高精度なギミックコインの作成で有名なJohonson Productsが出したカップです。カップ&ボール用のカップとチョップカップ、そしてウォンドです。真鍮製です。削り出しの製法で作られたものとしてはかなり初期のもので、当時そこがウリになっていました。この製法は一つのカップを作るのにその材料の大半を無駄にすることになりますが、厚みや形の自由度は高く、完全に同じ形で作れます。確かにこれまでのカップに比べてしっかり重さがあります。ショルダーの線が3本あるところも特徴です。多くのマジシャンにも絶賛されました。カタログではビル・マローン氏やデビッド・ウィリアムソン氏のコメントが載っていますし、マイケル・アマ―氏のお店でも以前は扱われていました。
見た目の迫力があるので、もっと大きいイメージでしたが久々に取り出してみたらそれほど大きくありませんでした。個人的には大きすぎず良い感じです。6cmのボールがちょうど入るサイズですが、少し高さに余裕があります。シャーウッドのカップのように、テニスボールは入りません。ですので、あるカップの解説には「ジョンソンカップはテニスボールが入りませんが、私のカップは入ります」みたいなことが書かれているのも見たことがあります。
また、値段も手ごろなところがウリでした。当時200ドルを切ってました。このレベルのカップが200ドルというのは当時かなりお値打ちだったのでしょう。しかし、今では入手が難しくなっているので値段は上がっています。先日フレンチさんで少しだけ販売されてました。
オークションではちょっと前に4万円台で落札されていました。まあ、最近では入手難しいんだろうなぁと思ってちょっと調べていたら今でも売っているお店を見つけました。
Daytona Magicさんは古くからやっているお店で怪しいお店ではありません。350ドルとかなり高いです。ただ、このカップがどうしても欲しいという方には購入できる数少ないルートではあると思います。
チョップカップもあります。できは良く、正直区別がつきません。スタックもきれいにできます。
ウォンドもあります。同じ真鍮でできた重厚感あるウォンドでちょっと珍しいタイプだと思います。カップによく合っていると思います。2つに分解できるタイプで先端部はプラスチックになっていますので、カップを傷つけることがありません。以前紹介したブライ氏がいろいろなカップのレビューをしているのですが、このウォンドのレビューもありましたので、紹介しておきます(保護されていないページと出ます)
http://www.cupsandballsmagic.com/Johnson-Products-2-Piece-Brass-Wand.html
氏が書いているこのウォンド欠点は接続部のネジがプラスチックなので耐久性の問題があるとのことです。ウォンドにかなり力がかかるテクニックを使う場合は要注意でしょう。あとウォンドスピンをするには少し重いかなと個人的には感じます。
※今回このブログを書くために触っていたら片方の先がマグネットになっている事に気がつきました!カタログ見ると確かに書いてありました!
話が少しそれますが、このような真鍮製の3本線のカップを使う有名なマジシャンと言えばポールガートナー氏です。氏の鉄球を使った「カップ&スチールボール」は名作です。氏のDVD「スチール&シルバー」は個人的には強烈にお勧めのDVDで特に2巻は名作ぞろいです。最近ではアット・ザ・テーブルのDVDも出てますのでかなりお値打ちで氏の名作が学べます。
ちなみに、氏のカップ&ボールは、最後大きな鉄球が出てくるのですが、初めのころは数字の1の形をした置物を出していたようです。それをみたダイ・バーノン氏がチープなので変えた方が良いとのコメントをしたことから今の手順になったそうです。これは、いろんなところで書かれてますし、氏のレクチャーでも聞いたので有名な話だと思います。
話がそれましたが、氏が使っているカップがジョンソンカップに似てますよね(上記のブログにも映っています)。しかし違うようです。数年前に日本にレクチャーに来られた際に聞いてみたところ違うとのことでした。もう少し大きいかもしれません。写真を撮らせて頂きました。確かにマウスを上にした状態の写真をみると違うことが分かります。ただ私のように時々聞いてくる人はいるそうです(笑)。どこで誰が作ったカップなのかまで聞きませんでしたが、聞けばよかったです…ただ、ウォンドは写真で見る限りジョンソン製のように見えます。
とても気さくで練習熱心で前向きで…私の好きなマジシャンの一人です。
さらに話がそれまして、先ほどリンクを張らせて頂いたフレンチさんのJPカップのページですが、気になることが書かれています「ジョンソン社のカップはダイ・ヴァーノンが愛用していたことでも知られ、」です。ヴァーノン氏が愛用していたカップは銀の彫刻が施されたものが有名ですよね。私も数種類の映像しか見たことありませんが、銀のカップを使っているものばかりです。そしてシャーウッドカップはヴァーノンエステートということで息子の名前の証明書を出していることをシャーウッドカップの紹介の時に書きました。ではフレンチさんが書いているヴァーノン氏が愛用したジョンソン製のカップってどれなんだろう?と思いました。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらコメント頂けると幸いです。
ちなみにDai Vernon氏がCups and Ballsに使ったCupについては、以下のようなページがあります。
チョップカップも撮影しました。右がチョップカップです。区別はつきません。しかし重さを測ったところ10gほど重かったです。
昨年はマジシャンにとって色々とあった(なかった?)年だったわけですが、給付金の中から幾ばくかのお金をとあるマジシャンに払い、色々なものを譲ってもらいました。その品々(福袋ならぬ福箱です)の中にJohnson Productsのカップがありました。
愛用していたせいかかなりの味わいがある品でした。私のようなカップ&ボールが下手な人間が持っていて良いかと思っております。
ところで良さそうなボールをお使いですね。革製ですか。やはり使い勝手が良いのでしょうか。
ジョンソン製のカップを手にされたとの事、いい買い物をされたと思います!(他にもいいものありましたでしょうか?)いいカップだと思いますので是非大切に、ご自身のルティーンをまたブログで紹介頂けるのを楽しみにしております。
ボールコメントありがとうございます。はい、Mike Rogers氏が作成した革製のボールです。アマー氏がビデオで使っているものです。適度な重さがあり、ニットより手に馴染みます。ジョンソンカップの場合は少し小さめの約2cmのボールが適切なのでなかなか無いかもしれません。
ジョンソン用カップのニットボールがフレンチさんで販売されてましたが、残念ながら売り切れですね。またいいボールがあれば紹介させて頂きます。今後ともよろしくお願いします。