ケータイで嘘日記 １０月２日

　あまり正直に書くと目も当てられない内容になるので、淡泊に。
　悪夢にうなされて目覚めたのは午前七時だった。
　悪夢の内容は、書くとホラーになってしまうので書かない。
　今日一日のイベントの用意をしようとベッドから起き上がると元母に家事を押しつけられて用意どころではなくなった。そういえば、元母も弟も（ぼく以外の家族全員）、会社やら学校やらで忙しいのだった。
　そういう予想外の事態に見舞われて（いや、予想してしかるべきではあるが）、ぼくはかなりギリギリの（予定をかなりオーバーした）時間に家を出た。
　ママチャリを約１５分こぐ。
　まず高知駅に行って京都への往復バスチケットを購入。チケット売り場が二つあり、一方では売り切れで、焦った。
　ママチャリを約７０分こぐ。
　次に寮へ行き京都旅行中の外泊届を出す。銀行のキャッシュカードが届いていたので受け取った。
　ママチャリを約１分こぐ。
　待ち合わせ時間まで少し余裕があるのでパソコンでこのブログを見た。
　待ち合わせ時間の少し前に「到着」のメールが相手から届き、落ち合ってとりあえずレポートを提出しに行き、学生食堂へ向かった。
　池に見える窓際のテーブルに陣取り（他に客はいなかったので人間恐怖のぼくは安堵した）、ランチタイム。
　池の鯉が謎の螺旋運動を見せしばらくして静止し、ぷかーっと水面に浮いてきた。
　きっと植物の怪視線で死んだのだ。
　と思ったら鯉、生き返った。謎の行動。これも異常気象の影響か？
　そんな感じにランチタイムが終了し、カラオケ屋に向かった。
　ぼくはママチャリ。相手は原付。（外見上）仲良く並走。
　しかし、バイクを運転する植物って、なんかすごいよな……。
　めんどくさいのでカラオケのことは書かない。
　はい、おしまい。
　…………だめですか？
　別に特別なことなど何もなかった。というかむしろつまらないほどに何もなかった。相手はいつもどおり歌がお上手だったしぼくは相変わらず下手だった。相手はいつもどおりのテンションだったしぼくはいつも以上の異常なテンションだった。
　ちょっと……というか、かなり、引かれたみたい。植物なのにかなり苦笑していた。
　ちょっとやりすぎたかなぁ……と反省している。
　どうもすみませんでした。
　いくら主催したからってアレは酷過ぎたみたい。それともなにか、ぼくは舞い上がりすぎて壊れていたのかもしれない。
　もっと落ち着くべきだった。
　そしてもっとじっくりと植物を観察するべきだった。
　観用植物。
　寛容植物。
　肝要植物。
　どれも言い得て妙である。
　もともとは食虫植物なのだけど。
　……よく考えたら酷いあだ名だよな……。
　ま、いっか。
　カラオケを終えて今なにを一番思い出すかと言えば、やはり食堂での間接キッスだろうなと、しみじみ思う。
　ありがとうございました。