チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

おこげ料理 中華

2015年12月20日 05時16分50秒 | 日々のこと

曇り,16度、62%

 お鍋や土鍋でご飯を炊くと,底にはおこげが出来ます。香ばしくって,お米の甘みが詰まっていて,台所を預かる者の役得としてこのおこげは,全て私のお腹に納まることになっています。炊き込み御飯のおこげはこれまた,中の具材の旨味が凝縮されておこげになる始末,このおこげをたべるために炊き込み御飯を作ってもいいと思うほどです。

 中国では,このおこげの料理がちゃんとしたメニューにあります。「鍋巴」と書かれている料理です。四川料理や上海料理によく見られます。日本のおこげと違うのは,お鍋の底のおこげではありません。おこげを作るところから始まります。中国のお米は日本のお米より粘りがありませんが,軽く水洗いしたご飯を少し乾燥させ,油をまぶして中華鍋には貼付けておこげを作ります。一見揚げたように見えますが、じっくりゆっくり火を通すのでこんなふうに出来上がります。それを熱々のうちに,パリパリと割って、これまた熱々のあんかけをおこげにかけて食べます。おこげにあんをかけると,バリバリといい音がします。あんかけの具は野菜でも魚介でも何でも構いません。

 先日、上海料理屋でこの「鍋巴」を頼みました。あんの具は私はナマコが好きですが,生憎ナマコは品切れ,野菜からお肉魚介も入ったミックスを頼みました。久しぶりです。ところが注文した料理がテーブルに全部並ぶと,これはかなり量が多いと思います。中華料理屋さん,残ったものを「包走」と頼めば,パックに入れてお持ち帰りが出来ます。最近エコが浸透している香港,かなり一流のレストランでも見られる光景が,残ったものを自分たちが持って来た容器に入れて持ち帰る姿です。テーブルの上の残り物を片端からタッパに詰める姿を見習わなくてはと思いつつ、たいてい食べ上げてしまうのでタッパ持参を忘れがちです。

 さて,テーブルを見渡して持ち帰れるものといえば,まず,おこげ。あんは汁物ですから食べましょう。次に小籠包。これも持って帰れます。お次が,大好きなイカの天ぷら。これ以外のものは,お腹に収めて,「包走」と頼みました。帰りながら,次の日の私の昼食を考えます。残り物,主人は一切手を付けません。

 そういえば家には半日かけて煮た鶏のスープがあります。そこで,客家料理の「砂鍋鶏小籠包」が頭をよぎります。鶏丸々一羽を土鍋て蒸し煮したものに小籠包を加えて出される香港よりやや北の客家料理のごちそうです。よし,家の鶏のスープに小籠包を入れて,それを電子レンジで温め直したおこげにかけて食べることに。 しめしめ。

 イカの天ぷらですか?この支度をしながら,お口に次々に放り込みました。昨晩の残り物これで完食。お店で食べる時のように,バリバリと大きな音は出ませんでしたが,充分美味しかった。おこげ料理を食べるとき,面白いことがあります。あんをかけてしばらくおこげがその汁を吸うまで待つ人、あんをかけてもらったらすぐにおこげを食べる人に別れることです。かき揚げの汁そばを思い浮かべてください。かき揚げがパリパリが好きか,かき揚げが崩れるほどになった方が好きかの違いです。私はパリパリ派。出来たらおこげ片手にあんを食べたいほどです。

 このおこげを見る度に思います。やはりお米を主食とする国は,お米を粗末にしないということです。残り物のご飯の保存から出来たおこげ料理だと聞きます。このおこげ,すっかり熱が取れたら,缶などで保存可能です。最近では市販のおこげがあると聞きますが,未だ見たことがありません。四川料理,上海料理で「鍋巴」というメニューを見たら一度お試しください。


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