土曜日はギターの川原喜美子さんと合わせを松井山手の実家でしてから、海老名へ移動しました。
その日は母が出かけたので、父を見なくてはいけませんでした。
朝から行ってオムツを替えて、お昼ごはんを一緒に食べて、食べている間に川原さんを松井山手駅まで迎えに行きました。
お茶を飲んで、ブルクハルトのセレナーデの1楽章と3楽章。
ヴィリー ブルクハルト1900年生まれのスイスの作曲家。
カルク エーレルトの影響を受けています。
1945年作曲。
セレナーデというと、過去は、恋人の窓の下で愛を伝えるために書かれた曲のことで、屋外で立って演奏する楽器を使う、軽めのロマンチックな曲と言うのが定番でした。
しかし、この曲はどうもそのような軽いイメージはありません。
1楽章
Praeludium und Lide
前奏曲と歌
moderatoのカデンツアのような始まり。
Poco mossoからは、ギターのアルペジオは甘い感じですが、フルートのメロディは下降形の半音階が多用され、荒れ野に吹く風のようです。
二楽章はRomanze
地を這うようなギターの32分音符が続き、フルートは長いロングトーンの半音。
Lentは牧歌的なフルートに、ギターの方が無機質で迫ってくる3連符と8分の組合せ。
Adagioは合ったような気がする32分音符のギターの刻みに3連符のフルート。
時々はさまるつむじ風。
Lentに帰り、ギターが運命の残酷さを主張するようにフルートの牧歌的なメロディを飲み込む形で終わります。
3楽章はMarsch 行進曲
セレナーデに4拍子の行進曲って⁉️
ギターはひたすら4分音符で刻み、フルートは、軍楽隊の笛のようなメロディを吹きます。
そこに4拍子と関係なく弦を叩く音が鞭のようにメロディを追い立てます。
Poco Mosso Allegro
では、より勇壮な行進曲風な音楽になりギターはrasgueadoという上から下に掻き鳴らす奏法で迫ってきます。
tempo Ⅰ
で始めのリズムとメロディが戻ってきて行進は遠ざかっていき終わります。
dim ppで終るこの行進はどうしてもただ高揚するためのものとは思えません。
1945年、終戦とともにありとあらゆるおぞましいものが白日にさらされました。
絶滅への行進。
そう思うと、全体はセレナーデの名を借りたレクイエムと思えてくるのです。