うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

握りしめた、見えない何かを・・・

2017年11月11日 | うめの事

今、私は、フワフワした、

小さな猫を世話している。

その子の長い被毛を撫ぜながら、

似たような、うめを思い出そうとしても、

もう、思い出すことができない・・・

 

おはようございます。

昨日は、うめの2回目の命日だった。

 この手は、もう、君の被毛を覚えていない。

抱いた重さも、忘れてしまった。

 

 

私は、決して、いい飼い主ではなかった。

うめと出会った頃は、ひどく荒んだ生活をしていた。

猫を迎えたからって、大した世話もせず、

いつも自分の事ばかり考えていた。

あれが欲しい、これが足りない、と不満ばかりで、

本当は、何を掴みたいのかなんて分かりもしなかった。

欲しがるばかりの私は、

闇雲に手を伸ばしては掴み損ね、

そんな事を何度も繰り返して、

気付けば、残ったのは、3匹の猫だけだった。

欲しいモノは、、何ひとつ手に入らない、と嘆いた。

 

ボロアパートに越してすぐ、

今度は、空から、猫が降ってきて、

何もない部屋に、猫が1匹、増えてしまった。

見たこともないほど、小さな猫に、戸惑っている私をよそに、

うめは、当たり前のように、子猫を育て始める。

ご飯もろくに食べないで、子猫に寄り添う、うめにつられて、

私も、寝る間を惜しんで、慣れない手つきで、ミルクを飲ませた。

万年床に一人と1匹、並んで座り込み、

私が夢中でルクを飲ませて、倒れ込んだ後は、

うめが、子猫の体を丁寧に舐めてやった。

 

そんな、ある日、子猫は病気に罹った。

「あまり期待はしないように」と告げられ入院させて、

泣きながら手ぶらで帰ってきたら、

玄関には、うめが、いつものように静かに待っていた。

そして、やっぱり、

万年床に、一人と1匹、並んで座り込んだ。

すると、いつもは遠巻きで見ていた、2匹が、

布団の上に乗ってきて、スリスリと甘えはじめるものだから、

ついさっき、やっと泣き止んだのに、

私の眼から、またボロボロと涙があふれてきた。

 

失いたくない

 

私は、この時、ようやく、

見えない何かを、掴んだ気がして、心に、勇気が湧いてきた。

それを与えてくれたのは、うめと愉快な仲間達だった。

 

この手は、もう、君の被毛を覚えていない。

あの時、掴んだモノが、何だったのか、

いまだ、言葉に表す事も出来ずにいる。

けれど、決して忘れてはならない、

その何かを握りしめているから、

私は、今を生き続けていけるのだ。

うめさん、ありがとう。