うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

タイムマシーンに、乗ってきた

2017年05月14日 | 真面目な日記

今日は、母の日だ。

私は、結局、母さんに酒を贈る事にしたのだが、

母さんには、もっと素敵なモノが届いたのだ。

ポンちゃんままから、名入りの「うちの子メモ帳」だーーー!

詳しくは、ぜひ「ねこなんて大っ嫌い」←ここをクリックして下さい。

 

かずこ、満面の笑みでありました。

 

これね、ノート型だけど、1枚ずつちぎって使えるんだよと

1枚ちぎって見せようとする私の手を、

パシャンと叩く、母さん。

「これはよ、大事な事を書くんや。」と言うので、

パチンコの勝敗とか書くのか?と聞いたら、

「おまっばか!そんな程度の事はここには書かん。

ちょっとやそっとの事は、書かんぞ。

本当に、大事な事を書くためのノートにするんや!」

だそうです。

ままん、本当にありがとうございました。

 

おはようございます。

そんな母さんは、読書家でもある。

そして、書くという事も、どうも嫌いでは無いようだ。

私が、パソコンを使って日記を書いていると言った日、

母さんは、

「ほんならよ、わしの日記も見せたろか?」と、

古い日記帳を3冊、私に持たせてくれた。

聞けば、今から50年以上前に書いたモノだそうだ。

そんなモノ、読んでいいのか?と聞くと、

母さんは、

「おお、読んでみろ。出版してもええぞ。」と言う。

出版って・・・そんな力は私には無い。

という事で、せめて、皆さまにお付き合い願えればと存じます。

ながーいと思いますが、お手数かけます。

 

~日記冒頭~

「私は、この日記を自分の心の支えにして、

また、自分の心からの友達として、

淋しい時には慰めてもらい、

楽しい時には喜んでもらい、

明るい生活が出来るよう導いてもらおうと思う。

そして、どんな風にも倒されない人間になれるよう、

努力しようと思う。」

 

カズコ、23歳の5月10日、この日記が始まる。

当時、カズコは、独りの男との愛憎劇の只中で、苦しみもがいていた。

若く、そして真っすぐなカズコの愛、

それを受け止めきれない男の弱さによって、

若い2人は心を寄せあったり、離れたりを繰り返す。

 

~ある日~

「今朝夫が、もう女の所へは行かない。と言った。

私は嘘でもこの言葉が嬉しかった。

私は、その時ふっと思った。

私がもっと努めたら、

夫は外で気を晴らそうなんて事はなくなるのではないかと。

私は、今まで自分が、いかに未熟であった事に気づいた。

もっと学び、もっと色々な事を身に付けて、

この人の妻として恥ずかしくない人間になろうと思う。」

 

カズコさん、違う。

この男は、ただの女好きだ、カズコさん!

夫は、愛人が常に2人も居るような男のようだ。

時には、帰っても来ない日が続く。

 

~ある日~

「私は今、どう思っても、幸せとは思えない。

どうして皆のような楽しい家庭が持てないのだろう。

夫は、いつ帰るのか、またどこに居るのか。

私の心は、いつも淋しい。

夫の真実の愛が欲しい。」

 

カズコは、この頃、夫との別居を試みる。

夫の真意を確かめるために。

 

~ある日~

「私は、母からアパートの資金を3万円、借りた。

母は、黙って貸してくれた。

私は、つくづく親に面目ないと思った。

でも今の私には、これしか道はないと思った。

夫には1年の別居と話しているが、

3年でも5年でも、待つ心構えを持っている。

彼が別れて行っても、私は一生待ち続ける。」

 

そう覚悟したカズコだが、

夫のスタンスは、変わらない。

会いに来る日もあれば、来ない日もある。

 

~ある日~

「風邪をひいたようで、薬を買った。

でもお金が足りなくなったので、実家へ行って、2千円借りた。

母が、私の顔を見ながら、色々話してくれた。

私は、もう死にたいと思っていたが、

老けた母が一生懸命元気づけてくれた。

これでは、いくら私でも、死ぬ訳にはいかないと思った。」

 

そんなカズコの様子を知った夫は、

手作りのおにぎりを持って見舞いに来る。

カズコは、そのおにぎりが今までで一番美味しいおにぎりだと

喜んで見せた。

なんという男だ。

そろそろ、ぶっ飛ばしてやりたい!

 

~ある日~

「今日は、夫が来てくれた。

そして二人で美容院へ行って、一緒にパーマをかけた。

帰りに買い物によって、

私のネックレスを買ってくれた。

とても高価なネックレスで、嬉しかった。

やっぱりカズコは、夫を愛しているし、

きっと夫も、私を愛してくれているのだと思った。」

 

この男、もう勘弁ならねー!

カズコさん、こいつ、まだ愛人と別れてない事、思い出せ!

そして、カズコさん?

ネックレス買う金で、親の借金、返さんとかんに。

 

~ある日~

「カズコのバカ カズコのバカ カズコのバカ・・・・

お父さんお母さん、こんなカズコをお許しください。

カズコの心は、例えようのない程、寂しいのです。

父と母なら、きっとわかってくれるだろうに。」

 

カズコが別れようと言えば、引き留めようと必死になり、

やり直そうと言えば、するりと逃げる男。

その態度に、カズコは、そろそろ気持ちの限界に達してきた。

もう死んでも構わないという文字が、日々増える中、

なぜか、カズコは、日記の最後に必ず食べ物を記すようになる。

 

~ある日~

「今日の食べ物 トースト、から揚げ、串カツ、ウィンナー、カレーライス」

~ある日~

「今日の食べ物 オムライス、ハヤシライス、おにぎり、あられ、もち」

~ある日~

「今日の食べ物 カレーライス、かつ丼、お寿司、あんみつ、ライス」

 

カズコさん?もっと野菜を食べなさい!

そして、死にたがる乙女の食べる量ではない!

 

~ある日~

「私は、今日になって、初めて歩いてきた道を振り返った。

心から苦しみを覚えたのは、小学校の5年生の時である。

子供ながらも、初めて人に言えない苦しい思いをした。

その頃から、自分の家庭を持ちたいと強く思うようになった。

私が中学を出た当時は、家が一番苦しい時で、

何ひとつ、思う物は買ってもらえなかった。

父と母は、いさかいの毎日。

その時、私は一日でも早く家を出て、自分の家庭を持ちたいと

何度思ったか知れない。

私は、それがとても悲しくて、苦しかった。

その苦しみに負けて、道を踏み外した。

16の歳に、家を出たのである。

私は、苦しみをなにもかも忘れたくて、遊びに遊んだ。

遊んでばかりはできず、酒場で働いた。

私は、そこに来る男の人達が、とても怖かった。

誰も、私に温かな気持ちで接してくれる人はいなかった。

私は、とても淋しかった。

その時、私は夫と出会ったのだった。

この4年間、私は何もかも夫に捧げてきた。

父と母は、いつも私を励ましてくれた。

いつでも、私の事に反対せず、

黙って見守ってくれていた。

今、振り返ってみれば、長い旅をしたように、思える。

 

雪の山へ登ってみたい。

真っ白で美しい何のけがれもない、雪の山へ登ってみたい。

なにもかも、わすれるであろう、

幼き、雪国を思い出す。」

 

カズコは、その後、男との別れを遂げた。

そして、3冊目の最後。

 

「私も、女である以上、いつか子供を産みたい。

何のけがれもない、綺麗な子供を産みたい。」

 

カズコさん、大丈夫ですよ。

その数年後、あなたは、働き者で真面目な男と出会います。

そして、綺麗な子供を2人、生む事になりますからね。

 

2人目

綺麗な・・・・こ・・・ども・・・

まず口を閉じろ、私め!

 

私は、この日記の中に生きる、独りの女性を、

まるで親のような気持ちで読み続けた。

まるで、我が子のように。

 

ながーい記事に、お付き合いいただき、申し訳ありませんでした。

さらに、猫ブログにあるのに、猫が出てないという。

重ねて、大変、申し訳ありませんです。