晴、20度、80%
この暑かった夏の間、髪を伸ばしました。伸ばした髪は襟足で束ねます。中途半端な短い髪より襟足は涼しくなります。夏ですから帽子も被ります。マスクもします。束ねている方が顔周りがすっきりとしました。ところが秋風が立ち始めた途端にその襟足の辺りを鬱陶しく感じ始めました。そう感じ始めると居ても立ってもいられません。髪を切りました。
毎日毎日、チクチクと長い時間針仕事をしています。細かい作業ですので見つめるのは手元ばかりです。チクチク。すると目につくのは指先、つまり爪です。夏はとても早く伸びる爪です。早朝に庭仕事をしますのでその爪に土が入っていることもあります。そんな指先を見つけると、チクチクを頓挫して爪切りを出して来ます。
髪を切る、爪を切る。「なんて気持ちがいいのかな。」そんな風に思うようになったのは60歳を越してからでした。3年前帰国した時は髪は背中の真ん中まで長く、それまでの私の日常には庭仕事がなかったからかもしれません。マニュキュアはしていないので爪の手入れは爪を切ることだけです。小さなことなのに短い爪は気持ちがいい。髪を切って顎の線が出ると気が引き締まり、耳元を抜ける風を気持ちよく感じます。足の爪も短く切ると早く走れるような気がします。
年齢を重ねると、小さなこんな日常を大切にしなくてはと心が軽くなりました。