03/26 私の音楽仲間 (39) ~
私のオーケストラ仲間たち (16) 眠り姫の呪い
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眠り姫の呪い
『眠れる森の美女』組曲
10年以上前、ふとした発言が元で "雪女の呪い" に
遭い、高速道路に入れなかった "深夜の帰宅" の話、
そして以後は、言葉に充分気をつけてきたところまで、
お読みいただきました。
話は再び今回の合宿に戻ります。
私が二日目から合流し、到着した直後に挨拶をしている場面
から、お読みいただきましょう。
夕食を終え、リラックスした雰囲気の中で、私の舌が回転し
始めます。
「昔ね、こんなことがあったんだよ…」と、私は古い祟りの話を
学生さんたちに聞かせます。
幸いにも、今回はそんな心配は無さそう。 私は続けます。
「彼女のことを "雪女" と呼んだばかりにね、"祟り" があった
んだよ。 それで帰り道はね…。」
その夜の練習も無事に過ぎました。 また直後の "歓迎会"
でも、手荒い目には遭いませんでした。
さらに、例の "深夜の儀式" も、楽しく終わりました。 幸い、
私自身が生贄となって湖に沈められることもありませんでした。
翌日もずっと快調。 このまま私も無事に帰れそうです。
さて、帰る日の朝になりました。
ところが朝食に降りてくると、何と、また雪が…!!
それも、どんどん激しく降っているのです。
そんな…。
「これはまずいな…。」
慌ててホテルの人に尋ねました。
「帰り道、どんなものでしょうか…?」
返ってきた答は、
「心配ですね、河口湖方面は、もっとひどく降っているかも
しれません。」
ワーン…。
今回は、インターチェンジからさらに遠い、精進湖 (しょうじこ)
に滞在しているので、途中が心配なばかりか、河口湖一帯の
方が、いつもたくさん降っているのだそうです。
そう、やはり今回もタイヤ・チェーンを用意してこなかったの
です。 学習能力が無く、懲りない私…。
私はすぐに、朝食のその場でみなさんに謝り、今から帰り道に
着くことを告げました。 不幸中の幸いだったのは、私の公式の
役目が、すでに終わっていたことでした。
しかしいずれにせよ、午後に予定の入っている私としては、
"大事" を取って、この場を後にしなければなりません。
でも本当は、もう少し居残って、朝の『眠れる森の美女』組曲
の練習に同席したかったのです。
そして、その真の目的と言えば、Viola のメンバーの一体誰が
眠気に負け、"眠り姫" になるかを、見届けたかったのです!
ワルの私…。
ちなみに、今回のメンバーは全員が美女です。 黒一点の
男性メンバーは、先日ついに卒業してしまったし。
今度は私が黒一点かと思ったのに、これでは黒星百点です。
一体、何の祟りなのか…。
今回の合宿、到着時には確かに "雪女" という言葉を
使いました。
でもそれは過去のことを説明するためで、誰に対しても
「"雪女" みたいだ」などとは、決して言いませんでした。
意識して。
それなのに! おかしいな、どうしてなんだろう…?
待てよ…。 そう言えば、朝食時、雪がひどく降り始めたとき、
私の右隣りにやって来て座ったのは、Viola の "ゆきチャン"
だったな…!
そうだ、きっとそうだ、彼女の呪いなんだ…。
ゆきチャン、きみ、やっぱり "ゆき=女" だったんだね…!
ぼくの教え方、そんなにひどかった?? ワーン!
私はそそくさと外に出ると、急いで車を転がし始めました。
一般道を走りながら、雪と競争している気分です。 でも
インターチェンジの料金所、今回は無事にくぐり抜けること
が出来ました。 山を下って大月までが危険地帯で、雪は
やはりかなり積もっていましたが。
早く "ゆき" から逃げねば…。
本線の中央自動車道では、私が通り過ぎた直後に速度
規制が出たらしいのですが、幸いにも何とか安全地帯に
辿り着けた次第です。 東京圏に入っても雪が降り続けて
いたのには、本当に驚きました。
教訓。 今後は、"雪" にも "ゆき" にも気をつけようっと。
それから、タイヤ・チェーンは忘れないようにしようっと。
それにしても、私が大急ぎで帰ったあの後、誰が
"眠り姫" になったのかな…。
ひょっとして、ゆきチャンだったりして!
…とすると、"眠り白雪姫" になったわけだな…?
いいな~、…。 素敵な王子様に、二度も出会えて…。
でも、ちゃんと目覚めるんだよ? 万が一、
また眠り姫になったときはね!?
でないと、今度は「シンデレラ!」なんて、
言われちゃうよ?
周りの、口の悪い仲間たちに。
…ステージの上で…。
(続く)