ここは、名古屋市科学館。
まるで宙に浮いているような球体が目を惹く。
世界最大のプラネタリウムが、超人気とのこと。
昨年のその日は、開館前から長蛇の列だったと知り覚悟をしていたが。。。
開館直後に訪れると、拍子抜けするくらいすんなり入館できた。
でも、まずはプラネタリウムの席を押さえるべく受付へ直行する。
午後2時からの観覧席が取れたので、その前後は2階から6階までをくまなく回ることに。
すでに何組もの幼稚園児や小学生の団体で賑わっていた。
それを上回る数の大人たちだって、はしゃぎ気味なのが見て取れる。
楽し気なムードにのまれ、我らのテンションも急上昇だ。
凹凸の鏡前で伸びたり縮んだり。
「ほんまに縮んでる?実際と変わらなかったりして・・・」
「う~ん、なんとも・・・」
「こんなスリムになってみたい~」
「いや、これはチョット痩せすぎじゃない」
「面白い格好してぇ」
「こんなんで、どぉ」
裏に回って・・・
「不出来やね~でも、何となく分かるかな」
自力で歩きドラムを回すと水が上部に運ばれ、オレンジ色の容器に溜まる。
満水にすると容器が傾いて排水される仕組み。
「ハムスターになった気分やわ」
「ほら、もう少しや~ガンバレ~」
「あぁ、しんどぉ。筋肉痛になるぅ~!」
昔飼っていたハムスターは、軽々と走っていたが、こっちは重くて結構な力を要する。
滑車の数や配置によって、引き上げる力が格段に違う。
12kgの物体だってス~イスイ。
手腕のみならず、全身を使って挑戦する。
頭も働かせながら、集中力を試したり、緊張感を味わったりと、飽くことがない。
プラネタリウム観覧が食後っていうのもねぇ。
それに、リクライニングシートだし、暗くなるし。
色々思うに、心配は尽きない。
案の定、投影開始前からリラックスし、昼寝モードに移行しかける。
いよいよ始まると。。。
男性学芸員のライブ解説が追い打ちをかけた。
柔らかで落ち着いた声は、ほどよい睡眠導入剤となる。
ウトウトっとしては、どなたかのイビキで我に返るを繰り返していたようだ。
でも、一通り話は繋がっているようだし、それほど居眠ってはいなかったのかも。
日常で、満天の星を見ることは叶わない。
夜空を埋め尽くすほどの星が瞬いていたなんて、かなりの驚きだった。
生命や地球、化学の不思議に夢中になりすぎて、閉館を告げられるまでちっとも気付かなかった。
最後まで回り切れず、後ろ髪を引かれつつコインロッカーへ戻り、慌てて帰り支度をするはめに。
ロッカーのガラス扉に元素記号が記されている。
中学生の授業で覚え方を習ったよね。
水平リーベ僕の船・・・
夢いっぱいの時は早々と過ぎ、宿へ向かった。
~つづく~