きみは、何もわかっていない。なんにもわかっていないんだ!
きみは、オレがどれだけきみを想っていたか、わかっていなかったんだね。やはり言葉では、なんにも伝わっていなかったんだね。
ボクがどんな思いできみと会うことを諦めたか、きみは、いまいち理解していなかったんだね。
言っただろう! あと少し、ほんの少しでもきみに恋愛感情を抱いていたなら、ボクはきみに会いに行っていた、と。きみを幸せにするために。自分の全てを慰めるために。
言っただろう! ボクはもうそろそろ限界みたいだ、と。ボクは……ボクはボクはボクは……、会えないきみに、会えなくてもちゃんと愛してくれるきみに、すがりたかった。甘えたかった。そうしないと気が狂いそうだった。
真っ暗な世界の中で、きみだけが道を照らす光だった。ボクが道を外れればそっちじゃないよと道を正してくれた。ボクが愛に飢えてうずくまっていれば私でよければと愛してくれた。
ボクはいろんな人に助けてもらってなんとか生きていたけれど、誰も自らすすんでボクを助けようとはしなかった。ボクが勝手に助けを求めて、勝手に助けてもらった気になっていただけなんだ。
ボクは自分が他人に不幸を与えることを知っていた。ボクが頼れば頼るほど、相手は傷ついた。
ボクはもう誰にも頼らずに生きるつもりだった。これ以上他人を傷つけるのは絶対に許せなかった。悪魔が夢を見ていいはずがないんだよ。
そんなとき、きみが現れた。
ボクは何度か警告あるいは脅迫した。きみの優しさという才能に、ボクははじめから感づいていたから、きみに心を許してしまうわけにはいかなかった。きみを不幸にしたくなかった。
なのに……なのにどうしてきみは、そんなにも素直に純粋に、ボクとかかわりたがったのか。ボクは不思議だった。そして結局、きみに心を許してしまった。
あぁ、わかっている。ボクが悪いんだね。きみを不幸にしてしまう未来が予測できていたにもかかわらず、ボクはきみを受け入れてしまったのだから。
これは言い訳でしかないけれど、だって、だって……、きみはボクを救おうとしてくれたんだもの。あなたを支えたいと、自らすすんでボクを救おうとしてくれたのだもの。
初めてだった。ボクの誘いなく自らボクに近づいてくる人間なんて。
嬉しかった。
ただ嬉しかった。
結局つまり、ボクは自分の欲に負けたんだね。寂しい……誰か助けて。その無言の思いに、きみだけが応えてくれたんだ。
果たして悪魔は夢を見ました。
深い深い、幸せで濃厚な夢を、見ました……。
言い忘れたけれど、やっぱりボクは運がいいんだ。いつもいつも、辛くて死にそうになっているその極限に至るところで、誰かに救われる。
きみと出会ったときも、そうだった。
ボクに憑いている死神は、もう三度もボクを、殺しそこねた。
三度もその大鎌を振りながら、一度としてボクを捕らえられなかった。空振り三振、バッターアウト。ボクの死神はもう死んだ。
つまりボクはもう死ねない。
死ぬことなく、ただ生きることにのみ執着できるようになったんだ。きみはボクにとって「生」だった。きみを想うこと。それがそのまま生きるということだった。だった。
どうも、バッターチェンジになったらしい。新しい死神が、ボクを迎えにきたようだ。
ちぇっ。ボクは別に野球なんて好きじゃないのに。バッターなんて一人でいいじゃないか。
そういうわけにもいかないらしく、死神は果たしてやってきてしまった。
今、ボクは、きみ以外の誰かに支えられている。いや、ただボクがすがっているだけなのだけど。
きみを待つために、生きて待っているために、ボクはその誰かに寄り掛かっている。この痛い痛い世界の中でボクが唯一腰をおろせる場所なんだ。彼女はただ、ボクに居場所を提供してくれる。
本当は一人で、ただ一人この世界に突っ立ってきみを待ちたかったけれど、きみが癒し残した傷はまだ深くて、ボクは立っていられないんだ……。
いつまで、もつのかな。この悪足掻き。
あぁあ、また話がそれている。ボクの話は定まりがなく、まとまりがなくて困るね。
まぁなんにしろ、きみは甘く見過ぎだよ。ボクの壊れ具合も、死にかけ具合も、愛し具合も……。
くそ、くそったれ!!
胸が痛い。痛過ぎる。
きみは何も知らずに悪魔の腕の中に飛び込み、運良く隙をみて逃げたんだね。
あぁ、なるほど。
ようするにきみは、命からがら悪魔から……ボクから逃げたわけだ。
そうか……そうだったのか。
じゃあボクは、きみを黙って逃がしておいたほうがいいんだね。
って、そんな簡単にいくか!
ボクは悪魔だ。
オレは悪魔だ。
きみを、逃がしておくわけないだろお。
逃がさない。
逃がしてなるものか……。
まぁ、簡単だよな。
ただ無視しつづけているだけで、きみを追う悪魔は、死ぬのだから。
殺すなら殺せ。
なにをやってるんだ、そこの死神……!!
きみは、オレがどれだけきみを想っていたか、わかっていなかったんだね。やはり言葉では、なんにも伝わっていなかったんだね。
ボクがどんな思いできみと会うことを諦めたか、きみは、いまいち理解していなかったんだね。
言っただろう! あと少し、ほんの少しでもきみに恋愛感情を抱いていたなら、ボクはきみに会いに行っていた、と。きみを幸せにするために。自分の全てを慰めるために。
言っただろう! ボクはもうそろそろ限界みたいだ、と。ボクは……ボクはボクはボクは……、会えないきみに、会えなくてもちゃんと愛してくれるきみに、すがりたかった。甘えたかった。そうしないと気が狂いそうだった。
真っ暗な世界の中で、きみだけが道を照らす光だった。ボクが道を外れればそっちじゃないよと道を正してくれた。ボクが愛に飢えてうずくまっていれば私でよければと愛してくれた。
ボクはいろんな人に助けてもらってなんとか生きていたけれど、誰も自らすすんでボクを助けようとはしなかった。ボクが勝手に助けを求めて、勝手に助けてもらった気になっていただけなんだ。
ボクは自分が他人に不幸を与えることを知っていた。ボクが頼れば頼るほど、相手は傷ついた。
ボクはもう誰にも頼らずに生きるつもりだった。これ以上他人を傷つけるのは絶対に許せなかった。悪魔が夢を見ていいはずがないんだよ。
そんなとき、きみが現れた。
ボクは何度か警告あるいは脅迫した。きみの優しさという才能に、ボクははじめから感づいていたから、きみに心を許してしまうわけにはいかなかった。きみを不幸にしたくなかった。
なのに……なのにどうしてきみは、そんなにも素直に純粋に、ボクとかかわりたがったのか。ボクは不思議だった。そして結局、きみに心を許してしまった。
あぁ、わかっている。ボクが悪いんだね。きみを不幸にしてしまう未来が予測できていたにもかかわらず、ボクはきみを受け入れてしまったのだから。
これは言い訳でしかないけれど、だって、だって……、きみはボクを救おうとしてくれたんだもの。あなたを支えたいと、自らすすんでボクを救おうとしてくれたのだもの。
初めてだった。ボクの誘いなく自らボクに近づいてくる人間なんて。
嬉しかった。
ただ嬉しかった。
結局つまり、ボクは自分の欲に負けたんだね。寂しい……誰か助けて。その無言の思いに、きみだけが応えてくれたんだ。
果たして悪魔は夢を見ました。
深い深い、幸せで濃厚な夢を、見ました……。
言い忘れたけれど、やっぱりボクは運がいいんだ。いつもいつも、辛くて死にそうになっているその極限に至るところで、誰かに救われる。
きみと出会ったときも、そうだった。
ボクに憑いている死神は、もう三度もボクを、殺しそこねた。
三度もその大鎌を振りながら、一度としてボクを捕らえられなかった。空振り三振、バッターアウト。ボクの死神はもう死んだ。
つまりボクはもう死ねない。
死ぬことなく、ただ生きることにのみ執着できるようになったんだ。きみはボクにとって「生」だった。きみを想うこと。それがそのまま生きるということだった。だった。
どうも、バッターチェンジになったらしい。新しい死神が、ボクを迎えにきたようだ。
ちぇっ。ボクは別に野球なんて好きじゃないのに。バッターなんて一人でいいじゃないか。
そういうわけにもいかないらしく、死神は果たしてやってきてしまった。
今、ボクは、きみ以外の誰かに支えられている。いや、ただボクがすがっているだけなのだけど。
きみを待つために、生きて待っているために、ボクはその誰かに寄り掛かっている。この痛い痛い世界の中でボクが唯一腰をおろせる場所なんだ。彼女はただ、ボクに居場所を提供してくれる。
本当は一人で、ただ一人この世界に突っ立ってきみを待ちたかったけれど、きみが癒し残した傷はまだ深くて、ボクは立っていられないんだ……。
いつまで、もつのかな。この悪足掻き。
あぁあ、また話がそれている。ボクの話は定まりがなく、まとまりがなくて困るね。
まぁなんにしろ、きみは甘く見過ぎだよ。ボクの壊れ具合も、死にかけ具合も、愛し具合も……。
くそ、くそったれ!!
胸が痛い。痛過ぎる。
きみは何も知らずに悪魔の腕の中に飛び込み、運良く隙をみて逃げたんだね。
あぁ、なるほど。
ようするにきみは、命からがら悪魔から……ボクから逃げたわけだ。
そうか……そうだったのか。
じゃあボクは、きみを黙って逃がしておいたほうがいいんだね。
って、そんな簡単にいくか!
ボクは悪魔だ。
オレは悪魔だ。
きみを、逃がしておくわけないだろお。
逃がさない。
逃がしてなるものか……。
まぁ、簡単だよな。
ただ無視しつづけているだけで、きみを追う悪魔は、死ぬのだから。
殺すなら殺せ。
なにをやってるんだ、そこの死神……!!
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