信貴山朝護孫子寺の旧参道に面した、てぬき庵の前にたつ。
金曜から日曜・祝日が通常営業で、火曜から木曜は予約のみ。
この営業日から、界隈の人出が想像できる。
昼時とは言え、シーズンオフの平日は、ひっそり閑の細い坂道に人影はなかった。
築大正12年の古民家。
畳に絨毯とテーブルの和洋折衷、優雅と安穏の融合。
気さくなご夫婦に迎えられた。
ファンヒーターや石油ストーブを席に近づけ、せっせと暖をとってくれる。
寒風に冷やされた足元に、じんわりと熱気が絡む。
食事待ちの温かい玄米茶とともに、嬉しいもてなしだ。
要予約の和風ちまきは、昆布と鰹だしでふんわりと仕上がっている。
豆腐の田楽、柿なます、かぼちゃのいとこ煮、かき玉汁が、彩りよろしく並ぶ。
穏やかな優しい味に、作り手の人柄まで透けてみえる。
なごり紅葉の山並み借景。
ガラス戸の木枠に縁取られた自然は、晩秋の襖絵。
上空の雲脚は速く、明暗がことごとく入れ替わる。
その度に、山が動く。
歩み寄ったり遠のいたり。
自然に五感を遊ばせると、おもしろい発見があるものだ。
桜花がこぼれ、新緑の山が笑う。
紅葉に染まり、雪化粧は墨絵を思わせる。
四季を切り取った写真がメニューブックにあった。
店名の由来を尋ねると。。。
お二人共が、手抜き大好きなんだって。
でも、料理は決して手抜きではありませぬ。
そのまんまかぁ~何かが隠されているのかなぁとは考えすぎだった。
自然の中で暮らしたい願望が叶い、10年前にこの地へ。
そして開店。
築90年だから、何かしようかと。。。
考えていらっしゃるようだ。
コーヒーのお供に、お菓子がひとつ。
おしるこクッキーだ。
可笑しいくらい、雰囲気にピッタリ~♪