チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

立山椀

2010年10月19日 | 身の回りのもの
晴れ、25度、65%


  これは、福井県鯖江の山本英明さんの立山椀です。


わたしは、若い頃から塗りのものは黒が一番と思い続けてきました。


 黒の持つ凛とした様子がたまらなく好きでした。
年を重ねて、ここ10年余りどうしたことか、あかの塗り物に心が傾き始めました。

 5年ほど前、急にあかのふたつきのお椀が欲しくなりました。と言っても、ここは香港。
しばらく日本に帰る予定もありませんでした。こういう時って、欲しいと思うと、何でもやってしまいます。

 我が家の重箱、お盆は、山本さんのものを使っていました。それで、思い切って鯖江に電話をしました。直径が14センチほどのふたつきのお椀が欲しいと電話口の方に告げました。
電話ですから口で、形は丸みを帯びたものなどと、自分勝手に申します。

 電話口の方が、『形は違うかもしれないが、今手元にあるものを送ってあげるよ。』と
いとも簡単に仰ってくださいます。

『 日本じゃあないんです、香港です。』とわたし。
『いいよ、気に入らなかったら、送り返して。』と、電話口の方。

 早速、住所をファックスしましたが、なんだか狐につままれたような感じ。

 ところが、3日後、送られて来たのがこの立山椀。


    確かに、丸みはありません。

                 あかの感じが渋めです。
ずらっと5つ並べて考えること一晩。 

 いただくことにしました。考えたら、お値段もまだ、聞いていませんでした。
また、鯖江の山本さんに電話をしました。同じ方が電話に出られました。

 わたし山本英明さんのお顔を何かで拝見したことがあったので、もしかと思い
『山本さんですか?』とお尋ねしました。

 ご本人でした。

 この、お椀のふたを載せるとき、手元に、作られた人の確かな技のようなものが伝わってきます。重箱お盆もそうですが、山本さんの作られるものは、カチッとしています。
揺るぎがないというか。面のとり方ひとつ、理にかなっているという感じです。

 ところが、手に取ると暖かさが伝わってくる、不思議さ。

 お声を聞き、写真のお顔を思うたび、ますます、大事にお椀を扱っている自分に会います。

                
コメント
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