カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Strolling Chop Cup by MICHAEL O'BRIEN

2023-08-20 13:48:00 | チョップカップ(chop cup)

 以前「Coffee Break」を紹介したときに、Urbain氏が影響を受けて手順を作ったと紹介しました、MICHAEL O'BRIEN氏の「Strolling Chop Cup」の紹介です。氏が何年にこの手順を発表したのか正確にはわからないのですが、Leather Chop Cup Set + Tutorialの商品を売り出したのは、マジックカフェなどで宣伝してましたので2022年ではないかと思われます。まずは、パフォーマンス映像を紹介します。このパフォーマンスは2000年にアップされたものです。


 これは、背景からしてペンギンマジックの「Michael O'Brien LIVE ACT (Penguin LIVE)」からの実演映像ではないかと思われます。

Michael O

"Michael O

Penguin Magic

 

私はこのコンテンツを購入していませんが「Strolling Chop Cup」がちゃんと入っています。かなり良い評価で16人のカスタマーが全て5つ星を付けています。上記演技を見て頂けるとわかりますが、非常にシンプルで、観客を参加させている良い手順だと思います。3つのフェーズで、ポケットからマジシャンの手に移動、ポケットから観客の手に移動、観客が放り込むとマジシャンの手の上で大きくなって出現、という感じですね。

ところで「Strolling」の意味から歩きながらマジックをするのに適した手順という意味でこのタイトルが付いているとは思ったものの、お恥ずかしながら私は「Strolling Magic」という言葉はあまり聞いたことがありませんでした。ひろしつちや氏のページで解説されていたので、紹介させて頂きます。

ストローリング・マジックとは - Strolling Magic | ひろしつちや@まじしゃん | 出張マジックショー東京

マジシャンの私も最近知ったのだけどマジックの分類にストローリング・マジック(Strolling Magic)と言うのがあります。

ひろしつちや

 

確かに、この手順ですと、立食パーティーなど、完全に机が無い場所でも演技できますので、知っていると重宝すると思います。また、観客が持ったカップに玉が貫通して入るのは観客参加型なのでスポンジボールのようにとってもインパクトもあると思います。実演映像でのMichael O'Brien氏の演技もゆっくり、観客がちゃんと現象について来れるよう行っており、さすがだと思いました。私が行っているPresti Cupの手順でも観客の手に飛び込む現象を入れているのですが、チョップカップを使う方が完全にカップから手を話した状態からできるので、自然だとは思います。ただ、私はPresti Cupの貫通が見える現象が好きで…。この現象を初めて見たとき、観客の手の下から入れて、観客は通ったように感じるのだろうか?と思いました。上から落ちてくるのに下から貫通でおかしくないのだろうか?と。しかしいろいろな観客の反応の映像をみていると、とても反応がよいので、私は考え過ぎのようですね)。いつかやってみようと思っています。

 以前、Twitterに出ていた王子さんのチョップカップのワンシーンで、この観客の手の上でボールが貫通する現象を演じられてました。かなりの盛り上がりを見せています。これは、技術だけではなく、王子さんがそれまで十分「場」を作っていたためだと考えられますが、適切に使うとかなり効果的であることの証明でもあると思います。

私は、この観客にチョップカップを持たせ下から貫通させるという現象が、Michael O'Brien氏が初めてなのかは知りません。恐らく誰かはやっていた可能性があると思いますし、マジックカフェでもそんな感じのことは書かれていました。しかし、私の乏しい知識では具体的に一番初めにこの現象を行ったのは誰かをお伝えすることができません(T_T)。もしご存知の方がいらっしゃましたらご教示頂けると幸いです。

 でも、チョップカップでは、テーブルに置いた衝撃でリリースするのが一般的ですし、グラスを使ったり、様々な現象と派手なエンディングをしようとすると、やはりテーブルを使う必要が出てきます。L&Lのチョップカップを集めたDVDでも観客の手の上で貫通させる演技はありません。そういう意味で、もし氏が初めてではなかったとしてもこの手順を大々的に世に示したのは高い価値があると思います。

 「Strolling Chop Cup」の手順ですが、恐らく上記実演映像をご覧になったらチョップカップをされる方にとっては予測は着くと思います。とはいえ、解説を知りたい方は、上記ペンギンLIVEのコンテンツを購入されるのもいいですが、本当にこれだけ知りたいという方には、2つ専門のコンテンツが販売されています。

1つ目はTHEORY11で販売されている解説動画です。約5ドルで購入できます。ダウンロードなのですぐ見れますし、結構お安いと思います。

{{ metatags.title }}

{{ metatags.description }}

theory11

 

次にMICHAEL O'BRIEN氏が販売している解説動画です。こっちは18ドルと3倍以上するのですが、詳細な解説や、具体的なスクリプトやヒントが書かれたpdfなど、下記のカップセットに付いてくるルティーン解説関係がセットとなっています。

Strolling Chop Cup (Routine Only) | Deuce Gala

Smile inducing surprises become explosive reactions with this simple, elegant, and nearly sleight-less routine. In this 3 phase in-the-hands historic cup and ba...

Deuce Gala

 

最後に、MICHAEL O'BRIEN氏が販売しているセットの紹介です。「Strolling Chop Cup by Michael O'Brien & Deuce Gala」として、チョップカップ、小ボール2つ、大ボール1つ、解説動画、スクリプトやヒントなどが書かれたpdffacebookへのグループ参加など、いろいろセットで約100ドルで販売しています。商品(手順だけかな?)推薦者として Jeff McBride氏やMichael Kaminskas氏の言葉があるのが凄いですね(;^ω^)

Strolling Chop Cup by Michael O'Brien & Deuce Gala

Smile inducing surprises become explosive reactions with this simple, elegant, and nearly sleight-less routine. In this 3 phase in-the-hands historic cup and ...

Michael O'Brien

 

商品解説ビデオです(少し長いです(笑))


Strolling Chop Cup」の手順はチョップカップを選びませんので、金属製のカップを使っても、ミニカップを使ってもよいと思います。とはいえ、どんなカップなのか?付いてくる解説は詳しいのか?あたりを知りたく購入しました。

 まず、カップですが、厚みのある焦げ茶色の革に内部は緑色のフェルトが貼ってあり、手作り感のあるしっかりとしたカップです。表面はツルツルというよりサラサラ(ザラザラとまではいかない)触感です。以前紹介したMiguel Pizarro氏のミニカップよりほんの少し高い程度ですが口径はこちらのカップの方が大きいです。TCCと比べると背はだいぶ低いですが口径はほぼ同じという感じですね。トップは平らですが、ほんの少し窪んでいるのでボールを乗せても勝手に落ちることはありません。ただ、TCCMiguel Pizarro氏のカップのように淵があるわけではないのでそれらに比べると落ちやすいとは思います。

 ボールは白色の革に赤い糸のベースボールタイプです。小はちゃんと測っていませんが少し小さめで5/8インチくらいだと思います。糸の部分が大きくお手製感があります。ゴムボールなどが入っていないのかちょっと軽いですね。大ボールはTCCの大ボールとほぼ同じ大きさでカップの口径に対しては少し小さいです。もう一回り大きいボールが入ると思います。磁力は私の感覚的にはちょっと強めで、もし自分が使うなら底に同じ色のフェルトをもう1枚貼ると思います。ボールは外からは反応はしますが、弱いのでキープするのは難しいです。このあたりはそもそもStrolling Chop Cupの手順では使いませんので、必要ないという事なのかもしれません。

 あと、カップを入れる袋(ロゴ入り)とボールを入れる少し小さめの袋が付いてきます。デジタルコンテンツですが、解説は2種類あり、かなり詳しく解説してくれています。pdfには、パターやコツ、別手順が書かれています。ダイスのチョップカップルティーンに関してはビデオでの演技と解説も付いています。

 あくまで個人的な意見ですが、手順の価値も含め、この全ての内容で100ドルというのは、良心的な値段だと思います。カップを持っていない人でこのカップの色や形が気に入った方にはお勧めです。しかし、送料も含めると円安なので2万円くらいかかってしまいますし、もしお気に入りのチョップカップをお持ちでしたら18ドルの詳細解説か5ドルの簡単解説のダウンロードだけでも良いかもしれません。