え……あぁ、うそ？

　私は人生に於いてあまりモテたという経験がない。
　それはまぁ、私自身が他人を愛さない人格なので、相手にそれを求めるほうが可笑しいのだろうけれど。
　さて。
　今日、文(ふみ)をいただいた。
　女性からである。
　女性といっても私より何年も生きている人生の先輩なのである。
　周知の事実であるが、私はいわゆるロリコン、ロリータコンプレックスであるので、うん。
　女性から文(ふみ)をいただくなんて、相手が駆け出しのアイドルであるか、ファンを大事にするベテランアイドルであるか、まぁ、そんな特殊なケースを除外するなら、殆ど初めてであると言っていい。
　なのに。
　だっていうのに。
　何だろう、何なんだろう、この虚しい感じは。
　なんだコレ。
　新手の詐欺？
　え？　あぁ、うそ？
　嘘ならいいのに。
　困りました現実です。
　内容はべつに恋文ではないので少し救われる。
　しかし。
　手紙か電話でお話ししたいとのこと。
　ぶっちゃけ、無理。
　いま仕事以外のことに労力を割けるほどの余裕はない、という建前があるにはあるが……
　どうした物か。
　他人の好意に対して、厚意を返せないというのは。
　まぁ。
　昔の私なら、好意に対して悪意を返していたかもしれないのだから、まだマシになったほうかもしれない。
　さて。
　断るのは間違いないが、理由はどうしようか。
　昔の私なら嘲笑いながら返却すのだろうけれど、いまの私はそうするわけにもいかない。
　優柔不断。
　好意に対して好意を返せる人間になりたい。
　でもそれはそれで変人か。