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『13才からのアート思考』 末永幸歩

2024年02月19日 21時57分22秒 | 書籍
『13才からのアート思考』末永幸歩

書店でよく見かけていたベストセラーの本。前回『知覚力磨く』を読んで
美術関係の本を読みたくなり、アマゾンで見ると、この本がお勧めになっていた。
ベストセラーといわれると逆に買う気がしないへそ曲がり傾向のある自分だが、
かなり評判がよさそうなので古本で注文してみた。
今回は表紙カバーがついていなかったが、中身が読めるので由とする。

ところで音楽を鑑賞する場合は、その曲を作った意図とは?
とかを想像して聴いたりすることはあまりないはず。
ただ純粋に聴いて心に響けば気に入るし、響かないものは聴かないだけだ。

同じように絵画を鑑賞する場合も、この絵を描いた意図とか、
抽象画の場合は何を描いたものかとか詮索せず、
観て感じるまま鑑賞しても良い、という著者の考えには基本的に賛同。

自分もこの絵は何を描きたかったかとか、抽象画の場合は特に
何を描いたものかとかそんなことばかり気にし、
絵の脇にある解説文を先に読んだりしていた。
そんな鑑賞法もあるが、自分が主体的に自分の主観で観るほう
が楽しいはずで、幼い頃はそんな見方をしていたと著者はいう。

著者によると、カメラの発明により、目に見えるものの模写から解放され、
アートというものの枠が次々と緩やかになり、何段階も経て、
アートとして認識されるものが、最近ではアンディー・ウオーホールの
ただの箱から、パソコンのゲームの画面などにまでに及んでいる。
最終的にはアート作品があるのではなく、アーティストがいるだけという、
アートとは見たものに対する感じ方の問題になるという。

著者はこの本で読者に対して次々に質問や疑問を投げかけ、
従来アートというものに対して持っている既成観念を徐々に取り除いていき、
そこからアートとは何かということを考えさせていく。
これはそんな本である。

「自分の興味関心・好奇心を皮切りに『自分のものの見方』で世界を見つめ、
好奇心に従って探求を進めることで『自分なりの考え』を生み出すことができれば、
誰でもアーティストであるといえる」、という。
そんな境地にまでなることができれば、著者の意図は成功したことになる。
実際著者は、学芸大附属中学高校の美術の教員として教壇に立つ方で、
その時の実践例をまとめて出版したのがこの本のようだ。

芸術家というものは世の中の常識や既成概念から解放され、
自由な想像力と自分の個性によって作品を創り上げるはず。
見るほうも既存の縛りから解放され、真っ白な状態で
鑑賞すべきなのかもしれない。

とはいえ、作者の伝記的な情報、生きた時代背景や風俗など、
周辺の知識が鑑賞をより深くする手助けになり、
また音楽でも絵画でも、それを鑑賞する場合は、
自分の体験や人生経験などいろいろあればあるほど、
それを触媒に共感が深まり、深い鑑賞も出来るはず。

結局、自分の感性を磨き、経験を積みながら、
一方でそのアートの時代背景や、
そのアーティスト自身のことも知識として持ち、
作品に向き合う時は、心を白紙の状態にして臨む。
そのためにはものをよく観る細かい観察力を鍛えること。
これがアート鑑賞の仕方なのかなと、勝手に自分なりにまとめてみた。






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