うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

思い出振り返る。

2024年01月15日 | チャー坊のこと

来た!

来た来た来た!!

ポンまま作うちの子カレンダー。

今年は、愉快な仲間達ではなく、

チャー坊とたれ蔵のカレンダーを作って頂いた。

1月は、チャー坊だぁ。

 

私がチャー坊と出会ったのは、寒い2月だった。

彼は、枯れた草の上で寝ていた。

「チャー坊!」

名前を呼ぶと駆け寄ってくる彼は、まるで飼い猫みたいだった。

そのくせ、被毛は酷く汚れ、体中傷だらけだ。

さぞや危険な状況に置かれてきただろうに、

彼はいつだって悠然としていた。

そんな野良猫に、私は毎日、

「ねえ、チャー坊?

どこへも行かないで、お願いよ。また、明日!」

と縋るように約束をするようになった。

 

そして、私はついに、彼の家を会社の車庫内に作った。

車庫の奥に捨てられていた段ボール箱だ。

「こんな箱に入ってくれるだろうか?」

私は気後れしたが、彼はスルッと入り、嬉しそうに私を見た。

それなのに、私が立ち去ろうとすると、彼は急いで箱から出てきた。

「寒いんだから、中に入っておいで。また明日来るから。」

毎日、私が立ち去る度、彼は私を途中まで追いかけた。

私がくるっと車庫へ戻ると、彼は踊りながら箱へ誘った。

私と彼は毎日、何度も踊りながら箱へ戻った。

 

チャー坊は淋しいという感情を持っていた。

猫には淋しいという感情が無いと聞くが、

「そんなの嘘だ。」

彼は、私と共に生きることを望んでいた。

それを痛感しながらも、私は彼を車に乗せて連れ去ることを躊躇っていた。

「チャー坊、家の中ってね、

貴方が大好きな陽だまりの草むらも、爪を研ぐお気に入りの木もないのよ。

香しい風も、果てしない青空も、自由に歩く道も無いんだよ。

飼い猫になるってことは、そういうことなのよ。」

 

2023年、3月19日、この日は日曜日だった。

チャー坊は、車庫にはいなかった。

私は嫌な予感がした。

数日前から、彼は食欲を失っていた。

まさかと思い、私は大きな声で叫んだ。

「チャー坊!どこ?チャー坊!!」

彼は、車庫から逆の方向からゆっくり歩いてきた。

けれどこの時は、

悠然とではなく、必死に足を引きずるように歩いてきた。

もうご飯など食べられる状態ではなかった。

それでも彼は、「また、明日」の約束を守った。

「チャー坊、明日まで待って。準備するから。

いいかい、チャー坊?貴方の生活がガラッと変わっちゃうからね。」

 

次の日、

彼の生活は、本当に一変した。

 

テレビにビビりながら、

それでもやっぱり、「チャー坊!」と呼べば、

彼は籠城するソファーの下から出てきて、踊っってくれた。

これがなんと、飼い猫初日のことだった。

私は、まだまだチャー坊に驚かされていく。