唯記【試食の旅／嗜食の度】

　ブックオフ膏智インター店からの帰り道に、試食のあるスーパーをはしごした。
　まずは隣りのサニーマート。
　しかし期待したほどの釣果はなく、殆ど空振りだった。
　次にイオン横のスーパー(名称未確認)。
　ここは大当りだった。
　カリントウと、玉葱を練り込んだ煎餅、そして死角にあるお茶。
　熱中症予防のための、ミネラルを多く含む、冷えた麦茶だった。
　ちょうど喉が渇いていたので非常に助かった。
　最後にCO-OP［劼佃－カイ］。
　ここはまず入口に林檎２種類があり、店内で隣接するパン屋がラスクの試食を４種類並べていた。
　そして奥のほうでは焼肉の試食が。
　しかも番をするはずの店員が不在。
　自然な風を装って、２皿いただく。
　そして他を見て回ってもう一度肉のところへ……
　ちょうどおばちゃんが番に戻っていくのが見えた。
　大丈夫。
　ボクは初めてそこを訪れたのだから。
　勧められるままに肉を頬張る。
　肉は２枚あって、タレが大根おろしバージョンとニンニクバージョンがあるらしかった。
　舒(おもむろ)に、おろしダレを手に取る。
「やっぱり大根おろしが美味しいわよね」
　と、店員のおばちゃん。
　いやいやいや。
　ボクはニンニクのほうが美味しいと思うよ絶対に。
　だから自分がどうしておろしを手に取ったのかは、全く理解できない。
　人の行動には、案外理由がなかったりするものだ。
　何となくで生きているボクならば、なお当然であろう。
　最期に肉を食べて、満足して店を出た。
　そのようにして、ボクの嗜食／試食の旅／度は終わった。