08/25 頭の体操 (114) 漢字クイズ
『これまでのカタカナ語句』には、
カタカナ部分のみが 各回ごとに載っており、
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『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、
『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは
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06/06 ~ 06/19 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (20) に、登場した順に並んでいます。
また、(A) ~ (T) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?
(1) ユニヴァーサル (2) マネージャー (3) ピアニカ
(4) ファシリティーズ (5) シェア (6) コンテナ
(7) ミドルネーム (8) アクリル樹脂 (9) エピソード欄
(10) クラヴサン (11) パパゲーナ (12) イオランダ
(13) アルミーダ (14) アタリア (15) プレチオーザ
(16) トゥーランドット (17) クラップフェンの森で
(18) ハイ ペース (19) ユングゾリステン (20) パラフレーズ
(A) 盃米酢 (B) 歩見堕 (C) 父芸名 (D) 比侮讃
(E) 困手無 (F) 如空気 (G) 悲兄歌 (H) 諭逃婆猿
(I) 真似事嫌 (J) 看取姉夢 (K) 威尾乱打
(L) 吾他利嫌 (M) 降地負挫 (N) 二走兎捕
(O) 腹不得触 (P) 弓久反不捨 (Q) 似非騒怒乱
(R) 不和尻手出 (S) 悪狸留自融資 (T) 暗普遍之盛手
[解 き 方]
・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
ものです。
・ 音読み、訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点(゛)、
半濁点(゜)、送り仮名を補ってください。
・ 従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
あります。
・ 音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
今回は3箇所あります。
・ 口語的、俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
(例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
今回は1箇所あります。
・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
(例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
今回は3箇所あります。
・ 人名漢字の中には、“姓”、”名” ともに含まれている場合もあります。
姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
(例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
今回はありません。
・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
今回はありません。
・ 厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
お見逃しくださいませ。
解答
↓
以下、06/06 『ゴジラの逆襲』より
(1) ユニヴァーサル (H) 諭逃婆猿
[weblio 辞書] で “universal” を引くと、様々な訳語が並んで
います。 「普遍的な、世間一般の、万国の、宇宙の…」。
そこで、今度は “universe”。 「宇宙、世界、領域」。
さらに、次の解説も。 [ラテン語「回転して一つになったもの」
の意 (UNI‐+vers‐,vertere 「回転する」)]。
これは、ローマ人の宇宙観にも通ずるのでしょうか。 季節は
一年で巡り、また元の星座が戻って来る。 星座名でも、ラテン
語が知れ渡っていますね。
ところで、“UV” と言えば紫外線 (Ultraviolet)。 では、演奏
用語で “V.S.” はご覧になったことがありますか? かつて私
の在籍していたオケでも、パート譜に盛んに書いてありました。
「急いでめくれ!」 こちらは “volti subito !” で、“voltare”
なる動詞の命令形でした。
「早くお回りしなさい!」…じゃないよ? まるチャン…。
(2) マネージャー (I) 真似事嫌
部活動のマネージャー…。 女性が大活躍しています。
しかし一部のスポーツの世界では、“監督” のことですね。
私の大好きな野球でも。
“Playing Manager” は、選手兼任監督。 日本プロ野球でも、
数々の実例があります。 新しいところでは、東京ヤクルトスワ
ローズの、古田敦也氏(2006 - 2007)。 そして、かつての南海
ホークス、野村克也氏(1970 - 1977途中まで)。
ただし上記のサイトには、「監督は管理職であるとして選手会
(労働組合)を脱会することとなっている。」…ともあります。
“Playing Manager” を文字どおりに解釈すれば、“現場の仕事
も出来る管理職”。 どの世界でも、現場の苦労が解る上司で
あってほしいものです。
世の指揮者先生たちもね。
権力と権威を勘違いしないように。
以下、06/07 『演奏者の僕 (しもべ)』より
(3) ピアニカ (G) 悲兄歌
広く普及している言葉ですが、実は商品名。 鍵盤
ハーモニカのことです。
ただし、一つだけ問題が…。 「Re と Fa と La と Si
の音が出な~い♪」
それ、吸ってるからじゃない? 普通のハーモニカ
とは違うんだよ、お兄ちゃん。
すべて吹き込まないと、音は出ません。
(4) ファシリティーズ (R) 不和尻手出
「***ファシリティーズは、不動産から建築、設備構築、運用
管理、警備、環境対策、そしてリスクマネジメントまで、ワン
ストップで、フルラインのサービスをご提供しております。」
やたらとカタカナばかり、並んでいますね。 これを使った
企業名が目立ちます。 単独で用いる “facility” は、要する
に “施設” のこと。
“facility expenses” (施設費)、“facility manager” (運営管理
者)、“facility operation” (設備操作)…のように使われます。
(5) シェア (F) 如空気
「Facebook で画像をシェアする」…のように、今や日本語化
した言葉ですね。
その前に見かけたのは、カーシェアリング。 “一人一台”
の自家用車と、“レンタカー” との、ちょうど中間のシステム。
新聞紙上の輸出関連記事では、“*国における市場占有率”
のように使われていました。
もっと古い私は、英単語の “share” を目にして、辞書をいち
いち引いたものです。 “分かち合うこと、分け前”。
社会、経済、技術革新の “グローバリゼーション” の余りの
速さに、着いていけない私でした。
以下、06/09 頭の体操 (106) 漢字クイズ 問題/解答より
(6) コンテナ (E) 困手無
同じく日本語化してしまった単語。 普通、“コンテナ” と
呼ばれます。 でも英米人には通じないでしょう。
これ、“contain” から出来た単語で、こちらは “コンテン”
とは絶対に読まない。
最初にカタカナで記した人が、もし “コンテイナ” と書いて
くれたら、こんな議論は、おそらく起きなかったでしょうに。
自分の耳が悪いのをさて置いて、アクセントの位置がイチ
イチ気になる私でした。 細かい発音の差は別として、これ
だけは大切だと思います。 “コンテナ”。
(7) ミドルネーム (J) 看取姉夢
国や文化圏によって、大きな差があります。 ネット検索で
一例を挙げると…。
「アメリカで言えば、大体の人がミドルネームを持っている。
ファーストネーム、ミドルネームのどちらか、または両方とも、
祖父母や両親、親戚の名前、恩人の名前などから受け継ぐ
ことがある。」
「必要性から言えば、苗字や名前のバリエーションが少なく、
必然的に同姓同名が多くなるので、ミドルネームで区別を…。」
「もともと宗教の洗礼名に由来している。」
ロシア語圏などでは、父称がありますね。
「例えばピョートル・イリイーチ・チャイコフスキー(父の名は
イリヤー)のように、実父の名に基づく父称をミドルネームの
ように用いる。 これは普段は省略することが多いが、敬意
をもって呼ぶときは “ピョートル・イリイーチ” のように “個人
名・父称” とするのが基本である。」
“Wolfgang Amadeus Mozart” の場合は、洗礼名は以下の
とおりです。
“Joannes Chrysostomus Wolfgangus Theophilus Mozart”。
これでは、“一つのミドル” は期待できません。
それでは、我が国の姓名には無いの?
あ、大変なのがありましたね…?
(8) アクリル樹脂 (S) 悪狸留自融資
難しい事は解りませんが、一頃は、私も大変お世話になり
ました。 用いたのはアクリル板。
加工が比較的容易な反面、かなり強度があるから。 糸鋸、
電動鋸、プラスチックやすりなどを使っての、顎当て作りです。
最後の作品は、薄い木板製の、厚さ1㎜のものでした。
今は、顎当ても肩当ても使っていません。 ですから、「どう
やって楽器を “持つ” か?」…が大問題なのです。
Violin の場合、楽器の厚さだけでも5cmほどありますが、
私にはそれすら邪魔なのです。
「じゃあ、楽器に穴でも開けろ!」 ええ、30年ほど前は
真剣に悩みました。 それが出来ないからこそ、こんなに
時間がかかっているのです。
西洋人のように、大柄な体格に恵まれているかたには、
おそらく無用な悩みでしょう。
…ということは、誰もがもっと悩んでもいい、重大な問題
だと思うのですが…。
(9) エピソード欄 (Q) 似非騒怒乱
“似非” は、「似て非なること」。 **科学者、**政治家、
**文化人…などのように使われます。
読み方は “エセ” なので、決して “エピ” とはなりません。
インチキ ブログの、似非学問コーナーに免じ、お赦しを…。
(10) クラヴサン (D) 比侮讃
チェンバロ、ハープシコードの、フランス語名。 そうとは
知らず、小学生の私が悩んだこと、すでにお話ししました。
「クラブさん? どんな人だろう。 トランプの好きな人な
のかな…。」
これが “クラヴィコード” となると、サイズが小さくなる。
言わば “卓上ピアノ” です。
今では “ロールピアノ” までありますね。
(11) パパゲーナ (C) 父芸名
『魔笛』では、まずお年寄りとして現われます。 しかし最後
は18歳の女性に変身し、“父芸悩” と結ばれます。
これ、どちらが “仮の姿”? やっぱり “老女”? 逆だった
ら、ひと悶着、起りそうだ…。
このコーナーには、小惑星パパゲーナとして登場しました。
以下、女性名が続きますが、いずれもマックス・ヴォルフの
発見した、小惑星に命名されたものです。
(12) イオランダ (K) 威尾乱打
“Iolanda” は、イタリア語の女性名。 小惑星名の由来は
不明だそうです。 ドイツ語名、ドイツの芸術・音楽作品の中
に、この名があるのかもしれません。
実在した人物には、17世紀の王妃、20世紀の王女が
見られます。
なお『イオランタ』 (Iolanta) は、チ(ャ)ィコーフスキィの最後
の歌劇。 [チャイコフスキー:歌劇《イオランタ》]には、
あらすじが紹介されています。
台本の作者は、弟の “モヂェースト・イリイーチ” さんです。
(13) アルミーダ (B) 歩見堕
まず思い浮かぶのは、ロッシーニの歌劇『アルミーダ』。
しかし、「グルックのオペラ “Armide” の登場人物にちな
んで名づけられた」…とあります。 こちらは、パリで作曲、
初演されています。
(14) アタリア (L) 吾他利嫌
劇作家ラシーヌには、『アタリー』という悲劇作品があります。
これに付随音楽を作曲したのが、メンデルスゾーン。 今日
では、序曲だけが単独で演奏されることが多いようです。
アタルヤは実在した女王で、暴君だったといわれています。
(15) プレチオーザ (M) 降地負挫
ヴェーバ―34歳の年、1820年の作品で、序曲と11曲から
成る、やはり付随音楽。 翌年、ベルリンで初演されました。
序曲は、今日でもたびたび演奏されます。
基となったのは、かのセルバンテスの作品だそうですが、
詳細は判りませんでした。 ご存じのかたは、どうかご教示
くださるよう、お願いいたします。
“Preciosa”、“Preziosa” の、二つの綴りがあります。 前者
は、スペイン語、ポルトガル語で、“precious”、“beautiful” の
意味。
そう言えば、プレシオサなる、クリスタルガラスのメ―カー
さんがありました。 チェコの会社です。
(16) トゥーランドット (N) 二走兎捕
プッチーニの最後の作品となった歌劇。 有名なアリア、
『誰も寝てはならぬ』には、以下のような歌詞があります。
「誰も寝てはならぬ! …愛と希望に打ち震える星々を
見るのだ。」
天文学者ヴォルフが、この歌を口ずさみつつ、徹夜の
観測で発見した小惑星が、この “トゥーランドット” だった
ソウです。 (ウソ)。
プッチーニに先立つこと100年以上前、ヴェーバーも、
付随音楽『トゥーランドット』を作曲しています。
さて、もし小惑星がお好きでしたら、以下のサイトを
お楽しみください。
寅さんや、かぐや姫、アンパンマンもいますよ?
[フィクションの作品に因む名を持つ小惑星の一覧]
(17) クラップフェンの森で (T) 暗普遍之盛手
“お手盛り” と引いてみました。
「偉い人がみずから飯をよそう場合、いくら無茶に盛って
も、誰も止められない状態をいう。」
「自分自身が持つ権限などを利用して、自身やその所属
する集団などにとって利益があるような決定を行うこと。」
「独断専行、思いのまま、私意によって、恣意(しい)的に、
私情を優先、私利私欲による、(組織の)私物化…。」
「客観的に行われるべき安全評価が、第三者機関では
なく原子炉製造メーカーによって行われている実態は、
審査体制の欠陥と“お手盛り”ぶりを示しています。」
古くからある表現が、最近ではこんなふうに使われる…。
確かに明るいところじゃ、出来ないよね?
ご飯なら、まだ可愛げがあるけど。
以下、06/14 『1,000小節は天国? 地獄?』より
(18) ハイ ペース (A) 盃米酢
そういう人たちにはハイペースで、どんどん飲んでもらおうよ。
酒や米の代わりに、酢をね。
これなら、いくらお手盛りしたって、誰も止めないさ。 お酢
は健康にいいっていうし、体も骨も柔らかくなるよ?
でも、政治家の先生方には、あまり勧めちゃ駄目よ。 ただ
でさえ、フニャフニャの骨抜き法案ばかり、作ってるんだから。
以下、06/19 『スピード感も一過性』より
(19) ユングゾリステン (P) 弓久反不捨
これ、ある素晴らしい演奏団体の名称です。 ところが、
意地悪な私がイチャモンをつけます。
意味は、“若きソリストたち” です。 でも、せっかくドイツ
語を使うなら、“ユング” でなく “ディ ユンゲ” のほうがいい。
“Die Junge Solisten”。
ちなみに、女性のソリストに “bravo!” はいけませんね。
「あら、私、そんなに男っぽく見えるの!?」…なんて言われ
ちゃう。
女性には “brava”、複数形は “bravi”、もし女性ばかり
の団体だと、“brave” (ブラーヴェ) です。
面倒なときは、“bravissimo!”。 対象が誰でもOKです。
イタリア語の名称を使う団体もありますね。 一旦
定まってしまうと直しにくいので、要注意です。
“-tuoso” は、“トーゾ” でなく、“トゥオーゾ”。 また
これは、形容詞の男性単数形なので、“男性が一人
だけの団体” の意味になってしまいます。
そう言えば、“i musici” (イ ムズィチ) は、“音楽家たち”
の意で、“i” は定冠詞でした。
イチロー選手は “N.Y. Yankees” の一員になった、
“a Yankee” ですね。
かつて、私の住む町に、“ラ ジュール” という名の店が
オープンしました。 フランス語の響きがします。
でも、これはおかしいですね。 “jour” (日、一日) は男性
名詞の単数形なので、定冠詞は “le”。 “ル ジュール” と
しか、絶対に言いません。
もし “la jour” とフランス人が聞いたら、きっと笑いだす
でしょう。 男性が、女性用の帽子を被って歩いているの
と同じですから。
「誰か、面識のある人が忠告してあげないかな…。」
そう思っていたら、一ヵ月ほどして店名が変わりました。
もう今は無い店で、何の店だったか忘れましたが。
(20) パラフレーズ (O) 腹不得触
「他の言葉で…言い換えること」だそうです。
音楽でも、これが盛んに行われます。 変奏や修飾を施し、
他の楽器のために編曲すれば、ほとんどがパラフレーズに
なってしまいます。
「そんなの、ちゃんと書いてあるだろう!? 解りきってること、
言うなよ。」
…それ、私には独創性も知恵も無い…っていうことですね、
はい…。
ちなみに “腹不得触” は、“メタボリック”、はっきり言えば
“肥満” の意味になります。
お疲れさまでした…。