今月は、心に響く本が多かった。アメリカの占領政策、あるいはソ連コミンテ
ルンの影響によって、正しい歴史を教えられず、日本人の誇りをなくすようた
くみに洗脳され、自虐史観に毒された世界からようやく脱するような空気が出
て来て、それを表すような本も次々と出てきている。この戦後60年間の暗黒の
時代から早く脱却し、日本人としての誇りを取り戻したい。むしろ諸外国が先
に日本を賞賛し始めている。
1『国難の正体』 (著 馬淵睦夫)
地球には、世界の政治経済を制覇するために、民間の手による世界支配金融シ
ステムをつくることを目指す、金融資本系の国際ネットワークが存在する。
共産主義という妖怪が消滅したと思ったら、今またグローバリズムという妖怪
により世界が翻弄される。モノ、金、人の国境を超えた自由な移動を実現する
ことによって、世界を自由市場経済で統一しようとするグローバリズムは、世
界各国に私有財産を否定する共産主義独裁政権を樹立することによって世界を
共産主義で統一しようとする共産主義イデオロギーと類似している。
唯物思想で世界を解釈し、勝ったものが正義で、全てに君臨するという点で同
一。両方共、特権エリート階級と貧困大衆という超格差社会を生み出す点で同
じである。
今の国難の正体はこのグローバリズムである。このグローバル化を防ぐことが、
日本の唯一生きるべきであるという。
冷戦は八百長、中華人民共和国建国の本当の理由、米が勝とうとしなかった朝
鮮戦争、湾岸戦争の謎、中東の春の謎。アメリカの世界戦略を決めているのは、
英金融資本。米が日本占領時代に、日本の伝統、ナショナリズムを破壊しよう
とし、国民は完全に洗脳された。今もそれは続いている。
グローバズムに最も抵抗しているのは日本とロシアで、ロシアからのサインを
見逃してはならない。グローバル化に対抗するには、そのロシアとの関係強化
とともに、日本に期待する国際貢献の方法を日本に有利な形に変えること。
具体的国際貢献とは、勤勉の勤労感、ものづくりの精神、和、共生に基づく調
和のとれた社会経済システムを世界に広め、新しい人類の秩序樹立を提唱する。
グローバリズムから各国の実情に合うシステムに変えて導入し、各国アイデン
ティティとの両立を図るという日本型新世界秩序を普及させること。ブレジン
スキーは、もしこれらのことが実現しない場合は、ハルマゲドン(世界最終戦
争)もあり得ると想定しているのだろう、という。
日本中立化構想の実現のために、ひとつは日本人の発明、発見した技術を安く、
あるいは無償で世界に提供すること。もう一つは、日本が世界の人々にとって
癒しの国になることであると言っている。
日本にいるとわからないが、世界の人にとっては日本の存在そのものが奇跡に
写っているという。
世界の様々なことを誰が動かしているのか、この世の中の状況を見ると、
耳ざわりがよく、良いものに聞こえたグローバリズムとは、実は多くの人々を
不幸に陥れる悪魔のシステムであるということがわかる。日本人の英知を結集
しこの国難を乗り切る必要がある。まだまだ左翼思想、自虐史観が蔓延ってい
るが、最近ようやく日本や世界の真の姿が垣間見れるような本が出てきている
ことは喜ばしい。今年読んだ本のベスト5に入る。
◎◎◎◎◎
2.『新しい日本史観の確立』 (著 田中英道)
明治以来続く根強い西洋歴史観のもと、戦後日本では、その歴史観に息づくマ
ルクス主義が無批判に取り入れられ、日本独自の文化を全く無視した歴史が書
かれてきた。それが教科書にも色濃く反映している事実を具体的に指摘し、西
洋中心主義の歴史観から脱却した日本独自の歴史観の確立の必要性を説いて
いる。「共産党員が教科書を書き、社会党員がそれを教え、自民党がお金を出す」
と冗談に言われる。
二十数カ所にわたり死滅したはずのマルクス主義にまだ影響されて書かれてい
る点を具体的にあげ、それによって中学生は日本史嫌いになり、日本人全体が
知らず知らずその影響を与えられているという。
マルクス史観は近現代を重視し、それ以前を古代、中世、近世とし、歴史は進歩
するという進歩史観、階級闘争史観に基づいている。
それは、過去は「進歩」した現在から遅れた克服されるべきものとして考え、すべ
て未来に一新されるという願望のみで、長く繰り返されてきたもの、同型なもの
表面上形を変えても一貫したもの、連続した精神性などが数多くあることを無視
している。
過去から受け継いだ精神的財産を活用してこそ、現在をより豊かに生きること。
新しい歴史の構想として「古代」「中世」「近世」「近現代」という「進歩史観」を払
拭し、古き時代(古世)と新しき時代(新世)に分けるだけで良い。
神仏の「宗教」が「国家」も「文化」を動かしていた時代(鎌倉時代あたり)で「古
き良き時代」は終わり、「宗教」が禅の導入により個人的色彩を帯び、浄土教の
強い動きは、大きな国家感を失い、天皇一人の力では動かし得ぬ社会が現出し、
商業の活発化が貨幣経済の広まりをみせた。ここで「古き良き時代」は終わる。
大東亜戦争での敗北は、文化に大きな影響を与え、社会主義勢力が、特に多く
の知識人に影響を与え、その影響は歴史観にまで及び、日本の過去の否定につ
ながった。それが今やっと払拭されつつある。
特徴は近代をさほど強調しないこと。技術と量的拡大が基調の近現代より、
精神と質的な高さを保った「古き古代」の評価が高く、進歩主義、未来主義(社
会、共産主義等)はない。
今年読んだ中のベスト5に入る。
◎◎◎◎◎
3.『感動的な日本の力』 (著:馬淵 睦夫)
日本が様々な国難を乗り切ってきたのは、その『造り変える力』にある。外来の文
化をそのまま導入するのではなく日本の伝統文化に合ったより優れた物に造り変
える。これは『和』と『共生』の思想によって発揮される。
個人は共同体の部分として自らを生かしつつ共同体のために貢献し、共同体は
筑波大の村上和夫が「腎臓の個々の細胞は、腎臓のために自分の役割を果たしな
がら、個々の働きを自主的に行っているが、人間と社会、地球、宇宙の関係でも同
じ」という。すべての人間が宇宙としてつながっているのだから自分を愛すること
は他人を愛すること、その逆も同様である。
ダーウィンの進化論は間違いで、生物は優勝劣敗の法則で進化したのではなく、
互いに助け合いながら進化してきたという『共生的進化論』が正しければ、ま
さに近代西洋文明の大転換となる。経済同友会の発表した「お互いがお互いに磨
きをかけて生成発展、進化することという『共進化』の考え」にも通じる。
自らの日本の歴史に誇りをもてなくなっている原因は中国への贖罪意識である
がこれは、
①占領下で言論の検閲に当たった多数の日本人検閲官が、独立後も生き延び、
その思想が現在も言論界や教育界のみならず、オピニオンリーダー層の主流
を形成していること。
②戦争に対する贖罪意識が、日本の伝統的な謝罪心理と合致したこと。
この洗脳状態から脱却するためには、明治以降の戦争の真の理由を認識するこ
と。そして今のグローバリズムという国難で、日本国家の根幹である、家族、
社会、会社などの共同体が解体危機にあっていることを認識する。TPP等の強
者の論理、優勝劣敗のダーウイン進化論の論理は我が国の根本原理になじまな
いこと。
『平成の開国』ではなく、『平成の鎖国』をする時である。鎖国とは、日本の本来
の部を超えた部分、日本たらしめている根本原理に沿わない部分の改善を意味
する。現在各国はグローバリゼーションと、自らのアイデンティティーとの両立とい
う困難な課題に直面しているが、日本の『造り変える力』を発揮し、世界に新しい
生き方の見本を示すことが日本の役割であるという。
前の『国難の正体』でも感銘を受けたが、こちらはよりわかりやすく、高校生
でも理解できる文章で書かれているので、ひとりでも多くの日本人に読んで欲
しい本である。今年のベスト5に入る一冊。
◎◎◎◎◎
4.『わがドラッカー流経営論』 (著:柳井 正)
ユニクロ社長 柳井 正氏の経営哲学をやさしく書いたもの。というよりNHK
教育テレビで放送されたお話をそのまま原稿に起こして本にしたもの。なので、
たいへんスラスラ読める。『失敗したらなぜうまくいかなかったかを考え新たに
スタートを切ればいい。今あるものだけを守り続けていてもそこに進歩や発展
はない』という好きなフレーズが書いてある。
ドラッカーの本は、色々経験したあとで読むと、なるほどそのとおりだったと
感心するという。
ドラッカーは、日本文化、日本の企業にも関心が深く、ソニー、トヨタ、ホンダ等
の企業に出向いて現場を調査し、その日本企業の独自性にも注目。特に『終身
雇用制』という日本固有の雇用システムとそこから生まれる組織ないの家庭的な
結びつきに興味を持ち、高く評価したという。
柳井氏本人は、終身雇用、年功序列性の形だけが残り、企業精神が見えなくな
たのが日本企業の衰えと考えている。
原点、すなわちお客様が必要としているものは何かを一番に考え、真摯にそれ
を提供するという当たり前のことを世界でやればいいのだと語っている。
内容は、ドラッカーというよりほとんど柳井流経営哲学をわかりやすく書いた
本である。
◎◎◎
5.『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまでに違うのか』 (著 黄文雄)
同じ東アジアの国として、若い頃は三国は似ていて、中国、韓国からの文化が
日本にだいぶ影響を及ぼしているのだろうと思っていたが、それは幻想に過ぎ
ないことが分かる。
中国、韓国とも古来闘争、政争に明け暮れ新しい覇権者は前の覇権者を粛清す
るということが連綿と続いている。
そんな人間が、人を信じない、人の足を引っ張る、自己中心の人間を作ってき
たという。またその荒れた風土もその性格形成に影響しているという。韓国は
中国以上に自己中心的であり、すべて人のせいにする。
その他中国人、韓国人について鋭い分析をしている。
その中で日本の江戸時代は最も日本的な時代で、秦平の時代が続けば、よそ者
への敵意もなくなる。この時代、日本人の魂と心の昇華、つまり日本文化の成熟
が見られた。
東南アジアにおける近代化に対しての日本の影響は、評価されつつあるが、その
ことについて中国、韓国は認めたくはない。
日本文明こそ、いま地球文明になりうる。それは
①原始神道の『神仏習合』、つまり、神代から八百万の神はいかなる外来の神
も排除せず、東西両文明を取り入れ『衝突』はない。『共生』と『衆生』の思想
と異文化に寛容な日本の風土が多元的文化を容認する土台となっている。
②島という限定空間で培われた人間と自然を調和が、宇宙地球船号たる地球文明
の雛形になる。日本の縄文、江戸文明は、人類の共存、自然と人間の調和、共生
資源と環境問題のモデルとなる。日本文明はいま着実に世界に広がりつつある。
読んでみて、中国人、韓国人の性格がどのように形作られたか、その原因の一端を
知る思いである。民族の性格形成に、日本人も含め、その歴史、風土・地理等が大き
く影響するするようである。
◎◎◎○
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ルンの影響によって、正しい歴史を教えられず、日本人の誇りをなくすようた
くみに洗脳され、自虐史観に毒された世界からようやく脱するような空気が出
て来て、それを表すような本も次々と出てきている。この戦後60年間の暗黒の
時代から早く脱却し、日本人としての誇りを取り戻したい。むしろ諸外国が先
に日本を賞賛し始めている。
1『国難の正体』 (著 馬淵睦夫)
地球には、世界の政治経済を制覇するために、民間の手による世界支配金融シ
ステムをつくることを目指す、金融資本系の国際ネットワークが存在する。
共産主義という妖怪が消滅したと思ったら、今またグローバリズムという妖怪
により世界が翻弄される。モノ、金、人の国境を超えた自由な移動を実現する
ことによって、世界を自由市場経済で統一しようとするグローバリズムは、世
界各国に私有財産を否定する共産主義独裁政権を樹立することによって世界を
共産主義で統一しようとする共産主義イデオロギーと類似している。
唯物思想で世界を解釈し、勝ったものが正義で、全てに君臨するという点で同
一。両方共、特権エリート階級と貧困大衆という超格差社会を生み出す点で同
じである。
今の国難の正体はこのグローバリズムである。このグローバル化を防ぐことが、
日本の唯一生きるべきであるという。
冷戦は八百長、中華人民共和国建国の本当の理由、米が勝とうとしなかった朝
鮮戦争、湾岸戦争の謎、中東の春の謎。アメリカの世界戦略を決めているのは、
英金融資本。米が日本占領時代に、日本の伝統、ナショナリズムを破壊しよう
とし、国民は完全に洗脳された。今もそれは続いている。
グローバズムに最も抵抗しているのは日本とロシアで、ロシアからのサインを
見逃してはならない。グローバル化に対抗するには、そのロシアとの関係強化
とともに、日本に期待する国際貢献の方法を日本に有利な形に変えること。
具体的国際貢献とは、勤勉の勤労感、ものづくりの精神、和、共生に基づく調
和のとれた社会経済システムを世界に広め、新しい人類の秩序樹立を提唱する。
グローバリズムから各国の実情に合うシステムに変えて導入し、各国アイデン
ティティとの両立を図るという日本型新世界秩序を普及させること。ブレジン
スキーは、もしこれらのことが実現しない場合は、ハルマゲドン(世界最終戦
争)もあり得ると想定しているのだろう、という。
日本中立化構想の実現のために、ひとつは日本人の発明、発見した技術を安く、
あるいは無償で世界に提供すること。もう一つは、日本が世界の人々にとって
癒しの国になることであると言っている。
日本にいるとわからないが、世界の人にとっては日本の存在そのものが奇跡に
写っているという。
世界の様々なことを誰が動かしているのか、この世の中の状況を見ると、
耳ざわりがよく、良いものに聞こえたグローバリズムとは、実は多くの人々を
不幸に陥れる悪魔のシステムであるということがわかる。日本人の英知を結集
しこの国難を乗り切る必要がある。まだまだ左翼思想、自虐史観が蔓延ってい
るが、最近ようやく日本や世界の真の姿が垣間見れるような本が出てきている
ことは喜ばしい。今年読んだ本のベスト5に入る。
◎◎◎◎◎
2.『新しい日本史観の確立』 (著 田中英道)
明治以来続く根強い西洋歴史観のもと、戦後日本では、その歴史観に息づくマ
ルクス主義が無批判に取り入れられ、日本独自の文化を全く無視した歴史が書
かれてきた。それが教科書にも色濃く反映している事実を具体的に指摘し、西
洋中心主義の歴史観から脱却した日本独自の歴史観の確立の必要性を説いて
いる。「共産党員が教科書を書き、社会党員がそれを教え、自民党がお金を出す」
と冗談に言われる。
二十数カ所にわたり死滅したはずのマルクス主義にまだ影響されて書かれてい
る点を具体的にあげ、それによって中学生は日本史嫌いになり、日本人全体が
知らず知らずその影響を与えられているという。
マルクス史観は近現代を重視し、それ以前を古代、中世、近世とし、歴史は進歩
するという進歩史観、階級闘争史観に基づいている。
それは、過去は「進歩」した現在から遅れた克服されるべきものとして考え、すべ
て未来に一新されるという願望のみで、長く繰り返されてきたもの、同型なもの
表面上形を変えても一貫したもの、連続した精神性などが数多くあることを無視
している。
過去から受け継いだ精神的財産を活用してこそ、現在をより豊かに生きること。
新しい歴史の構想として「古代」「中世」「近世」「近現代」という「進歩史観」を払
拭し、古き時代(古世)と新しき時代(新世)に分けるだけで良い。
神仏の「宗教」が「国家」も「文化」を動かしていた時代(鎌倉時代あたり)で「古
き良き時代」は終わり、「宗教」が禅の導入により個人的色彩を帯び、浄土教の
強い動きは、大きな国家感を失い、天皇一人の力では動かし得ぬ社会が現出し、
商業の活発化が貨幣経済の広まりをみせた。ここで「古き良き時代」は終わる。
大東亜戦争での敗北は、文化に大きな影響を与え、社会主義勢力が、特に多く
の知識人に影響を与え、その影響は歴史観にまで及び、日本の過去の否定につ
ながった。それが今やっと払拭されつつある。
特徴は近代をさほど強調しないこと。技術と量的拡大が基調の近現代より、
精神と質的な高さを保った「古き古代」の評価が高く、進歩主義、未来主義(社
会、共産主義等)はない。
今年読んだ中のベスト5に入る。
◎◎◎◎◎
3.『感動的な日本の力』 (著:馬淵 睦夫)
日本が様々な国難を乗り切ってきたのは、その『造り変える力』にある。外来の文
化をそのまま導入するのではなく日本の伝統文化に合ったより優れた物に造り変
える。これは『和』と『共生』の思想によって発揮される。
個人は共同体の部分として自らを生かしつつ共同体のために貢献し、共同体は
筑波大の村上和夫が「腎臓の個々の細胞は、腎臓のために自分の役割を果たしな
がら、個々の働きを自主的に行っているが、人間と社会、地球、宇宙の関係でも同
じ」という。すべての人間が宇宙としてつながっているのだから自分を愛すること
は他人を愛すること、その逆も同様である。
ダーウィンの進化論は間違いで、生物は優勝劣敗の法則で進化したのではなく、
互いに助け合いながら進化してきたという『共生的進化論』が正しければ、ま
さに近代西洋文明の大転換となる。経済同友会の発表した「お互いがお互いに磨
きをかけて生成発展、進化することという『共進化』の考え」にも通じる。
自らの日本の歴史に誇りをもてなくなっている原因は中国への贖罪意識である
がこれは、
①占領下で言論の検閲に当たった多数の日本人検閲官が、独立後も生き延び、
その思想が現在も言論界や教育界のみならず、オピニオンリーダー層の主流
を形成していること。
②戦争に対する贖罪意識が、日本の伝統的な謝罪心理と合致したこと。
この洗脳状態から脱却するためには、明治以降の戦争の真の理由を認識するこ
と。そして今のグローバリズムという国難で、日本国家の根幹である、家族、
社会、会社などの共同体が解体危機にあっていることを認識する。TPP等の強
者の論理、優勝劣敗のダーウイン進化論の論理は我が国の根本原理になじまな
いこと。
『平成の開国』ではなく、『平成の鎖国』をする時である。鎖国とは、日本の本来
の部を超えた部分、日本たらしめている根本原理に沿わない部分の改善を意味
する。現在各国はグローバリゼーションと、自らのアイデンティティーとの両立とい
う困難な課題に直面しているが、日本の『造り変える力』を発揮し、世界に新しい
生き方の見本を示すことが日本の役割であるという。
前の『国難の正体』でも感銘を受けたが、こちらはよりわかりやすく、高校生
でも理解できる文章で書かれているので、ひとりでも多くの日本人に読んで欲
しい本である。今年のベスト5に入る一冊。
◎◎◎◎◎
4.『わがドラッカー流経営論』 (著:柳井 正)
ユニクロ社長 柳井 正氏の経営哲学をやさしく書いたもの。というよりNHK
教育テレビで放送されたお話をそのまま原稿に起こして本にしたもの。なので、
たいへんスラスラ読める。『失敗したらなぜうまくいかなかったかを考え新たに
スタートを切ればいい。今あるものだけを守り続けていてもそこに進歩や発展
はない』という好きなフレーズが書いてある。
ドラッカーの本は、色々経験したあとで読むと、なるほどそのとおりだったと
感心するという。
ドラッカーは、日本文化、日本の企業にも関心が深く、ソニー、トヨタ、ホンダ等
の企業に出向いて現場を調査し、その日本企業の独自性にも注目。特に『終身
雇用制』という日本固有の雇用システムとそこから生まれる組織ないの家庭的な
結びつきに興味を持ち、高く評価したという。
柳井氏本人は、終身雇用、年功序列性の形だけが残り、企業精神が見えなくな
たのが日本企業の衰えと考えている。
原点、すなわちお客様が必要としているものは何かを一番に考え、真摯にそれ
を提供するという当たり前のことを世界でやればいいのだと語っている。
内容は、ドラッカーというよりほとんど柳井流経営哲学をわかりやすく書いた
本である。
◎◎◎
5.『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまでに違うのか』 (著 黄文雄)
同じ東アジアの国として、若い頃は三国は似ていて、中国、韓国からの文化が
日本にだいぶ影響を及ぼしているのだろうと思っていたが、それは幻想に過ぎ
ないことが分かる。
中国、韓国とも古来闘争、政争に明け暮れ新しい覇権者は前の覇権者を粛清す
るということが連綿と続いている。
そんな人間が、人を信じない、人の足を引っ張る、自己中心の人間を作ってき
たという。またその荒れた風土もその性格形成に影響しているという。韓国は
中国以上に自己中心的であり、すべて人のせいにする。
その他中国人、韓国人について鋭い分析をしている。
その中で日本の江戸時代は最も日本的な時代で、秦平の時代が続けば、よそ者
への敵意もなくなる。この時代、日本人の魂と心の昇華、つまり日本文化の成熟
が見られた。
東南アジアにおける近代化に対しての日本の影響は、評価されつつあるが、その
ことについて中国、韓国は認めたくはない。
日本文明こそ、いま地球文明になりうる。それは
①原始神道の『神仏習合』、つまり、神代から八百万の神はいかなる外来の神
も排除せず、東西両文明を取り入れ『衝突』はない。『共生』と『衆生』の思想
と異文化に寛容な日本の風土が多元的文化を容認する土台となっている。
②島という限定空間で培われた人間と自然を調和が、宇宙地球船号たる地球文明
の雛形になる。日本の縄文、江戸文明は、人類の共存、自然と人間の調和、共生
資源と環境問題のモデルとなる。日本文明はいま着実に世界に広がりつつある。
読んでみて、中国人、韓国人の性格がどのように形作られたか、その原因の一端を
知る思いである。民族の性格形成に、日本人も含め、その歴史、風土・地理等が大き
く影響するするようである。
◎◎◎○
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