今 日 の 出 来 事

今日あった出来事、感じた事を綴ります…

秩父巡礼最終ステージ

2019年04月19日 | 旅行・レジャー・ドライブ
今日は早朝から車を出してまたもや懲りずに秩父である。本当なら7日に行く予定だったが寝落ちで今日にズレ込んでしまった。で、本来の今日の予定は後日に延期となった。
首都高速に乗ったら交通量の多さが予想以上だった。渋滞は無くスイスイ流れているが、まだ6時前だというのにこの車の数は凄い。首都高速から中央自動車道に入ると交通量も落ち着いて快適に走れる。八王子を過ぎ圏央道に抜けるいつものルートだが、今日はパーキングエリアには寄らず一気に秩父を目指した。

一般道、国道共に交通量も少なく順調だったので、ほぼ予定通り8時に目的地到着。
初回の秩父札所巡礼も残す所あと3ヶ寺となった。札所も30番以降は郊外や山中に在って訪れる困難度が増してくる。前回は山奥の札所31番観音院で終わったので、今回は32番の般若山法性寺からのスタート。ここもまた市街地からだいぶ奥に入った山間部のお寺だ。

入口となる仁王門は宝永7年(1710年)に建立された梵鐘を携えた鐘楼門という珍しいスタイルで、秩父札所ではここにしかないそうだ。近年になって修復されたそうだが古風独特の存在感は損なわれていない白木造りのカッコイイ山門だ。

左右に阿吽の仁王像が睨みを効かせている。山号が般若山とあって門をくぐると般若が参拝者を睨んでくる。そういえばここの地名も般若というのだ。
門を抜けると長い石段が上に伸びている。朝からヒーヒー言いながら石段を登りきると本堂に着く。市街地の平坦な寺院と違って山の斜面に堂宇が点在する山寺の風情を犇々と感じつつ参拝。ここの観音様は笠をかぶって船に乗り櫓をこいでる珍しい姿で「お船観音」という別名はここからきている。
本堂の手前に「奥ノ院遥拝所」と刻まれた石版が地面に埋め込まれている。その足型に乗って山の上方を仰ぐと遠くに小さく奥ノ院のお船観音像が見える。

奥ノ院参拝も考えていたので一瞬「あんな所まで行くのか!」とビビッてしまった。この遥拝所は多分高齢者とか足が悪い人とか奥ノ院に行くのが困難な方用の参拝所なのだろう。事前にどんな所か下調べはしていたが、まさかあんなに遠いとはね(笑)
軽い挫折感を拭って石畳の参道を進むと木々の合間に観音堂が見える。岩井堂みたいな神秘的な霊場っぽい雰囲気になってきた。石段を回り込むように上がると観音堂に着く。

宝永4年(1707年)に建てられた総欅の舞台造り。パソコンの壁紙としても見栄えがしそうなランドマーク的な景色だ。お堂は土足禁止で備付けのスリッパに履き替え舞台を一回りして参拝。ちょうど白装束の団体さんが参拝に上がってきて、静まり返ったお堂が急に賑やかになった。
観音堂のすぐ裏手に地蔵堂があり、そこはそそり立つ岩盤が抉れた半洞門になっていて、岩肌がハチの巣のように無数の穴があいた奇怪な光景だ。

秩父には古来から断層など自然に形成された奇怪な岩肌や不思議な地形が点在していて、昔の人々はそれ等を神秘的で神聖なものとして崇め、そこに札所を置いたと言われている。このハチの巣穴は専門用語でタフォニという風化穴で、太古の昔は海だった事を物語っている。ハスコラが苦手な人は気持ち悪いだけかも知れない。
さて普通の参拝であればここで平和に終わりなのだが、更に奥ノ院を目指すとなると多少気合が必要になってくる。
観音堂の手前、巨岩が合わさった隙間を入って行く道が奥ノ院へのポータル。分岐の標識には「奥ノ院は大変危険なところ」として事細かな禁止事項等を箇条書きにした注意書きが張られていた。これは増々ヤバイ所かも(汗)

奥ノ院参道は岩をくぐった先からいきなり山道に変貌する。狭くてひたすら上に昇って行く細道は足場が悪くてモロ膝にダメージがくる。何よりコバエみたいな虫がやたら多くて鬱陶しい。季節柄か虫が苦手な人は虫除けスプレー必携だろう。山道は途中突き出た岩に足場を削ったクサリ場になったり、両手が空いてないと突破困難な箇所がある。やがて月光坂の看板が見えてくると山道も更に本気度が上がってきた。
もう汗だくになってきたのでジャケットを脱いで、虫を払い除けながら休憩。26番の奥ノ院も凄かったがココも負けじ劣らずハードだ。その後更に傾斜はきつくなり、クサリを伝ってようやく平坦地に到達。

岩の窪みに石仏が並び、祠には奥ノ院まであと一歩の案内板が打ってある。どうやらここが全長約200mある「お船岩」の一端らしい。案内板に従って進むといよいよ大日如来の鎮座する岩場が現れた。
あれ?道が無い・・・と思ったら大きな岩に打った足場が上に続いてる。

「え~?コレ上がるの?」一瞬苦笑い。感覚的にほぼ垂直に近い足場をクサリにつかまって昇る。上にチラッと手摺が見えるが、そこまで上がるのに足が竦んでしまう。ようやく手摺に到達したがその手摺はオマケ程度のショボさでしかもグラグラしている。しかもその先は何も無い断崖絶壁だ。そこから今度は回り込むように絶壁を背に足場とクサリで上ると僅かなスペースに鎮座する大日如来とご対面!

大日如来坐像は宝暦2年(1751年)に江戸時代の信者が奉納したものとされる。ここまで来れた達成感みたいなものも加わって神々しさも倍増だ。ここからの眺望は遮るものがないだけに素晴らしい。同時に遮る柵もないので落ちたらオワリである。さすが札所ナンバーワンのパワースポットと言われるだけあるね。そして岩場を降りる時が更に怖い。足場確認で足元を見ながら恐る恐る降りるのだが、目線の先は断崖絶壁なので、クサリを離したら転落死が約束されるというかなりヤバイ参拝芸だった。
お船岩を緩やかに下ると、先程本堂の遥拝所から遠望したお船観音像が現れた。

参拝後せっかく上ったのだからスグ降りたら勿体ないので暫く袂で休憩した。本堂から奥ノ院参拝は所要時間往復1時間~1時間半と案内が出ていたが、時計をみると大体合っている。ちなみに巨大なお船岩は観音像付近を除いて柵が無いので足を滑らせたらガチで終わりである。
来た参道は別の所から降りて途中で合流、下りはラクだがその分膝への負担がかなりくるのでキツイ。
そして何とか本堂に生還した。休み休みゆっくり登ったので1時間40分ほどかかった。
再び本堂を参拝して納経所で御朱印を頂く。大日如来とお船観音の御朱印もあるが行った人限定で、スマホやデジカメの画像(行った証拠)を提示すれば書いてくれる。

併せて参拝記念にお船観音を描いた手拭いも購入してやっと32番の参拝終了。いやぁ~凄かったね。特に奥ノ院への到達難易度は全札所の中ではトップだろう。
ここまでのアクセスは交通の便が宜しくない。西武秩父駅からのバスが直通でないので途中乗り換えで、しかも最寄りのバス停から2キロも離れている。歩き巡礼だったらここ一ヶ所で終わってしまうかも。
駐車場に戻ると、この陽射しと気温で車内はサウナになっていた。ここから次の33番までは約7キロのドライブだ。

いよいよ結願リーチとなった札所33番・菊水寺に着いた。境内への長い参道を進むと正大悲殿と書かれた入母屋造の本堂が現れる。文政3年(1820年)に建立された本堂の中は8間の広い土間になっていて右手に納経所がある一体型。お守り等の頒布品も売っていた。こじんまりとしたお寺だがここの安心感はピカイチだろう。何せ前が登り下りだっただけに平坦ですらすら楽に歩ける境内は有り難い事この上ない。

さてお次は秩父札所巡礼の最終ステージ、34番の水潜寺へ。陽も上がってだいぶポカポカ陽気になってきたので車内に冷房を入れた。途中コンビニでブランチ休憩しながらノンビリとドライブを楽しんだ。

11時半に秩父最終のお寺に到着。ここは西国・坂東と併せて百観音結願寺なので参拝客が多い。駐車場にも数台の車が停まっていた。結願(満願)とは全てお参りする事。結願と書いてけつがんではなく「けちがん」と読む。

振り返れば平成29年10月から始まった巡礼、本来なら巡り易い札所だけに秩父に3、4回も通えば結願できてしまうのだが、何だかんだ1年以上もかかってしまった。寝落ち弊害も含めて引っ張りすぎの反省もあるが、別に参拝規則はないのでその点は自由である。個人的には札所順番通りに回れた事と平成のうちに結願できた事、この2点のミッションが無事終わった達成感は何物にも代えがたい。

話によるとこのお寺を参拝すれば百観音霊場全てを参拝したのと同じ功徳が得られるとの事。そのためこの寺だけ参拝に来る人も居るそうだ。
まだ第二章の御朱印倶楽部は途上だけど、先行の初回巡礼が終わって一気に肩の荷が下りた思いだ。恐らく二章は令和に跨ってしまうだろう。最後の参拝を終えて讃佛堂(納経所)で御朱印を頂き、ここでしか手に入らない頒布品を購入した。

左下のキーホルダーは裏に34ヶ所全部の寺院名が彫られている。白檀の結願香と2点のお守り、成就色紙含めて結願グッズはとてもイイ記念になった。納経所の方と暫し談笑して喫煙所で一服、いや三服ぐらいしてアレコレ思いを巡らせながら暫く滞在した。締め括りに案内板に出ていた地図を拝借して載せておこう。
秩父巡礼を振り返ると、山登りや洞窟探検なんかもあってとても楽しかった。江戸時代の巡礼ブームの時はピークで月4万人以上の参拝客があったという。その人気度は全部巡って良く分かった。
まだ第二章が残っているが、もしかしたら第三弾、第四幕と続くかもしれない(笑)
巡礼ドライブのトリは満願の湯へ。またまた満願とは良く名付けたものだ。帰れマンデーのバスサンドでも訪れていたが、あれだけの距離をよく歩いたもんだと感心してしまう。

秩父温泉・満願の湯はかなり前からその存在は知っていたのだが、具体的に秩父のどの辺りに在るのか分からなかったのだ。それがまさか札所のルート上にあったとは。当時は札所巡礼なんて誰がやるかなんて思っていたのに不思議なものだ。
満願の湯は今時の日帰り温泉みたいな新しさは無いが、かと言って古さも感じない。シャレオツな流行りの温泉と懐かしの大衆浴場が合わさったような独特の雰囲気だ。
入館料は平日だから800円(土日は1000円/3時間まで900円)でタオル類はレンタルor販売どちらも可。
13時少し前に着いたが比較的に空いていて、それでもそこそこ賑わっている。年配の方々の憩いの場みたいな雰囲気だった。天然温泉の湯は高アルカリ性の単純硫黄泉で、広い内湯も川沿いの露天もとても素晴らしいのだが、ぬる湯は無くすべて40℃台の熱めの湯で、炭酸泉も無いのが少々残念だった。

湯上りに食事処を兼ねた大広間で「黄金めし」を頂いた。温泉水で炊いた御飯に天麩羅、煮物、蕎麦、茶碗蒸しとバラエティに楽しめた。ちょうどテレビでは車が大破したり横転してる酷い交通事故のニュースが流れていた。いったい何処の事故なんだろう?
明日は仕事なのでそうノンビリも出来ずそそくさとお暇したが、ここは結構居心地が良いので是非また訪れてみたいと思う。
帰路は交通量も少ないので順調だが、皆野の奥長瀞なので西武秩父駅界隈まで下るだけでも時間がかかる。空いてるお陰ですんなり国道299号に乗れたがまだ先は長い。電車なら寝て帰って1時間半と凄いラクだけどなぁ。武甲山に別れを告げ、途中道の駅あしがくぼでトイレ休憩して帰路を急ぐ。一本道の299号も有難い事に交通量が非常に少ないので夕方には帰宅できそう・・・かな?

と思ったら残念だった。圏央道までは順調だったが中央自動車道で渋滞にハマってしまい、帰宅は予定の2時間遅れの19時過ぎだった。
コメント (1)
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