小さな日記

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ハリスおばさんパリに行く

2010年07月25日 | 
本屋で立ち読みしていたら、「ハリスおばさんのようにディオールのドレスに邁進するならよい」とかなんとかいう言葉をみつけた。ハリスおばさんって、誰だろう? わたしは、こういうとき、インターネットに感謝する。検索したらすぐにわかった。ガリコというひとの書いた「ハリスおばさん、パリに行く」という本が、クリスチャン・ディオールのドレスに憧れパリに買いに行くロンドンの掃除婦、ハリスおばさんが主人公だった。

どうもその本は、絶版になっていたのが、復刻版が数年前に出たらしい。ガリコが誰なのか調べたら、英語翻訳塾で読んだ「雪のひとひら」の作者、ポール・ギャリコと同一人物。「雪のひとひら」は、雪のひとひらを1人の女性にみたてた美しい寓話で、翻訳も秀逸で、心に残る素敵な本だった。それで、復刻版は高価なので、古本を探して取り寄せた。

さて、読んでみたら、、、
ストーリーは、なかなか味のあるじんわりしたものでわたしは好き。ちょっぴり泣いちゃった。

おばさんといっても、ミセス・ハリスは、50代前半なのだ。黒木瞳さんくらい?
お金持ちの家を掃除するといっても、気に入ったひと、家以外、掃除しないプライド高き掃除婦だ。ミセス・ハリスは、一度も外国に行ったことも、飛行機に乗ったこともなく、フランス人についてはいろいろな恐ろしい噂を聞いていた。だから、ある日、突然心を奪われたディオールのドレスを買いにパリに行くのは大冒険だった。しかも、ドレスは高価だから、毎週の映画館通いも止め、お茶も控え、タバコもやめて、3年近くお金を貯めるのだ。

それは、彼女自身、恋のようだと思った情熱だった。手に入れても着ていく機会もありそうにないドレス。ただ、こんな美しいものが、自分の物だと思うだけで、幸福になれるドレス。汚い部屋をクタクタになって磨き上げて、でも、我が家に帰ったらあのドレスが待っていると思うと元気になれる。。。そのためなら、節約して働きづくめになってもかまわないと思ったのだ。

パリのディオールでドレスを獲得するまでの人間模様、ロンドンに帰ってからのドレスの顛末。ネタバレになるので書くのは控えるが、これが、ギャリコの真骨頂。

きょう、テレビで、茂木健一郎さんが言っていた。「悔しいと地団太踏む思いがわきあがるのが若さなのです。赤ちゃんはとっても悔しがるでしょう」
悔しさが湧き起こるのもまた、情熱があるからだ。

情熱は、習慣を突き破る。習慣を破った領域に新しい地平が広がる。うーむ、アレキサンダー・テクニックも、片山整体も、ホ・オポノポノも、習慣や癖から解放されるためのツールとも言えるからなぁ。情熱もまた、自分が進むためのひとつのツールかもしれない。
この暑い夏、暑さに負けない情熱を、みなさま、何に向けてますか?

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