チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

唐津焼 「陶板」

2021年02月26日 04時39分43秒 | 身の回りのもの

雨、8度、90%

 今月12日は中国では新春、「年初一」つまり元旦に当たりました。この日、我が家はちょっとした買い物をしました。2月に入って主人から「唐津焼の展示会に行きなさい。」と知らせが入りました。私はその作陶家の名前を知りませんが足を運びました。会場はデパートの美術画廊、お客はまばらです。酒器、お茶道具、花器、唐津焼らしい色の作品が並んでいます。先客と思しき人と作陶家の方は話に余念がありません。時折その会話が漏れ聞こえます。

 男性らしい大振りなものが多く、茶道具にはいい値段が付けられています。年譜を拝見すると十歳ほど私よりお若い作陶家です。酒器、茶道具にはピッと来るものがなかったのですが、一枚大きな皿に目が行きました。買うつもりはなく、見るだけのつもりです。大きさを会場の女性に測ってもらっていると、作陶家の方がご挨拶にみえました。「なんだかお商売人さんだわ。」と心で思います。「陶版」の写真を撮らせていただいて、会場を後にしました。家に帰り、主人に見に行ったことを「陶板」の写真を添えてメールしました。すぐに返事が来ました。「買いなさい。」

 

 そんなわけで、中国春節の日に唐津焼の「陶版」を買いました。会場に並んでいた数多の作品の中でどうしてこの陶版に目が吸い寄せられたのか、理由があります。陶器を見る時、どうしても土を見る癖があります。小学生の頃、両親が焼き物を作るため「小石原」の窯元に泊めてもらっていたことがありました。今と違い山中を時間をかけて「小石原村」に行きました。私も作らせてもらえるのですが、私の興味は「土作り」でした。水車の力で「皿山」から取り出した土を砕きます。その土を水に沈めて泥を取り出し、干して練り上げたのが「陶土」です。この過程が楽しくてよく手伝わさせてもらいました。

 最近はいい「陶土」が手軽に買うことが出来るのだそうで、「陶土」を作らなくても作陶ができるのだそうです。土地土地の性質を伝える「土」それを使っての作陶は土着のものだと思います。今回求めた「陶版」は周りがざっくりと土が出たままです。 色、質ともに土は様々ですが、この土の表情に強く惹かれました。

 購入を決めてからが大変です。主人とLINEでこの「陶版」に何を盛るか、厚切りの肉をとか、鯛のお造りをとか、伊勢海老をどーんとなどと散々二人して想像します。熱いものを盛るときはオーブンで軽く予熱して、冷たいものを盛るときは水を吸わせて冷蔵庫で冷たくしてなどと手順まで考える私です。

 箱書きが終わっていないとのことで、届けられたのは昨日でした。選んだのは私、支払いは主人です。主人は来月に来る記念日の贈り物と思っているかもしれません。私はこの一年、帰国もままならず香港で立ち上げた会社を守ってくれた主人への感謝の気持ちでした。主人の下で働いてくれている方たちもいつかこの家に招くつもりです。大変な中、よく耐えてくれたと主人をはじめ会社のスタッフに感謝しています。

 春のはじめを記念して求めた「陶版」が食卓に上るのは先になりそうです。それまで、玄関を飾ってもらいます。

コメント
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