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JALの飛行機に乗ったのは,1年以上ぶりのことです。JALの経営危機が噂される頃から,香港発のJALの便は削減されました。そればかりか別の航空会社とコードシェアをして、実際に飛んでいる飛行機は,香港発なら同じワンワールドのキャセイ航空のものでした。
今はどのエアラインも,エコノミークラスを考えると大して差はないように思います。というか、私自身、飛行機に乗ること自体にそんなに期待や楽しみを持たなくなったという方が正確です。故障や遅滞なく目的地まで連れて行ってくれれば,それ以上のことは望んでいません。出される機内食にもとやかく思わなくなりました。香港と台湾,1時間ほどの飛行時間に出てくるものなどは中華風ホットドックのようなものです。しかも,スチュワーデスさんもスチュワードさんも投げるように手渡してくれます。決して美味しいなどという代物ではありません。
今回は,貯まったマイルを使っての帰国です。ここ数年、キャセイのカードに切り替えてきましたが,まだまだ,JALのカードにもマイルが貯まったままでした。香港中心の生活ですから,キャセイの方が何かと便利です。それでも,昨日は香港の飛行場にとまるJALの機体に鶴のマークを見た時には,思わず微笑んでいました。JALに乗らないものの,見事に経営を軌道に乗せたことには,目を見張る思いでニュースを読んでいます。
昨日の機種は767、中型機です。空席待ちをしたにも関わらず,空いた席が目立ちます。きっと成田行きだからでしょう。羽田行きの方が人気の路線です。
座席に着くや隣の席のニュージーランド人のお姉さんが話しかけてきます。定刻発。話しが弾んでいると,機内食が運ばれてきました。カレーとシチュー,どちらかを選びます。私はシチューを、臨席の彼女はベジタリアンの食事を予め注文していました。驚いたのは,小さなテーブルに載せられたトレイを見た時です。久々にしっかりと充実した機内食を見ました。なんだか胸の中では小躍りしている私です。さほどお腹も空いていないのに,写真を撮るのも忘れて,パクパク。あんな小さなトレイに載ったものでお腹が一杯になるはずがないのですが、いえいえ、量といい味といい,満足です。 ハーゲンダッツも食後についていました。
私のようなエコノミーしか乗らない人は、何をもって航空会社の善し悪しを判断するのでしょうか。乗務員の応対ではありませんね。小さい私など、エコノミーの座席だって充分な広さです。トイレのトイレタリーがたくさん付いている必要もありません。つまるところ,やはり機内食だと思います。
実は今回JALに乗る前から,JALの無駄を省いた経営建て直しを知っていたので,どんな簡素な機内食が出てくるものかと,思っていました。その期待は,全く裏切られた形です。機内食は,どの航空会社のものも,同じ空港近くのキッチンで作られているそうです。同じキッチンに航空会社がそれぞれ,予算とメニューを注文するのそうです。3ヶ月前には、キャセイ航空で同じ路線を乗りました。キャセイの機内食は感心するようなものではありませんでした。同じキッチンで作られているなんて,信じられないほどの格差です。
食べ物で人の心をつかむ,最も常套的な手段ですが、おそらく,JALをまた使おうと思う人は、きっと増えてくれると思います。
小さい時から見てきた日本の翼、鶴のマークが安定飛行してくれるのを感じた4時間ほどの旅でした。
あと、日航でいつも感心するのが、その優しい着陸。こんな丁寧な着陸をするのは日航や全日空くらいじゃないだろうか、と思います。