小さな日記

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共感

2007年09月30日 | Weblog
「共感する」というのは大事なことだ。が、それはあくまで「自分」の域を出ない。自分の側に相手の体験を受け止められる経験の蓄積があり、なおかつそれが揺り動かされるだけの強い情動が生じなければ働かないのだ。
       梨木香歩 (ぐるりのこと) 新潮文庫より


自分が共感できるひと、考え、行動に出会うのは、自分にはとても嬉しいことだ。けれど、梨木さんがおっしゃるように、「共感とは、大抵のところ、相手を自分に引き寄せて発生させるもの」だから、自分の共感が相手に共感を生むとは限らない。実際、まるでお門違いの解釈で共感された覚えはないだろうか。自分の共感の押し付けは、相手に対して身勝手で傲慢で、鈍感さが引き起こす野蛮にもなりうる。本当に共感したときは、体が共鳴するもので、お互いがわかる。

好きな人と共感しあいたいなら、「自分の側に相手の経験を受け止められる経験の蓄積」があると、相手が感じる自分でなくてはならない。


スコットの今

2007年09月29日 | 音楽
初めてアレキサンダー・テクニックを知ったのは、ミューズカンパニーのワークショップだった。そのミューズカンパニーが2006年に招聘した障害のあるひととないひとの互角のコネクトを表現するイギリスのコンテンポラリーダンス集団カンドゥーコ・ダンスカンパニーの新作「And who shall go to the ball? And what shall go to the ball?」の全曲を、スコット・ウォーカーが作曲している。
http://www.andwhoshallgo.com/
12年ぶりにアルバム「TILT」で衝撃を与えたスコット・ウォーカーは、その後7年ぶりに「DRIFT」を去年出した。
http://www.the-drift.net/
1999年映画「ポーラX」の音楽を担当し、去年は「EXCODUS」(出エジプト物語)に「darkness」を提供した。

2006年は、スコットが沈黙を破って公に姿を現し始めた年のようだ。この25.26日には、ロンドンでカンドゥーコ・ダンスカンパニーのためにオーケストラの指揮に出たらしい。

ウォーカーブラザーズ時代、ジャック・ブレル崇拝時代には、トニー・ベネットやフランク・シナトラのようなショー歌手になってほしいというファンが多かったようだが、そうならず、黙々と楽曲を作り発表するスコットで、とても嬉しい。
64歳のスコットも大好きだ。音楽もインタビューも彼はhonestだから。

静けさに満ちていて、それでいて開かれている。

さよなら かわいがってもらってね

2007年09月28日 | Weblog
半年に一度の割で本棚の整理をする。大好きだったのと、他人に読んでほしいもの以外、売りに出す。本のタイプで持ち込み先が違うので、時間がかかる仕事だ。時々、ブックオフで100円で買った本が、アマゾンで3000円で売れたりする。でも、とにかく、また読んでもらえればいい。アマゾンではいつも即日の申し込みが数冊あって、出し甲斐がある。

優先順位

2007年09月27日 | Weblog
人生を導いていくのは、絶え間なく続く選択と決断だ。時間、労力、お金を、何に費やすのかを決定するのは、優先順位だ。その優先順位を知れば、そのひとがわかる。優先順位は、価値観によるものだから。何を一番大切にするか。行動が表す価値観がそのひとだ。

世界も同じこと。時間、労力、お金を何に費やすかでその世界の価値観がわかる。今の地球世界の価値観は、「自分の目先の利益と生残ること」だから、温暖化問題も、戦争も解決ままならない。日本の一日3億円の空白国会の出費。この経費をつぎ込めば、世界中の地雷だって除去できたかもしれないのに。そもそも、国会一日にそんなお金を使っていることがおかしいと思わない?
政治家の「国益優先」という言葉を、良い言葉と受け止めてはならない。「生命優先」「全体優先」と、9条片手に訴えていく日本であってほしい。

涼しさと哀しみと

2007年09月26日 | Weblog
秋が突然やってきた。秋は感傷の季節というが、夏の暑さに緊張を強いられていた体が緩むからだと思う。哀しみはゆとりの感情、興奮や緊張の中にはない。わたしは常々、哀しみの過多が鬱になるのではないと思っている。むしろ、哀しみを肯定して味わえないのが鬱だと思う。狂喜や激怒にひそむ鬱の恐ろしさ。虫の音のテンポもゆるりとしてきたこんな時期、美しい哀しみに浸るのもリフレッシュのひとつ。手仕事から離れて音三昧の数日。

音と映像

2007年09月25日 | Weblog
自分のお気に入りの音は、いつでも完全に思い出せる。音楽ならバックの楽器のそれぞれからボーカルのブレスまで思い出せる。丸ごと頭にはいっていて、丸ごと引き出す感じだ。けれど、お気に入りの映像は、完全には思い出せない。現実のそれを見た感動だけがリアルに引き出され、映像のディテールは欠けている。みんなそうなのか、わたしの頭の特徴なのか。。。

タラちゃんを見習って

2007年09月24日 | Weblog
わたしは、男でも女でも、相手の立場や年齢に関係なく「ですます」体で話すひとが好きだ。ご近所のお店のおばあちゃまが小さい子に「ですます」で話されてるのを見ると、目尻がさがるし、白髪の男性に「ですます」で話しかけられると、ちょっと背筋が伸びる。

サザエさんちのタラちゃんはいい。でも、他のひとは、立場と年齢で「です」が「だ」になるから、あの番組はいや。おかあさんはおとうさんに「ですよ」と話しかけ、おとうさんは「だぞ」とか言ってる。おとうさんは、会社の上司やご近所のご隠居には「です」になる。タラちゃんは、小さいからみんなに「です」だけど、そのうち、年下の子には丁寧語ではなくなるのかと悲しい。

それなら、自分も「ですます」で話すひとになろうと、一週間前に連れ合いに宣言したものの、すぐに忘れてなかなか変わらない。子どもたちを「さん」づけにしようとも思っている。いつまでも「ちゃん」だと、甘い気持ちになるからね。
とりあえず、息子に「○○さん、洗濯物片付けてからお風呂に入ってくださいね」と言ってみた。自分が「ですます」で話しても、ちょっと背筋が伸びる模様。それに、セカセカした感じが消える。なかなかよろしい。

テレビ以前

2007年09月23日 | Weblog
幼稚園までは、テレビもなく、蓄音機とラジオと映画がわたしの音楽源だった。色とりどりの絵がついた童謡の重いレコード、母が毎日流すドリス・デイのケ・セラ・セラ、父のクラシック、美空ひばりの映画。幼稚園で好きな歌を歌いなさいと、保護者参観で指名されたわたしがケ・セラ・セラをなんちゃって英語で歌って母は赤面したそうだ。
http://www.youtube.com/watch?v=kwDWNKgD_rM

赤胴鈴之助(漢字これ?)の主題歌が思い出せない。ラジオを聴いていた。

初めて好きになった歌手は美空ひばりさんで、子ども心にその声は、しょうゆの焦げた香ばしさで、他の歌手の飽きてしまう甘さと違うと思っていた。後にサラ・ボーンの声にもそんな香ばしさを感じた。特に好きだった映画は雪之嬢変化など男と女二役になるもの。
http://www.youtube.com/watch?v=kwDWNKgD_rM

男になったときは思う存分暴れまわれて、女に戻るとしおらしくというパターンを幼時に見てきたのは、ジェンダーのステレオタイプに強力にはまってしまったかもしれない。。。長靴下のピッピを読まなかったのは残念!
愛唱していた歌はこれ
http://www.youtube.com/watch?v=1G3ItXAKkd8
美空ひばりさんは、その後、演歌が多くなっても、男女二役をずっと続けた。柔と悲しい酒。ひばりさん自身が映画の束縛から逃れられなかったのかもしれない。

あと、ハリー・ベラフォンテのバナナボートもよく歌ったっけ。
http://www.youtube.com/watch?v=Jpg-KIKD5gU

ウィーン少年合唱団

2007年09月23日 | 音楽
子どものころ影響を受けたといえば、ウィーン少年合唱団もある。幼児には、ドイツの音楽映画によく行った。「忘れな草」とか、トニー・ザイラーのスキーものも、みんな音楽が素敵だった。その流れで、ウィーン少年合唱団の「野ばら」「青きドナウ」も見た。その後、札幌公演に行った友達が、主役のショーン・スカリーの大ファンになったので、わたしもレコードを買ったり、雑誌を見るようになった。ショーンはオーストラリア生まれで、オーストラリアは白豪主義なので、わたしは黄色いので行きたくても行けないと知って驚いた。ポルカやワルツ、オペレッタに親しんだのはこの合唱団のおかげだし、「ちょうちょ」が日本の歌でなく、スペイン民謡と知ったのも。その後、合唱部で青きドナウを歌ったのはとても嬉しかった。
2分ころから青きドナウ(ショーンは指揮)
http://www.youtube.com/watch?v=IYmTCLyZca0
ショーンは今も現役俳優で、息子さんも俳優だ。
http://almostangels.org/aangels/sean5.html

サラ・ボーン

2007年09月22日 | 音楽
初めて黒人女性の声に圧倒されたのは、小学校時代、テレビのコマーシャルで流れたサラ・ボーンのラバーズコンチェルトだった。何のコマーシャルだったか覚えていないけれど、ビロードの手触り、暗闇にきらめくダイヤモンドのような声に心底憧れた。「声」だけなら、後にも先にもわたしの一番は、男ならスコット、女ならサラしかいない。その声を存分に聴かせてくれるこれ。
http://www.youtube.com/watch?v=z7cPnArCZzo&mode=related&search=

それにちかごろ、ホンダのCMに、サラのピーターガンが使われていて、出るたびにゾクっとしている。
ここの8番目で視聴できます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0007PALF2

ウィントン・マルサリスをおちょくってるこんなのも
http://www.youtube.&mode=relacom/watch?v=KZbI2VZF9K8ted&search=

スコット

2007年09月21日 | 音楽
小学校時代は、シルヴィー・バルタンからサウンド・オブ・ミュージックと、明るいサウンドとクラシックで満足していたが、中学にはいって、ウォーカーブラザーズと衝撃の出会い。ハーモニーが新鮮で、スコットの声に魅了された。

スコット・ウォーカーがその後独立して作っていったアルバムに、ベトナム戦争の影が濃く、わたしは初めて世界の情勢に目を向けるようになった。スコットがなぜジャック・ブレルのメッセージ性の高い作品を歌おうとするのか、なぜアメリカが嫌いなのか、神経衰弱になってしまうのか、わたしは辞書と首っ引きで歌詞を訳しながら一生懸命考えていた。自分がいる日本の田舎と、残虐地獄のベトナム、きらびやかに輝いているように見えるアメリカ。その関わりを初めて考えようとしたのは、スコットの心情をわかりたかったからだった。
http://www.youtube.com/watch?v=PYG9IovR8BY
スコットはその後も、イギリスで孤高のコンポーザー、シンガーとしてデヴィッドボウイ,U2などに大きな影響を与え、音楽界で異彩を放っている。ブライアン・イーノも写っているこの9月10日にイギリスで発売されたドキュメンタリービデオの予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=dBMJ79ly3B4

わたしのお気に入りの曲はこれ。マドレーヌになりたかった。
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=97878391

時代

2007年09月20日 | 音楽
恒例のカラオケデイ。わたしは一ヶ月ほどパスしていたが久しぶりに子どもたちと。
娘の歌うブラックアイドピーズの「Don't phunk with my heart」
http://www.youtube.com/watch?v=N-OcdWL31AQ
息子の歌うアクアタイムズの「決意の朝」
http://www.youtube.com/watch?v=yVxf102YNuk
わたしは小学校時代に大好きだったシルヴィ・バルタンの「アイドルを探せ」
http://www.youtube.com/watch?v=K7vcRFVWPow

ブラックアイドピースの「where is the love」を娘とデュエット。しかし、ブラックアイドのリードボーカルの半拍遅れてるような独特のノリのかっこよさには遠く及ばず。。。


それぞれの時代。歴史の波の中で、ひとは自分のテンポや美意識を触発されていくもの。めでたい浮かれ調子の中で幼少時育ってきた自分を思った。戦後の上り調子で歌詞に翳りのない時代だった。1960年代ポップスお好きな方はこんなのいかが?
http://www.youtube.com/watch?v=F7rhzE1evLg

生活設計

2007年09月19日 | Weblog
若い友人が、田舎で子どもを育てる生活を夢見ていた。結婚した相手も東京人。まず、職探しから始めた。東京でのキャリアが活かせる職場がみつかって、二人は地方に部屋住まい。子どもができて数年。きょう素敵な新居と見渡す限り緑のはがきが届いた。徒歩で行ける店のない山が囲む新居。小学校全校生徒50人。着々と、思い描いた生活をしていく堅実な夫婦。いいね♪

小林聡美さん

2007年09月18日 | Weblog
一番好きな日本の女優さんは、小林聡美さん。コマーシャルに出ていても好き。ドラマに出ていても好き。声が好き。仕草が好き。書いた本も好き。

「かもめ食堂」はとても良かった。間がいい。色彩がいい。会話がいい。「やりたいことやってていいですね」「いいえ、したくないことしないだけです」群よう子原作、荻上直子監督。ちょっと小津映画を彷彿させるんだなぁ。日本の若い感性を誇りに思うし、この映画がひそかに熱烈なファンに愛され続けていることに、ニュースにあふれる不埒な日本とは異なる日本の息吹を感じて頼もしい。
http://www.nikkatsu.com/movie/official/kamome-movie/
同じメンバーの新作「めがね」も楽しみ楽しみ!
http://www.megane-movie.com/

敬老の日

2007年09月17日 | Weblog
母の大好物、浜松のうなぎを取り寄せてお祝い。息子はこっそり来年のカレンダーを買っていてプレゼント。毎月かわいい子犬の写真に、なにやら素敵な暖かい言葉が書いてある。(写真は2004年だけど)

この日だけ敬老というのではなく、社会全体がもうちょっとテンポを落としたら、お年寄りも楽になり、全体のためにもよいのではないかと思う。日本人の徳の優先順位が高い「他人に迷惑をかけない」これがお年寄りが外に出たときのネックになる。ゆっくり歩くとぶつかりそうになり、レジでモタモタすると叱られそう。質問しても早口で答えられたら聞こえない。自分が自分のままであると「他人に迷惑をかけてばかり」と感じさせられるので、相当頑張らなくては外に出て行けない。

せめて、近くにお年寄りがいるときは、ゆったりした気分で鷹揚な動きをしていようと思う。いたわるのではなく、学ぶのだ。スピード過剰のために世の中が悪くなっていることがたくさんあるのだから。