暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

連作ショート「野良――ノラ――」2

2005年09月16日 08時28分50秒 | 小説系
その2【出発~たびだち~】  朝陽(あさひ)は分厚いカーテンを通過できず、部屋の中は暗かった。  自由の第一日目は、いつもの自分の部屋から始まった。  薄闇のなか、私は目覚める。  家出の準備は昨日のうちに済ませておいたから、適当に朝食でも摂って、出発すればいい。  隣りの部屋でいびきをかいている弟を起こさぬよう、静かに部屋を出る。  母の部屋の前を通るときも、やはりいびきが聞こえた。親子そろっ . . . 本文を読む

嘘日記 9月15日

2005年09月15日 18時29分27秒 | 日記系
 ついにこの日がやってきてしまった……。  今日で地球は滅び去る。  それは絶対的な運命で、必然で。  伝説の勇者とか聖なる魔法使いとか天使とか神様とか、そーゆー都合のいいもんは現れない。  世界はただ静寂の中で崩壊を待つ。終幕を迎えることを受け入れる。  世界は終わる。  世界は消える。  世界は無に帰す。  世界は滅びる。  世界は――死ぬ。  それは絶対であり、なんぴとにも逆らえない。  世 . . . 本文を読む

連作ショートショート「野良――ノラ――」

2005年09月15日 13時05分10秒 | 小説系
その1【ケジメ】 「俺は……病んでいる」 「勝手に言ってろ」  ――誰も私を認めない。 「お前も見ただろ、心理テストの結果」 「あんなもんアテになるか」  ――誰も私を信じない。 「採用試験で使われるものだぞ」 「それでも自分の意志でヤバイ答え選べるじゃないか」  ――誰もが私の心を偽りとする。 「そんなことしてないさ」 「信じられない」  ――誰もが本物の私を見ようとしない。 「ま、そう思うな . . . 本文を読む

嘘日記 9月14日

2005年09月14日 16時05分23秒 | 日記系
 今日は高橋愛さんの誕生日である。  私より一足先に19歳になったとさ。  いやいや、おめでとうございます。  うわ……見てはいけないものを見てしまった。  今。授業中なのに、隣りのトトロくんがヤフーニュースを見ていた。  いけない子だ。  それをちらっと覗いてみたのだが、家なき子のすずちゃんが婚姻届を提出したというニュースがあった。  私もよく使うあの名言「同情するなら金をくれ」が思い出される . . . 本文を読む

嘘日記 9月13日

2005年09月13日 18時31分44秒 | 日記系
 8月9日放送の細木数子さんの番組に出ていた7番の女の子が小説の主人公になるかもしれない。  まぁ、作者は私だが。  きっと誰のことを言っているのか誰にも分からないだろう。  だって彼女はまだデビュー前なのだから。  今月が終わりかけるころにそのコの誕生日が訪れるので、それまでには書きたい。  今月誕生日といえば、悲しきかな、私ももうすぐ19である。  あと二日。15日にジュークになってしまう。 . . . 本文を読む

ショートショート「上る階段」

2005年09月13日 12時39分05秒 | 小説系
 ぼくは階段を上っていた。  終わりの見えない長い階段を、ただひたすらに上っていた。  もういつから上っているのかもわからない。それくらい長い間、ぼくは上りつづけていた。  階段は、金属の板と棒を組み合わせただけの、簡単なものだった。よく建物の外部に取り付けてある、非常階段のようなものだ。螺旋階段。  あの頼りない階段が、延々とつづいている。茶色に塗装されたそれは、しかし意外にもきれいで、どこもは . . . 本文を読む

ショートショート「暴走自転車」

2005年09月12日 16時15分43秒 | 小説系
 僕は自転車をこいでいた。  夜の闇を切り裂くように――なんてもんじゃなく、ただ、のらりくらりと、こいでいた。  僕はいったいなんなんだ。なにものなんだ。本当の自分ってなんだ。  自転車をこいでいると、血のめぐりがよくなるせいか、頭がよくまわる。難しいことを考えたりできる。  しかし、僕という人間はけっこう悩み多き少年で、いつも暗いことを考えたりする。とくに、「自分」という存在について考えたりする . . . 本文を読む

嘘日記 9月12日

2005年09月12日 13時04分15秒 | 日記系
 まずは報告。  左にあるブックマーク(リンク)に「へんてこ小説の集い」を追加した。  ここに掲載した小説は随時移行していこうと思う。  また、こちらでは未掲載の作品もある。  日日日ネタをひとつ。  ライトノベル作家に日昌晶(ひよしあきら)という人がいる。  それだけである。  昨晩、ショートショートを書いてみたのだが、意味不明な作品になってしまった。  私の病みっぷりが顕現されているので、 . . . 本文を読む

ショートショート「雨と傘と」

2005年09月09日 17時22分54秒 | 小説系
 雨が降っていた。  僕は傘がなくて雨宿り、というありがちな状況に立っていた。  空はおやつの時間だというのに、厚い雲に覆われていて暗かった。街は灰色に染まり、陰鬱な雰囲気を漂わせていた。  それはどこにでもある、よくある風景だった。  日本には四季があって、雨が適度に降る。だから、雨が降るのは日常的なんだ。ぜんぜん、特別なことじゃないんだ。  僕はバス停にいた。  時刻表の向かいにベンチがあって . . . 本文を読む

ショートショート「闇の中の天使」

2005年09月08日 18時02分42秒 | 小説系
 私は暗闇の中にいた。  気がついたら辺りは真っ暗で、何も見えなかった。  後頭部や背中、腰などの感触から、自分があおむけになっていることが分かった。やわらかいので布団の上だろう。  私は眠っていたのだろうか。しかし、眠っていたという意識がない。いつ眠ったのかも覚えていない。  …………。  私はとりあえず、自分のことを思いつく限り挙げてみた。  水守有志。三十四歳、独身。A型。一九七一年九月七日 . . . 本文を読む

嘘日記 9月8日

2005年09月08日 13時15分13秒 | 日記系
 今、村上春樹氏の『カンガルー日和』(文庫版)を読んでいる。  村上氏の作品は、不思議である。  内容はとんでもなく日常的なのに、なぜか読んでいて気持ちがいい。  読後感のよい作品である。  そこで私もそういう作品を書いてみたいと思って、昨日、書いてみた。  が、ぜんぜん、いいものにはならなかった。  後ほど掲載してみるが、ホントに全然大したことない。  しかし、ショートショートは分量的に書きやす . . . 本文を読む

嘘日記 9月7日

2005年09月07日 18時12分04秒 | 日記系
 先週の土曜日。  日日日の『ちーちゃんは悠久の向こう』を読了した。  この本を貸して下さったあきらさん曰く、「おまえに似てるやつが主人公」だそうである。  何が似てるのかと訊(き)くと、「ビンボーなところが」だってさ。  読んでみるとなるほど彼はビンボーだった。しかしいささか私とは事情が違う。  日日日はなんでこんな可哀想な主人公にしたのだろうか。ちょっとやりすぎなんじゃないか。  しかしこの設 . . . 本文を読む

京都でござる2

2005年09月07日 13時07分56秒 | 旅行など
8月26日金曜日 ・メモ  7時に寮を出たので2時間ほどヒマである。京都駅に着いてすぐおみやげを買ったら、8時を過ぎた。  JRのバス停はどこだと探して見つけたけれど、重い荷物をてきとうに放置しておいたので取りに行く。その途中で、ひるがえるスカートを見た。目の前だった。  京都に着いてからというもの、妙に女がらみの事件が多い。  女といえば、さっきかわいい店員さんがいたのでその人について行ったら . . . 本文を読む

嘘日記 9月5日

2005年09月05日 16時52分39秒 | 日記系
 やばいことになった。  週間アクセス数が700近くになった。  やはりあの1日11回更新が効いたのだろう。恐ろしい。  やばいことといえば、明日は台風のために休校である。  なので明日の嘘日記はお休みする。  その代わり、明後日には新しい小説を掲載してみようと思っている。今の時点では。  きっと「ピンポンだっしゅ」というタイトルの短編になるだろう。  ちなみに私はピンポンダッシュなんてやったこと . . . 本文を読む