ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

赤い翼を追え!- 最後のNWA ノースウェスト航空

2009-05-08 07:45:37 | 飛行機

日本からアメリカへ行く空の旅。 もちろん、JALもあれば、ANAもあり、更にAA、UA、CO、DLといった米系の航空会社数ある中で、最大の路線を持っていたのが、NWA ノースウェスト航空 Northwest Airlineでした。 最近は世界同時不況の中便数も減らしているみたいですが、最盛期にはハワイを除くアメリカの本土だけでも日本から一日8便は運航していたと思います。

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特に成田空港をアジア各国へのハブ空港にしていた関係もあり、このロゴのジャンボジェットがサテライトにズラリと並び、日本では大変なメジャーな米系航空会社だと思っていたのですが、実はアメリカの航空会社の中では第五位、米系大手の中では意外にも規模で最下位だったんですね。

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アメリカ国内のハブ空港としては、デトロイト、ミネアポリス、メンフィスなんかで、特にデトロイトは、オンタリオ州ロンドン市にも近い関係があり、ロンドン野郎もお仕事の旅で、かなりの頻度で使用していました。 日本→デトロイトは一日3便も出ていたんです。 デトロイトからオンタリオ州ロンドン市にはNorthwest Air Linkっていう系列のコミューター便のプロペラ機SAAB340で約一時間。 そういえばロンドン野郎が2003年にオンタリオ州ロンドン市に赴任した時もノースウェスト航空でした。

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この赤い尾翼がノースウェスト航空の目印。 アメリカの航空業界では『赤い翼を追え!』っていう合言葉があったそうです。 これはハブになっているデトロイト空港が五大湖に接した位置にあることから気流、天候が急変することが多かったため、こういう悪条件に慣れているノースウェスト航空のパイロットは信頼抜群だったそうです。 悪天候の中、後を飛ぶ飛行機はただひたすらこの赤い翼を追ってゆくことで、無事目的地に到達できるっていう訳です。

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最新のビジネスクラスの機内。 座席は新しいコクーン型のフルフラット。 10年くらい前にファーストクラスを廃止したこともあって、ビジネスクラスの座席はスペースもゆったりで比較的充実しています。  この機体はB747-400。 アメリカの航空会社の中では特にジャンボの保有数が多かったのも、飛行距離の長い太平洋線が充実していたせいなんですね。

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ただ、機内のサービスは日系の航空会社と比べるすべもなく、ひどい扱いを受けることも度々。 それに機内もあんまりきれいじゃないこともありました。 お食事の質も??? とはいいながらも、ロンドン野郎がお仕事の旅で乗った距離はやっぱりノースウェスト航空が一番多かったと思います。

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昨今の原油価格の高騰等の厳しい事業環境の中、1926年創業のこの伝統ある赤い翼も、デルタ航空の傘下に入りました。 完全な経営統合で、機体のデザインも近いうちにデルタ航空のものに統合されることになっています。

これまでいろいろNorthworstとか悪口を言ったりしながらも、やっぱりこの航空会社が近い将来消滅してしまうと思うと、一抹のさみしさを覚えるロンドン野郎です。 でも、逆に言うと、頻繁に利用していただけあって、何故この航空会社が消えてしまうのかある意味分かるような気もしなくもありません。


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2 コメント

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初めまして。ロンドン野郎さんと同じ会社に勤めて... (raul)
2009-06-16 21:31:09
最近拝読するようになりましたが、いつもロンドン野郎さんの博学さには関心させられます。
さて、ロンドン野郎さんの会社の会長さんがNW機のビジネス席を利用された時の感想を知合いから聞かされたのですが、「こんな狭い席の飛行機には初めて乗った」とのことでした。
遠い昔にカリフォルニアの子会社の社長をされていたとのことですので、ビジネス席を利用された経験が無いわけではないと思いますが、きっとファースト席に慣れてしまったので、そんなに昔の記憶は残っていないのでしょうね。
個人的には社名も早くデルタに変更した方が良い気がしますが、デルタしか利用した経験が無いので、比較のしようがありません。
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->Raulさま (ロンドン野郎)
2009-06-16 22:42:52
初めまして、かな?

NWAはたぶん10年くらい前だと思うのですが、ファーストクラスを廃止して、ビジネスクラス一本になりました。 ビジネスクラスとしては比較的広い方なのですが、そりゃJALのファーストとは比べる術もありません。

ただ、そうはいってもデトロイトへ行こうと思ったらNWAしか直行便は無いので、時間的には成田経由で他の航空会社を使うのと比べると大変な節約になるので、どちらが優先かってことになりますよね。

まあビジネス・クラスも昔に比べればどんどん豪華さを増していますが、そもそも”あのお方”がカリフォルニアにおられた頃は、もしかするとビジネスクラス自体存在しなかったかも知れませんよ。 実はビジネスクラスって、本来はエコノミークラスの正規料金のシートのことだったんです。 だから意外に歴史も古くありません。

あまりにも正規料金とツアーの格安料金の差が広がってしまったことから、ファーストとエコノミーの中間というところでできたのが、今のビジネスクラスということになる筈なのですが、いつの間にか独立してしまったんですね。

そうは言っても昨今の厳しい経済情勢の中、ビジネスクラスの利用もままならず、飛行機好きのロンドン野郎としては、少々モチベーションが下がっています。
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