Road to 50’s ~50歳への道~

ナイスな50歳になるための日記

学んだこと

2008年01月28日 11時05分53秒 | Weblog
先週の勉強会で1つ学んだことがあります。

それは、診断・助言をする際の診断士としてのスタンスとして、社長の立場
従業員の立場など、事例内の登場人物の立場に立って考えることが必要だと
いうことです。

自分は、事例に対する解答を導き出す際のスタンスとして、社長の立場で
考えていたつもりでした。しかし、それは大企業の社長の考え方だったの
かもしれません。また、従業員の立場ならどう思うか、感じるかという
視点が不足していました。

たとえば、平成19年度事例Ⅰの第4問設問Ⅰでは、Xブランドの従業員
が業績が給与に反映されていないと不満を持っているわけです。それに
対して自分は、不満の原因は、取扱ブランドにバラつきがあるため、各店
の業績を公平に評価する仕組みがないからだと考えました。そして、その
解決策を第5問で各店でXとYブランドを取り扱うことを提案すれば
評価基準の設定と店別業績評価が可能となり、不満も解消できると考えま
した。

しかし、店別業績評価をして誰が喜ぶのでしょうか。店別に評価すること
になれば、従業員の気持ちを考えると、店舗内の結束は固まるかもしれませ
んが、自分達の利益を優先するようになりますから、他の店舗へ商品を融通
してあげるなどといった、店舗間連携などはより困難になるでしょう。

そもそも、店舗別業績評価によってモチベーションがあがる従業員っているか
というと、成績がよい店舗は上がるんでしょうが、悪い店舗ではあがりません。
そして、その評価の基準については、他にも各店のファンダメンタルズがある
わけで、X,Yを扱うことができるだけでは公平性が足りません。そんな状態
で店別評価制度を入れたら、会社内がギスギスしてしまいます。

仮にそういう制度を入れたら何が期待できるかと言えば、総額人件費の削減で
す。人を大事にする社長が、現状、業界水準的には従業員から満足を得ている
のに、組織がギスギスするような制度を導入するでしょうか。

結果として、第5問でX,Yブランドを導入するという答えを書くとしてもそれ
は店別業績評価を導入するためではなく、業界経験や社歴の長さから販売スキル
が高いXブランドの従業員を現状、Yのみの店舗へ配置することが可能になり、
Yブランドの若く経験の浅い従業員に対する指導的立場に就かせることができ
るからといったアプローチで考えるべきだと思います。

そう考えると、第4問の設問①に対する解答については、当初「好景気でXが
売れていることを、自分達の実力で売れていると勘違いしているから不満を
持っている」というような書き方をしましたが、本当は「販売単価が高く、
販売難易度が高いXブランドを長い業界経験に裏打ちされた販売スキルの高さ
で売ってきた結果の業績であるにもかかわらずそれが給与に反映されていない
から」というような書き方をしたほうがよいのだと考えました。

本番では、第4問の設問1に対しては、直感的にそのような書き方をしていたの
ですが、第5問への対応を個別最適で考え、結果として「成果実績主義賃金制度
を導入するが、定量評価だけでは不満が残るので、BSCを導入する」といった
解答を書いてしまいました。加えて、最近、あれこれ考えている間に、思考が
「社長に教えてあげる」的な立場に変わってしまっていたようです。

また、「試験を解きにいく」という姿勢にもなっていたようです。
あくまでも、事例問題は仮想診断・助言であり、その会社の有様をしっかりと
様々な立場の方々とシンクロした上で、その企業がなぜ、外的環境へ対応しに
くくなっているのかという点にも留意しなければいけないなと思いました。
今後は、その辺を気をつけていかないといけないなと思いました。






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2 コメント

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おせっかいですが。。。 (熱血感動型)
2008-01-28 14:31:26
こんにちは。
ご自身の解答を深く洞察されていると思います。

ちょっと気になったので少し書いてもいいですか?
(と聞きつつ、書いちゃうんですが^^)

なぜ、その解答をご自身が書いたか、自問してみましょうか。

なぜ、その解答を自分が書いたのか?
→社長・従業員の立場に立っていなかったから

では、なぜ、社長・従業員の立場に立って解答できなかったのでしょう?
例えば、「焦っていた」「与件を勝手に解釈した」など出てくるのでは?

では、なぜ「焦っていた」?
なぜ、「与件を勝手に解釈した」?

といった感じで自問していくと、根本的な原因が見えてきたりすることもあるかな、と。

すいません、お節介で(^^


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ありがとうございます (madmax)
2008-01-28 16:07:52
お忙しい中、たびたびのコメント痛み入ります。
おっしゃるとおりですね。
さらなるブレイクダウンが足りていないですね。

・なぜ、社長や従業員の立場に立っていなかったのか?
 ⇒与件文からの解釈を一面的に考えただけで答えを
  書こうとしたから。与件文を読んで「こうに違い
  ない」と考えた瞬間に「本当にそうか?」と考え
  なかった。

・なぜ、一面的に考えただけで答えを書こうとした?
  ①そもそも、多面的かつスパイラルで考えるスキ
   ルが欠落していた。    
    ⇒多面的に考える訓練をつんでいなかった。
  
  ②書くスキルが十分でなく、書くための時間を
   確保しようとして考察する時間が確保できな
   かった。
    ⇒短時間でわかりやすく書く訓練を積んで
     いなかった。

  ③中小企業診断士に求められている考え方の
   方向性をしっかり把握できていなかった。
    ⇒過去問題への取組不足によって、
     事例種別毎に求められている考え方
     の方向性が十分把握できていなかった。

ということで、上記①、②、③の不足に起因して
いると考えています。現在、勉強会にて多面的考察
スキル、AASにて自分の考えを整理し、わかりや
すく書くスキル、勉強会・AAS両方で過去問に取
り組み考え方の方向性の把握を鍛錬中です。

今後とも、よろしくお願いします。
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