コンベンション最終日の朝は、クララ・ノヴァコヴァ マスタークラス。
一曲目はヤン・ノヴァークの「プレリュードとフーガ」
1975年、ヤン・ノヴァークさんの娘であるクララ・ノヴァコアさんに送られたフルート独奏曲集です。
オーレル・ニコレとバッハのコンサートに行って感動し、バッハの「24のプレリュードとフーガ」のような曲を作ろうと思ったと言われたそうです。2曲書いたと思われていましたが、2007年に、クララさんが父の楽譜の中から知られている他の2曲を発見したそうです。楽譜の束を車に乗せて運転中だったそうで、興奮して事故をおこしそうになったそうです。前の2曲はイタリアから、後の2曲はプラハ放送局からクララさんの監修で出版されました。
Tibia Fugativaというのは、フルート、逃げる=フーガは逃げるのを追いかけると言う意味があるそうです。
2番のフーガを取り上げました。始めは忍耐、そして譜面の音符が増えて真っ黒になるに従って、興奮する。始めはJAZZのウッドベースのように、フーガの頂点はパイプオルガン全開のように。
2曲目はマルタンの「バラード」
バラードとは歌。フルートを持って話すように。バラードでよくあるのは、娘が見初められてもてあそばれ捨てられる。と言う話が多いそうです。この曲は違うけれどね。違っていいけれど、こうだというイメージと信念を持って吹くことが大切です。と付け加えられました。
1939年 マルタンはスイス人で、直接戦争は無いけれど、スターリンやヒットラーがいて、ポーランドチェコが侵攻されて、世界中が暗く緊張していた時期に作曲されました。
この曲のイメージはその暗く緊張した、と言う言葉がキーワードです。
一枚目は長い一つのフレーズで、脅迫されているような感じが初めからします。言いたいことが音の中に入っていなくては。
腹に一発食らったような音の後、暴力的な音。
エネルギーを段々上げて行き、炸裂。カデンツァは自分の中にある感情を時間をとって表現します。
カデンツァが終わった後は、絞りきった檸檬のかすのようになる。20歳年を取った感じ。しかしその後の音は少し希望が。不死鳥、火に飛び込んで死に、また復活するフェニックスのように。