MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

『ブラ1』 (1)

2009-09-10 01:11:02 | その他の音楽記事

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 "お気に入り"。 こう書くと、"お好みのホームページ" の
ことかと思われるでしょう。

 今やインターネット全盛の世の中。 私でさえ、この場で
お世話になっていますし。

 しかし今回は、"お気に入りの" のお話です。




 あなたのお好きな曲は何でしょうか? ジャンルは問い
ません。 その音楽を聞くと、過去の一場面を思い出して
しまうような、そんな曲はありませんか?

 あなたの経験、体験、思い出と深く結びついているような
曲。 どなたでも、きっとそんな曲をお持ちのことでしょう。
今もし、じかにお会いしているならば、「どんな曲? どんな
思い出?」と伺いたいほどです。




 もちろん私にも、そんな曲が幾つかあります。 中には、
それを聞くと、何十年も記憶を一気に遡ってしまうような
ものも。

 その一つが "ブラ1" です。




 「おい、お前。 それ、何のことだ!?」

 あ、そうでした。 ちゃんと説明しなきゃ駄目ですよね。
これ、『ブラームスの交響曲第1番ハ短調』の俗称
なんです。 と言っても、オケ (オーケストラ) 関係の仲間の、
半ば隠語と言ってもいい通称ですが。




 「"ブラ1" と言っても、色々あるじゃないか。 ピアノ
協奏曲、ソナタや三、四、五、六重奏曲などの室内楽
の数々…。」

 はい、そのとおりですね。 でもオケ仲間は人数が
多いものですから、数に物を言わせて、『第1交響曲』
だけを指してしまうんです。

 申しわけありません。 "ブラ2"、"ブラ3"、"ブラ4"…。




 それも、ブラームスに限りません。 "ベト7"、"ドボ8"、
"マラ5"…。 おわかりですか? そう、『Beethoven の
交響曲第7番』、『ドヴォルジャークの交響曲第8番』、
『マーラーの交響曲第5番』です。

 中には弦楽器仲間のエゴで、"ベト・コン" = 『Beethoven
Violin 協奏曲』、"ドボ・コン" = 『ドヴォルジャークの
チェロ協奏曲』などという、怪しからんものもあります。
"コン" はもちろん "concerto" (コンチェルト) です。



 "ハルサイ" は『春の祭典』です。 "モツレク" なんて
いうのもありますよ。

 「何それ? レクリエーションや就活で、焼鳥や煮込み、
作るの?」 違いまーす。 『Mozart の Requiem)』でーす。

 また "40番"、"ザンク (39番)" と言ったら、これはもう
Mozart の交響曲だけを指すようです。



 ちなみに "ベト・コン" というのは、私たちの世代では
若干抵抗を感じる呼び方でした。 多感な学生時代が
"Vietnamese War" の時期だったからです。




 あらら、相変わらず、ちっとも先に進みませんね…。




  (続く)




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