今 日 の 出 来 事

今日あった出来事、感じた事を綴ります…

秩父札所巡礼、始まる

2017年10月31日 | 旅行・レジャー・ドライブ
秩父と聞くとなぜかケーシー高峰を思い出してしまう。今日はそっちのネタじゃなくて懲りずに拝みネタである。
記憶が曖昧なほど昔から興味はあったものの、荷が重すぎてずっと敬遠してきたのだが、いつまでも若くないし身体が動く元気な内にと思い、秩父札所巡礼を決意したのだ。

何のヒネリもなく前回と同じ松屋のチャージで始まり、6時50分発の特急ちちぶ5号に乗った。もし指定席券が買えなかったら巡礼はやめようと思っていたが、あっさり買えてしまったのでって何か消極的だな。やはり34ケ所と聞くと荷が重い。きっかけはやはり前回の橋立堂という札所に行ってしまった事だろう。

初期のレッドアローの車体色が懐かしい。でも乗っちゃえば色が何だろーが関係ないんだけど。今回も体力温存のため寝落ちのまんま秩父入りだ。しかし秩父までの車窓の記憶があまり無いというのも考え物か。

西武秩父に8時13分に着き、駅前から8時20分発の西武バスに乗る。無駄のないスムーズな乗り換えだが、これに乗り遅れると次のバスは10時半なのでエライ事になる。皆野駅行きに20分ほど乗って札所一番というバス停で下車。目の前が記念すべき巡礼最初の地、秩父札所1番の四萬部寺だ。

年月の長さを窺わせる重厚な佇まいは正に霊場の名に相応しい。元禄10年(1697年)に建立された本堂は県指定の文化財。本尊は聖観世音菩薩を祀る曹洞宗のお寺だ。

自分の他に2〜3人ほど巡礼と思しき参拝客を見かけた。中には白装束で気合の入った外人さんや熱心にお経を唱える方もいた。
参拝を済ませて納経所へ。ここでは巡礼用品やお土産など数多く扱っている。札所巡礼専用の納経帖(御朱印帳)も何種類か置いてあり、1冊買っていよいよスタートである。何かハードル高そうだな〜(爆)

御朱印を頂いた時に札所案内地図と共に2番までの詳しい行き方を説明してくれた。
1番まではバスで何の苦労もなく来れたが、話を聞いてると2番までの道程は甘くないようだ。高篠山の中腹にあるお寺で、高篠山は高尾山とほぼ同じ標高なので軽い登山になりそう。1番からは約2㎞だが殆ど登り調子なので徒歩約40〜50分はかかると聞いて気を失いかける(笑)。2番目から早くも試練か。

頂いた地図とGPSを頼りに細道を進む。結願できるだろうか?…まぁあまり固っ苦しく考えないで楽しく捉えよう。天気が良くて気温も上がってきたので軽く汗ばんできた。点在する住宅地を抜けると道はだんだん勾配がキツくなってくる。

林道と言っても舗装路だから歩きやすいが、先が全く見えない不安感は拭えない。しかし心配していた膝腰への影響は然程無くて助かった。
やがて景色は杉の林立する森になり、木陰ができたおかげで幾分涼しくなってきた。
なるべく汗をかかないように休み休み登ると、遠くに看板らしき白い物が見えてきた。やっと到着か?

ようやく札所2番の真福寺に着いた。誰もいない。先ほどの外人さんはだいぶ前に行ったのだろう。ここ真福寺も誰もいない無住のお寺なのだ。だから納経はここではやっていない。無人の2番札所の納経所はここからまた2㎞山道を降りた麓の光明寺で行っている。

かつて境内には礼堂や仁王門、羅漢堂、摂社等が建っていたが、火災で焼失してしまい現在の本堂は明治時代に再建された。納経所である光明寺の末寺で9世紀頃の開創と伝わっている。

お寺前に参拝用駐車場があったが、ここまで来る道は狭いので軽自動車じゃないと無理かなと思った。下りは九十九折の急坂を降りて行く。さすがに自分の車じゃ無理だな。途中から徒歩参道が現れたので降りて行く事にした。完全に獣道だが恐らく近道なのだろう。

足腰をかばいながら一気に高低差の激しい斜面を下ってさっきの舗装路に出た。よおうやく路面も平坦になり麓に着いたのだと安堵する。真福寺から50分ぐらい歩いてようやく光明寺に着いた。鎌倉の建長寺から法性国師を招いて文保2年(1318年)に創建された古刹だ。2番の御朱印とと共に光明寺の御朱印も頂いた。

そもそも秩父札所は何で34ケ所と中途半端なのだろうか。それは西国三十三ケ所、坂東三十三ケ所、それに元々三十三ケ所だった秩父札所も合わせて九十九ケ所。それじゃ半端なので1足して百観音にしちゃえ~ってのが理由らしい。そして最後に1追加されたお寺が真福寺なのだそうだ(昔は今と違う順番だったらしい)。
続いて札所3番に向かう。光明寺からは徒歩15分ぐらいとそう遠くない。田園風景の中を歩く。何より平坦な道なのが嬉しい。ちょっとした山登りをした足腰は意外と悲鳴を上げていない。

札所巡りはあちこちに道標や案内板があって親切に導いてくれる。江戸時代の石標をそのまま使ってるのも面白い。34ケ所の札所は全て参拝用の駐車場があるそうだ。3番の駐車場には何台か車が来ていてちょっと賑わってる。やはり徒歩で巡る人は少数派なのだろう。

常泉寺は薬師如来を本尊とし行基の開山と伝えられているお寺。石段を上がった所にある観音堂が素晴らしい佇まいだ。彫刻も美しく暫し見とれてしまう。このお堂は明治時代に元々秩父神社にあった薬師堂をこちらに移築したものだという。

休憩所で一服して足を休めた。そろそろ腹が減ってきたが、今までの道中でコンビニが一件も無かったのはある意味スゴイ(汗)
次の4番までは徒歩20分ぐらいだそうだが、別に札所巡礼は番号通り巡らなくてもいいみたい。でも初回だから行ける所まで順番で行ってみよう。

ふるさと歩道橋で横瀬川を越え道標に従って進むと金昌寺が見えてきた。ここも道が狭いから大型車は大変そうだ。仁王門に大きなわらじがぶら下がっている存在感のある景色だ。

傾斜地の境内には一面至る所に大小様々な石仏が立つ。もう石仏だらけだ。江戸時代は3800体ほどあったそうだが、明治時代の廃仏毀釈で壊されて1300体ほどに減り、その4割が首無しという、これぞ霊場といった光景が広がる。

本堂にはマドンナ的存在の慈母観音像が鎮座して人気を集めていた。ここは今までの中では参拝客が一番多い。

お参りをすませて脇の石段を上がった所にある奥之院も参拝。朝晩冷え込むせいか紅葉がわずかながら紅くなり始めている。絵的にはイイ光景だ。今風に言うならインスタ映えだね。

1番から始まって2番以外はわりとトントン拍子で来れた感があるが、次の5番はちょっと距離がある。歩くと30分ぐらいだそう。しかし腹が減った。時々自販機があるので喉の渇きは無いけど固形物が欲しい。今日はあまり欲張らずキリのいい所で5番で止めておこうか。

陽射しを遮るものが何も無いので身体が火照って暑い。早朝はこの上着でも冷え込んでいたが日中は厄介者になってしまった。着ていれば暑いし脱げば荷物になるし(爆)
平坦路を延々と歩いてやっと看板に辿り着いた。

5番札所の語歌堂(ごかどう)の堂宇は仁王門と観音堂だけのこじんまりとした札所。塀で囲まれてないオープンな景色だ。准胝観音を本尊とする観音堂は無人で、2番の真福寺みたいに納経所は別の場所にある。

語歌堂から歩いてすぐの長興寺が納経所だ。5番の御朱印と共に長興寺の御朱印も希望したら、語歌堂は長興寺の寺域だから全く同じものらしい。長興寺は15世紀創建と伝わる臨済宗のお寺だ。

さて、5番とキリのいい所で続きは次回にして早めに撤収しよう。と思ったがもうひと踏ん張りできるかな?
空腹なのに悪魔の囁きが・・・
幸い歩き続けて鍛えられたのか膝に痛みは無い。せっかく来たんだからなぁ~
行こうか止めとくか地図と睨めっこしながら暫く悩んだ。しかし語歌堂から距離が2.4㎞もある。歩けば40~50分の道のりだから少々キツイ。
とりあえず6番には向かう方向で、限界を感じたら途中で撤収という事にしよう。

延々と続く道の風景にタメ息が出る。しかもここまでコンビニが一軒もないとはどうなってんだ?
位置的にはもう西武池袋線の横瀬駅が近い。ならばもうちょっと頑張って駅近辺で遅い昼食にしようか。
とかなんとか言ってるうちに6番札所が射程距離に入ってきた。途中に商店らしき建物を見つけたがシャッターが下りていた。膝の痛みというより、足全体に疲れを感じるようになってきた。
踏ん張った甲斐あって6番札所・卜雲寺(ぼくうんじ)に到着。

聖観世音菩薩を本尊とする曹洞宗のお寺。江戸時代初期に開創され、明治時代に火災で焼失、再建されて今に至る。御朱印を頂く際に1番からずっと歩いてきた事に驚かれていたようだが、札所を34番まで全部巡ると距離にして約100㎞あるそうだ。

今後は札所の場所によっては車じゃないと厳しい箇所もあるため、移動手段について大いに悩む所だ。
さて、足腰より先に腹が限界なので札所巡りは撤収と行きたい所だが、7番が割と近いのでそこを最後に巡礼を締め括りたい。
卜雲寺から徒歩10分ほどで7番の法長寺に着いた。

十一面観世音菩薩を本尊とする、ここも曹洞宗のお寺。秩父霊場の中では最大の伽藍と言われている。平賀源内が設計したとされる本堂を参拝して、今日最後の御朱印を頂いた。時間にしてもう15時。松屋の朝定食以来何も食べてない(笑)

続く8番、9番もそう遠くないので行けなくもないが、何か食べたいという欲求が圧倒的に勝ってしまった。ここからは最寄り駅の横瀬に向かう。最寄りといっても結構距離はある。途中の国道沿いにやっとセブンイレブンを見つけたが、むしろ駅前の方に期待が高まっているのでスルー。

武甲山がだいぶ近づいて迫力がある景色を楽しめる。30分ほど歩いてようやく横瀬駅に到達した。唖然(笑)
横瀬駅って特急も停まる駅だから絶対何かあると期待していたのに、ファミレスはおろかコンビニすらない。これには正直呆れかえってしまった。何なんだこの駅は!
駅舎の横に観光案内所があった。その下に「売店・食事処」の文字を見つけて思わず駆け込んだ。

カレーライスにおでんセットを頂いてようやく腹の虫が収まった。しかしこの観光案内所が無かったらどうなっていた事だろう。そもそも西武秩父駅から一駅目なのに何で特急停車駅なのだろう?
横瀬駅から一駅戻ってその西武秩父駅に向かう。

今回の札所巡り、1番から7番まで札所概念図の案内によれば約11㎞歩いた事になる。何といっても2番の山登りは堪えた。その疲れを癒しに再び西武秩父下車、毎度の祭の湯に向かった。

帰路の特急時刻を予め設定して1時間で帰る事にした。あまり長湯してもかえって逆上せてしまうから、急ぐ訳でもないが1時間が丁度良いだろう。炭酸泉の気持ち良さは格別だった。心は癒され、恐らく足腰もかなりスッキリした感がある。
外はもうだいぶ日が傾いて昼間のポカポカ陽気がウソのように冷え込んできた。

この後の展開はもうお察しの通り帰りの特急は寝台列車と化した。今は何とか無事だが明日の朝、膝のコンディションがどうなってるか心配である。
何かの騒めきに気がついた。池袋到着といいタイミングだ。

お帰りは当然伯爵の炭焼珈琲で目を覚ました。これからの秩父巡礼はどうなるだろうか?
生きてるうちに満願できるかな(笑)。体調を理由に途中棄権するかも知れないし、その前に飽きちゃうかも知れないし。まあそれは無いにしても、乗りかかった船だから何とか達成はしたいものだ。炭焼珈琲が染みわたってとても癒された。さて気になる今日の歩数計の結果は30300歩だった。そんなものか。3万は突破したが個人的記録更新はならずだった。
コメント (2)
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