先日亡くなられた樹木希林さんが出演されている映画、ということで知った本です。
お茶の世界に興味があったわけではないけれど、何か感じるものがあるような気がして読んでみました。
日本の持つ形式美。
細かくたくさんある所作。
それなのに、そこにある自由。
深いなぁと感じる。
そして、季節を、今を大切にする心。
雨の匂いや空気感。
お茶を嗜む間の贅沢。
小さいお部屋の一室で感じる季節。
お茶を味わうための準備や道具についても、知らない事ばかりで、ああ、そうなんだと思う。
知らなかった世界に胸を打たれる。
自分に置き換えてみた。
大自然の中に居ると、否が応でも季節を感じる。
感じようとする心の前に、目の前に「次の季節」がドカンとやってくる(^^;;
野菜や食べ物、季節によって違うよね。
夏は身体を冷やす葉物や、水分の多いものを食べたくなるし、冬は身体を温める根菜や、生姜ニンニクを食べたくなる。
季節に合わせて、身体が要求する。
これって、北海道に住んでいて、農産地が近いからだろうか。
自分の身体に聞いてみる。
今日なにたべたい?今日はどんな景色が見たい?
知らないうちに、季節と生きているなぁと感じる。
繰り返される春夏秋冬に、備えも万端だ。
(それでも突然の自然災害に悩まされるけれど)
この本を通して、「季節と向き合う楽しさ」について考えました。
春は雪融けと新緑に喜び、夏は咲き誇った花たちを愛で、秋に錦秋の山々を楽しみ、冬は少し寂しく自分の内側を覗く。もちろん白銀の世界も楽しみます。
以前は、秋が急に鬱っぽくなるので、秋が、特に晩秋が憂鬱だった。
でもね、こういう気持ちになるのも、季節の独特な営みなんだよね、と思う。
まだまだ、未熟な人間ではあるけれど、こういう本を読んで、改めて自分の成長に気付いています。
映画は観られるか分からないけれど、映画が上映される事で出会った本です。
良い出会いでした。