる時に邪魔になるために品種改良されてきた。色も濃いほうが好まれると言う理由。チンゲンサイと交配させるのは葉茎を強くして病害虫に強くする為。
この二つを食べ比べた時F1種は確かにチンゲンサイの味がした。在来種との味の違いにビックリしたのだが本来小松菜は癖のない菜っ葉だったんだとこのとき初めて知った。出汁を効かせる日本料理に確かに合う。F1種はあの独特のクセが出汁を効かせた薄味の味つけではどうしても邪魔をしてしまうのは以前からなんとなく感じていたこと。
私達の在来種の第一印象は「何だか味が無いな」だったのだけどそれを料理することで本来の小松菜の美味しさに気付いていった。
この時期の菜っ葉は春の出先のものよりどうしても硬くなってしまうが味は濃い。畑で収穫しながら生のままかじるが明らかに春のものとは違うのだ。
「おしいとはなんぞや」難しいけど、人それぞれだけど・・。
本物であったり本来のものであったり、出来るだけシンプルなものにだんだん引き寄せられる。それを日々繰り返すことで自分達の美味しいを作っていく。
それは持続可能である食事。伝統・文化に通ずるものがある。
セットに入りだしたセロリ。
今年は虫が多くて虫食いを取り除くと2分の1か3分の1ぐらいになってしまう。
作るのが面倒な野菜だが必ず欲しい野菜でもある。
好き嫌いが別れる野菜なのだけど我が家では万能野菜で炒めたり、煮たりと何でもできる。
玉ネギと人参、セロリがあれば怖いものなし。トマト缶があればこの世のものとは思えぬ美味しさ。
スーパーのような大きなものは作れないがこちらは緑が濃いタイプで香りも強い。スープやソースにすると味がよく出ておいしい。
来年はどう作ろうか?もう頭の中にで・・・。