おやじのつぶやき

不動産会社を経営する今年53歳のおやじが日本国を憂い仕事・趣味・健康などをテーマに日々つぶやきます・・・・

政治部・阿比留瑠比 心は見えずとも思惑は…

2011-05-15 | 憂国

姑息な男は早々に去っていただきたい。
この男が頭では、日本は元気にならない。復興しない。

産経新聞20110515 土・日曜日に書く

 ◆被災者への視点なし

 3月11日の東日本大震災発生以降、ACジャパン(旧公共広告機構)のテレビコマーシャルがやたらと目につく。その中で印象的なのが、宮澤章二氏の詩「行為の意味」を引用した次の一節だ。

 「心はだれにも見えないけれど心づかいは見える」

 「思いは見えないけれど思いやりはだれにでも見える」

 震災発生から2カ月以上がたつが、いまも避難者は11万人以上に及ぶ。日本中が心を一つにし、国民それぞれができることを持ち寄って助け合うべき危機の今こそ、しみじみと胸に染み通る。

 一方、永田町ではこれをもじり、菅直人首相を当てこすったこんな言葉が流通している。

 「心はだれにも見えないけれど『下心』は見える」

 「思いは見えないけれど『思惑』はだれにでも見える」

 とても残念だが、これがわが国のトップの現状だ。そして、それが誰の目にも底の底まで透けて見えるところが二重に悲しい。

 「どの時期に、復興を目指す平成23年度第2次補正予算案を提出すべきなのか。現在のところまだ白紙の状態だ」

 菅首相は10日の記者会見でこう述べ、野党が要求する今国会での第2次補正予算案提出に否定的な考えを示した。これは、6月22日に会期末を迎える通常国会は延長しないと表明したに等しい。

 またいつもの「逃げ菅」か、と嘆息するばかりだ。要は、早く国会を閉じることで野党の追及から逃げ、民主党内の「菅降ろし」の動きも封じ込めたいだけなのだ。

 そこに保身はあっても、段ボールで仕切っただけの避難所で暮らし、一刻も早い政府の手当てを待つ被災者への視点はない。

 ◆一貫して「逃げ菅」

 実は菅首相のこの政治姿勢・手法は、今に始まったことではない。昨年の通常国会の閉じ方もそうだった。

 菅首相は昨年6月8日に菅内閣を発足させると、予算委員会も党首討論も開かず、民主党の金看板だった郵政改革法案や国家公務員法改正案を廃案にしてまで、わずか8日で国会を閉じた。

 当時、荒井聡国家戦略担当相が事務所費で女性下着を買っていた問題など、民主党の政治とカネの問題が噴出していた。菅首相がこうした弱点を野党に追及されるのを避け、内閣支持率が高いうちに夏の参院選になだれ込もうとしたのは明々白々だった。

 「議論は、これから選挙になれば、テレビとかいろんな場面でまた、たくさんありますから」

 菅首相はこのとき、記者団にこう釈明し、国会論戦がなくても問題はないと強調した。

 ところが、菅首相は6月24日の参院選公示日以降、7月7日まで2週間も記者団のぶらさがり取材を拒否して質問から逃げた。

 「1対8は議論じゃない。下手をすればつるし上げだ」

 7月2日の街頭演説ではこう述べ、前言を翻してテレビでの与野党9党首による党首討論も可能な限り避け続けた。

 「菅は能力的にはダメだけど、生き残るための嗅覚はすごい」

 民主党の閣僚経験者の一人はこう漏らす。だが、その生存能力は国民のためとは思えない。

 ◆排除なきシステム

 「今後のエネルギー政策では、自然エネルギーと省エネを2つの柱に力を注いでいくべきだ」

 菅首相は10日の記者会見でこうも強調した。その大きな方向性自体に異論があるわけではないが、十分な知識・見識に裏打ちされた発言なのか疑問も残る。

 4月29日の衆院予算委員会では、菅首相と民主党の渡部恒三最高顧問(衆院福島4区)との間でこんなやりとりがあった。

 渡部氏「福島県の原発の電気は、福島県では1キロワットも使っていない。全部東京へ送っている!」

 菅首相「福島原発で発電された電気はすべて東京を中心とする関東に送られ、大変豊かな生活を支えてくれている」

 だが、実際には東京電力福島第2原発3、4号機で発電された電気の4分の1ずつは、福島県を含む東北電力管内に送られてきた。

 これが、「ものすごく原子力に詳しい」と自称し、法的根拠がないまま国会にも閣議にも諮らずに中部電力に浜岡原発の停止を求めた菅首相とその同志の実態だ。

 精神分析学者の岸田秀氏は、先の大戦で補給軽視のインパール作戦を主導した牟田口廉也陸軍中将について「どなり散らすしか能がなく、無能で卑劣な将軍の最たる者」として著書でこう指摘する。

 「商売の世界なら当然脱落する彼のような男を排除するシステムが日本軍にはなかった」

 決して過去の話ではない。現在の政府・政界にこそ当てはまりそうだ。(あびる るい)


ジャーナリスト・東谷曉 「小泉路線」脱せぬ自民党

2011-05-15 | 憂国

自由民主党が今頑張らずにどうする。
早期に保守政党の本領を発揮し、日本を復興していただきたい。

産経新聞20110515

 これほど内外ともに、次々と大きな事件が起こっているのだから、野党第一党である自民党にはチャンスが巡ってきてもおかしくないのに、なぜか存在感が異様に希薄なのである。先日の地方選においても、民主党が敗北したことは確かだが、自民党が勝利したわけではないと、自民党幹部がいうほどなのだ。

 結論からいってしまうと、自民党がいまのような状況のなかでも、ほとんど何も民主党に対する攻撃を仕掛けることができないのは、いまだに小泉政権時代の誤った政治路線を清算できていないからというにつきる。このことは、繰り返し述べてきたが、この2カ月間にますますそのことが明らかになっていると思う。

 まず、現在の惨状を見てみると、東日本大震災に対する復興計画が、民主党とどこが違うのかさっぱりわからない。復興案を提示したかと思ったら、ホームページで自党の復興案のうち民主党が採用してくれたところに、うれしそうに印をつけて掲示している。こんなことをしている野党が、政権の奪還を狙っている党だとはとても思えないだろう。

 また、原発問題についても、つまらない東電叩(たた)きの様子をうかがってばかりだから、独自の方針を強く打ち出せていない。その推進者としての歴史から、今回の事故からの教訓を細大漏らさずこれからの原発に生かしていくことしか、自民党には残されていないはずなのに、及び腰で発言するから迫力がまったくない。

 さらに、民主党が米国からの圧力で、日本には何の得にもならないTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加させられそうになっているのが分かっていても、ついつい日本国民の利害より米国との仲介者の声を重視してしまうので、いまだに民主党の方針に対して明確で有効な反対をすることができないでいる。

 つまりは、いまのような危機に臨んでも、小泉政権の「小さな政府」でなくてはならないと思うから、いつまでも大胆な復興財政を構想できない。小泉政権がそうだったように、マスコミ世論が権力の基盤だと思うから、原発政策についても責任のある方針が打ち出せない。小泉政権が米国の金融業界に惑わされて郵政民営化を受け入れたことを、いまも公然と認める勇気が自民党にないから、まったく同じパターンのTPPに対しても断固たる反対ができずに、「情報が足りない」などと間抜けたことを口にしているのである。

 感覚的にいうが、最近の自民党の政治家からは、それぞれの肉声がまったく聞こえてこない。リアリティーがきわめて希薄だ。それもこれも政治というものを、小泉劇場のような情報操作だと勘違いしているせいなのである。中東民主革命とかの誤ったイメージに惑わされて、政治をテレビに出演すること、ホームページに写真付きで当たり障りのないことを書くこと、ツイッターで呟(つぶや)くことと勘違いしてもらっては困る。

 いま中東で起こっていることも、欧米や東アジアで生じている現象も、すべてリアルな血の流れる権力の相克なのだ。もちろん、攻勢には時機がある。しかし、小泉時代についての誤った解釈を清算して、強靱(きょうじん)な戦う姿勢を取り戻さないかぎり、このまま存在感を薄くしていって、最後には、シャボン玉のように消えるだろう。(ひがしたに さとし)