蚊と格闘

昨夜、いつものように寝る体制に入った。
いつも枕もとになんらかの本があって、眠くなるまで読んでいる。
(だから右目だけ極端に視力が悪いんだよね)
ものの10分もしないうちに眠くなり、１，２，３でもう夢の中。
私の辞書に不眠症という文字はないくらい快眠なのだ。
ふと左肘のあたりチクッとしたので目をやると、黒く大きい蚊が柔らかい部分に張り付いている。
いや、普通の蚊だったかもしれないけれど、魚眼レンズのように大きく見えた。
だいだいそういう時は、右手でバチンと叩けば、イチコロなのに、そいつは目が合った瞬間逃げて行った。
札幌にいて部屋で蚊に刺されたことがないので、蚊取り線香も防虫剤も蚊取りマットも何もない。
あるといえば登山用の虫よけと虫よけスプレーだけである。
一応スプレーは体中に振り撒いた。
でも敵は一匹。
この一匹さえなんとかすれば、安眠が待っているはずだ。
なかなか賢そうな蚊だった(ってどこでわかるんだ)もう一度同じ態勢で本を読み、蚊が近づいてくるのをじっと待った。
並みの蚊なら、静かになった途端、プ～～～～ンと羽音を立てて近づいてくるのに、音が聞こえない。
なんだこの静けさは・・・・・。
我慢して10分ほど待ってみたがやってこない。
よし眼鏡をかけてあいつの居場所を突き止めよう。
そーっと見まわしてみると、白い壁紙の模様の一部のふりして動かないあいつを見つけた。
目の前にファイターズの応援グッズ、ツインバットが有った。
両手にツインバット持ってそーっと近づいて見る。
敵もさる者。こちらの動きをじーっと見ているようだ。
空中に逃げ出し、電燈の周りを飛び回っている。止まると打たれると分かっているのだろう。ツインバットは命中率が悪いので、何かないか探した。
部屋には本がたくさんあるのだが、本を汚したくない。そしてたまたまそこに地理院からもらった地図のメモ帳があったので、追い詰めて追い詰めてやっと仇打ちができた。
しかし、やっぱり知っている蚊より黒くて大きいような気がする。

目覚めて左肘をみたら、直径５㎝ほど円形に膨れ上がっている。くっそー。
もちろん今日は、蚊取り線香を買ってきました。

しかし寝間着姿で両手にツインバットって、想像しただけでもおバカな姿ですね～～。
誰も見てないよね、見てないはずです。