ダイアリー～嘘日記～ ２月１５日

　今、筆者の棚にチョコがある。
　誰かにもらったといえばそうなのだが、もらってないといってもそうなのである。
　まあ、アレだ。寮の学生食堂のメニューにチョコがあっただけなのである。実話である。
　筆者は食べずに棚においてある。
　別に「食べるのがもったいない」なんていう馬鹿げた理由は存在しない。
　食べる気がしなかったから食べなかった、というそのまんまな理由である。
　バレンタインを過ぎてまでチョコの話をすると、「本当は欲しかったんだろ」と思われるかもしれない。
　そこで。
　欲しかったといえばそうなのだが、欲しくなかったといってもそうなのである。
　と返事しておこう。
　筆者は今日、『さみしさの周波数』に収められている『未来予報』と『フィルムの中の少女』を読み返した。
　無論、授業は鼓膜を震わせただけで脳味噌には届かなかった。
　あと２週間程度で学年末試験である。
　その出来いかんでは、筆者は留年し、退学し、この日記も終焉の時を迎えることになる。
　さて、筆者はこんなつまらん日記を書いていていいのだろうか。
『だめだよ……』
　天使の声がそう言う。
『いいんだって！』
　悪魔の声がそう言う。
　さて、筆者はどちらに耳を貸せばよいのだろうか。
　決まっている。悪魔である。
　というわけで、この日記は試験期間中も、細々と続くと考えていてよい。
　ただ、３月を過ぎて４月になってのち……続いているかどうかは、その時になってのお楽しみである。
　とかふざけながらも、筆者は内心焦っているのである。気をつけろ！