私が持っているカクテルシェーカータイプのカップの最後としてJoe Porper氏とPete Biro氏の「Cocktail Surprise」を紹介します。残念ながらもうこのお2人は亡くなっておりますが、このペアで素晴らしい、いくつかの商品をリリースしています。私のブログでは例えばPete Biro氏は以前紹介した「The Johnny Paul Cups」を設計した方です。多くの書籍や商品をリリースしているのでご存知な方も多いと思います。カップ&ボールのマジックカフェにはいつものように登場し、いろいろ情報を提供してくれていますので、彼が亡くなったのは4年ほど前ですが、まだそんな気がしません。
Joe Porper氏は以前「Dai Vernon Magic Wand」で紹介したようにビリヤードキューの制作者としても有名な方で、マジックでもいろいろなものを作っている(私が持っているのは「Vernon Card Clip」や「Just A Key」あたり)匠的な職人さん(イメージ)です。昨年コロナでなくなりました。
https://www.facebook.com/JoePorperMagic/
(リンクが貼れなかったのでURLを示します)
facebookの上にある写真は氏のカップで、当時入手したかったのですが、高くてちょっと手が出ませんでした…木のケースにケースに入っていて真鍮製や木製が確か発売されていたと思います(ステンレスもあったような…?)。
話がそれましたが、今回はこのお2人の作品で、カクテルシェーカータイプのカップ「Cocktail Surprise」の紹介です。これまでのシェーカー型カップ2つはチョップカップなのでチョップカップのカテゴリに入れていたのですが、今回の「Cocktail Surprise」はチョップカップではないので、「カップアンドボール」のカテゴリに入れました。Presti Cupと同じカテゴリということです。2007年にリリースされているのですが、チョップカップを使わず、チョップカップと同じようなことをこのように実現しようとしたのは彼らが初めてなのでしょうか?もしご存知の方がいらっしゃいましたらコメント頂けると幸いです。
この商品がマジックカフェでディスカッションされていますがとても興味深いです。
The Magic Cafe Forums - Cocktail Surprise by Pete Biro and Joe Porper
この中でPete Biro氏は以下のように述べてます。
「BTW... try to place a ball on the table and cover it with a CHOP CUP and have the ball vanish! The REASON we came up with this was due to what we feel are shortcomings with a CHOP CUP.」
彼らがこのやり方を思いついたような書き方ですよね…
さて、この議論の中では大きく2つのことが話し合われています。1つはウォンドを持ちながらカップを持つのは不自然だ!という意見です。ウォンドは脇に挟んで保持されるものであり、カップを持ち上げる手で持つのは不自然という事(らしい)です。これに対してPete Biro氏は実際に自分はこのマジックを観客に実演しているし、ポールウィルソンもやっている(が、違和感あるなんて言われたことない)。と返していています。Presti Cupを好んで演じている私としては、ウォンドを持った手で持ち上げても不自然でない気がします。ただ、Presti CupのウォンドやCraig Petty氏のChopのペンは長さが短いので鉛筆持ちをしたときに邪魔になりません。見た目も不自然ではないと思います。一方、「Cocktail Surprise」のウォンドはJoe Porper氏の本格ウォンドなので、同じように持つのはちょっと違和感があるのでしょう。解説書では、鉛筆持ちではなく、普通に持った状態でカップの横をつかむのではなく、上の方をつかむような写真となっています。ちなみにこのような持ち方をして使うため、ウォンドのギミックの位置が真ん中ではなく3分の1くらいのところにあります。結構存在感のあるウォンドなので、ウォンドではなく、可能なら高級そうなマドラーで作った方が良かったのかもしれませんね。個人的にはこのウォンドはさすが、Joe Porper氏、非常に良い出来だと思います。通常のカップ&ボールで使いたくなるウォンドです。
2つ目のは、「高すぎる」という議論です。確かに700ドルはちょっと高すぎでしょう…という気もします。銀で作られたカップとかならわかりますがステンレス製ですからね。何人かから高いと言われて、とうとう最後にはPete Biro氏は「高いと思うなら買うなよ!」と書いてます(笑)。まあそういいたくなるのもわかる気がします(笑)。Pete Biro氏はさらに「紙コップでも観客から十分なリアクションは取れるが、私はエキゾチックな小道具を使うのが好きだ。」と書いています。ちょっと話がそれすのですが、はじめ「dixie cups 」ってなんだろう?と思いました。使い捨て紙コップのことを言うのですね。一般的には紙コップの訳はpaper cupで良いと思うのですが、「dixie cup 」と普通に表現する人がいるんですね。…知りませんでした…そしてその歴史が下記のサイトにありました。まだまだ知らないことばかりだなぁと感じます…
液体を出す方法としては、ほとんどテンヨーのスーパーシェイカーとほぼ同じです。ですので、ストレーナー(Strainer)(上の方のパーツ)をカップとして、ボディ(Body)と2カップ的に演じるのは難しいです。スポンジボールの上にストレーナーは置けるので、解説書では、手順の途中でスポンジボールの演技行うことなどが紹介されています。最後はショットグラスをロードして、最後に出現させ、それに出現した液体を注ぐという感じですね。
もちろん今では本商品を販売しているおみせはありませんが、過去のマジック商品をまとめてくれているサイトに、このカップがありましたので示します。
Cocktail Surprise by Joe Porper, Pete Biro
この写真と、解説書の写真を見て、ウォンドの色ってそろえてないんだなぁと思いました。私が入手した色は個人的には落ち着いていてとてもいいと思いました。また、ショットグラスもバラバラです(笑)。私のショットグラスはプラ製でした。まあ気に入らなかったら好みのショットグラスに変えても全然問題ないと思います。ケースは木を彫って作られているので、重いです…。下側はカップやショットグラス、ウォンドを入れるための多くの場所が削られて(彫られて?)いますが、上側はそうではないため、上側がお非常に重たく、バランス合ってるのかな?と思ったりします。Joe Porper氏の通常のカップもこのタイプです。通常のカップ&ボールセットのケースにはトランプのマークも彫られてるのですが、こちらのケースには「COCKTAIL SUURPRI」と彫られており(焼き印?)シンプルなケースとなっています。
本商品のオプションとして、ウォンドではなく、高級マドラー(木製でもいいと思います)があっても良いかなと思いました。そうすると少し違和感がなくなるかもしれません。さらに、何も持ちたくない人は、Axel Hecklau氏のJUST A CUPや五太子さんの手順のようにすると、ウォンドなどを何も持たなくてもチョップカップのようなことが出来ることも既に発表されているので、アイディア的にはそのあたりを使うのも良いかと思いました。
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