青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

一月・二月・三月の自句(2017)

2017-03-16 07:18:44 | 日記
一月・二月は六句中三句、三月は二句の採用でした。

【一月】
自転車をこぎ来る力士秋祭

制服の膝に弁当四十雀

沈黙の安けき仲の夜長かな

【二月】
ゴム長に光る鱗や寒灯

冬ざれや緻密な線の銅版画

湖の向こうに富士や夕焚火

【三月】
掻巻や夫婦に別の昔あり

クリスマス夫と並びて廚ごと

一月の力士の句と二月の湖の句は、見てすぐに出来た写生句です。
こういうスルッと出来た句は採用して貰える率が高いです。作為の跡が目立たないからでしょうか。

二月の銅版画の句は、山尾悠子の『ラピスラズリ』を読んで出来た句です。
去年読んだ本の中では、五本の指に入るくらい面白かった。幻想小説なのに、風景や事物の描写がリアルなのですよ。読書感想文的な句って、他人の褌で相撲を取っているみたいで気が引けますけど、スルッと出来たので投句してみました。

三月の夫婦の句は、二句とも夫といて何となく思い浮かんだものです。
掻巻の句は、ふと「そういや、この人のこと碌に知らないなぁ」と思った時に出来た句です。だから何だという訳でもないのですが。クリスマスの句は、そのままです。
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