青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

萬鉄五郎×岸田劉生

2016-06-13 07:16:13 | 日記

先週末に平塚市美術館の『萬鉄五郎×岸田劉生 その仲間たち』を観に行きました。
萬と岸田のほかは、鳥海青児、木村荘八、原精一、中川一政、森田勝、河野通勢、椿貞雄の作品が展示されていました。フュウザン会、草土社、春陽会に所属していた画家たちです。展示作品の数は74枚。殆どが油彩ですが、水彩、墨、クレヨン、コンテも少数ありました。

私のお目当ては勿論、岸田劉生の『童女図(麗子立像)』。ポスターにも取り上げられているのですから、美術館側もこの特別展の目玉に位置付けていたのでしょう。
53.3×45.8とそれほど大きな作品ではないのですが、観る者の目を引き付ける妖気が半端じゃなかったです。顔に比べて小さすぎる手とか、肉厚の肩にめり込んだ首とか、何処を見ているのか解らない細い目とか、麗子が放つ人間の子供とは思えない不穏な空気に他の展示作品が霞むほど。実の娘をモデルによくここまでオドロオドロシイ絵が描けたなぁと、同じく娘を持つ身としては不可解にも感じますが、それが天才の感性というものなのでしょう。素人の私が観ても、岸田劉生が仲間内で頭一つ抜けた存在であることがわかりました。

主人は、鳥海青児の『シベリア駅路の雪』がたいそう気に入ったそうで、時間をかけて、色んな角度から眺めていました。26.9×35.0の小さな作品なのですが、凸凹に厚塗りした油彩がシベリアの荒々しい雪模様を迫力たっぷりに表現しています。間近で観るより、3mくらい離れて観た方が雪しまきを感じることが出来ました。

他は、原精一の『少女』が、この年代の女の子にしか許されない憂鬱で拗ねた表情を上手く捉えていて印象的でしたね。

展示作の画像については、転載禁止は勿論のこと、リンクを張って良いのかも解らないので、気になる画家のいる方は平塚市美術館のHPで確認してみて下さい。
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