寒いのでバイクに乗らずに机上の空論。
YBR125のギアシフト機構は以下の構成部品でシフトチェンジされる。
1:シフトカムが回転することで5,6,7のフォークが移動してギアを滑らせて組み合わさったギアになるけれど、
シフトカムは2:セグメントの回転に同調している。
さて、このセグメントの回転位置は1:ストッパーレバーがセグメントの谷にはまることで各ギアの位置に固定される。
矢印の場所がセグメントの山を超え、谷に下るの繰り返しでカチャカチャと位置決めされるってわけだ。
セグメント自体を回転させるのは7:シフトシャフトで、足にかかるシフトレバーはこのシャフトに固定されてる。
ちょっと整理すると以下のような絵になり、赤い箇所はニュートラル位置、青い箇所が1速や2速になる。
ネット上で時々議論されてる2速からニュートラルに勝手にシフトダウンするって現象は、青から赤に位置が
変わるって事で、シフトカムが回転しないと起きないのだが自分勝手に回らない様にセグメントとストッパー
レバーがあるのに、いったいどうしたら勝手に変わるのか想像してみた。
もしかしたら2:スプリングの引きの強さが若干弱いんじゃないのか?
メーカーはバカでは無いので簡単に変わるよう仕様になってないはずだけれど、まあ実際どうなのかは謎だ。
このスプリングの注目してエンジン内の実装状態を見ると以下の画像の感じである。
実はこの位置の設計は非常にありがたい。
経年劣化すると極まれにこのスプリングが折れてしまって、シフト操作をしてもギアチェンジを行う事ができなく
なるけれど、この位置なら折れた破片が落下しても下方にはギア類が無いので、噛みこんで破壊する可能性
が低い。
また、クラッチユニットを外す事なく修理できる利点があり汎用スプリングで応急修理も可能である。
実はオレも別車種でスプリング折れの経験があって苦労したから、YBRの保守用に買い置きしておいた物がある。
部品を整理してたら目に止まったので、ついでに寸法を測ってみた。
この寸法はどんな意味をもたらすのか?
先ほどの説明の中でセグメントの位置決めをするにあたり、スプリングの引きの強さが足りないならば勝手に
カムが回る可能性があると想像してたわけで、流用できそうな少し強いスプリングに置き換えれば自然シフト
を防ぐ事が可能なのではないか?と思った。
バイク用品店で物色したところ、スリップオンマフラーの固定スプリングとかATスクーターのクラッチスプリン
グとか色々と少し強そうな物をいくつか見かけたけど・・・まあ、机上の空論なので実際に換えて解決するか
どうかはわからない。
また、ヤマハの部品検索で他車種の物をちょっと調べたけれど、引きスプリング構造の車種はあまり無くて
代替品は今のところは見つかってない。
って事で、スプリングがへたったり折れたりした時にはとりあえず純正品を入手する手立ては確保したほうが
よさそうだ、
5VLで始まる部品番号は日本ヤマハから供給されていない関係で、YSP輸入モデルのFI以外の場合は
店に相談かタオバオで購入(輸入)だろう。
だが、昨今の国際事情を考慮するといつまでも中国から簡単に輸入できるとは限らない。
そこでYBRと同型のエンジンを搭載したXTZ125やTT-R125系など、プレスト扱いの正規輸入車の部品
で対応すれば解決かと思う。
TT-R125 2001年 から TT-R125LW 2003年まで共通の部品番号
5AP-18337-00 SPRING 84円
強化できるスプリングを探して来るもヨシ、クラッチ交換のついでに純正交換するもヨシ、色々保守できる
選択肢があるのはいいことだ。
最後に俺のYBRは実に良い子で自分勝手にシフトチェンジしないので、保守用に買い置きしたスプリングの
出番はいつになるかまったく予想できない。w
2速ギアでの抜けが多いので、セグメントの山形状にも、問題がありそうですが・・・
私のYBRは2万キロの時、5のスプリングトーション(シフトリターンスプリング)が破損して、シフトペダルの中間定位置が出なくなりました。
シフト後 軽く蹴り戻して定位置にすれば、続けてシフト出来たのですが、とても面倒くさかったです(笑)
ちなみに写真の右端にチラリと見えるのは、オイルフィルターでしょうか?
取り説には1000kmで掃除しろと書いてあったのですが、バロンのメカさんは必要ないとの意見だったので、以後放置しています(汗)
結構汚れているものでしょうか?
幸い、この形は他車種でも割りと多いのでなんとかなりそうですし、TT-R125系で入手すればどうにでもなるかと。
画像右側のフィルタですが、これは大きめのゴミを濾すストレーナーです。
ゴミやバリのクズを除去するために初回は推奨距離前後で良いと思うのですが、慣らし前後まで頻繁にオイル交換してるのなら
クラッチ交換などのタイミングで掃除する程度で十分でしょう。
実は5VL-E3451-00 FILTER ROTARY という遠心分離型のロータリーフィルターが別の場所に設置されていて、細かいゴミはそこ
で隔離されてます。
構造上このフィルタは非分解の交換型なのですがこれもオイル交換の頻度によってかなり長持ちできます。
フィルタの中に灯油を流し込んで排出の繰り返し洗浄をすれば再利用可能なのですが、あまり注目される部品ではないのでたいて
いは放置されてますね。
詳しくは「xtz125「ねこちやづけ」整備記録⑬ エンジンオイルフィルター」で検索してみてください。
なおホンダのFTR223系統のエンジンでは同型のフィルタでも目立った場所にあり、分解掃除が可能なのですが・・・
・オイルを抜いてクラッチカバーを外し、クラッチユニットを外す。
・シフトペダルを外し、シフトシャフト先端と周辺をよく掃除する。
・7のシフトシャフトを抜いて6のクリップを外す。
・5のトーションスプリングを交換。
・逆順で組む。
必要特殊工具はクラッチハウジングセンターナット19mmを回す時に
ハウジングを固定するための固定工具くらいか。
当ブログでも以前紹介したY字型の固定工具で、ホンダミニ4スト用でOKです。
サービスマニュアルには他に「適当なアルミ板の破片」てのも有りました。
使い方、作業方法はサービスマニュアルをDLしてパーツカタログと併用して
予習してください。
センターナットのロックワッシャーとトーションスプリングは日本ヤマハHPの
部品情報検索で同系統エンジンを採用した「TT-R125」系で調べて、部品番号メモし、
バイク屋などで注文するとよいでしょう。
私も予備品としてこれらを入手できてます。
作業ついでにクラッチ強化の細工などもやれば労力の元もとれると思います。
トルクレンチはあった方がよいでしょう。
トルク値はサービスマニュアルを参照してください。
ヤフオクでセンターナットの締めすぎでセンターシャフトを折った致命的な
故障エンジンが格安で売られていて、いつまでも買い手がつかない状態を見たことが
あります。
不慣れな人ほど馬鹿力で壊すようです。
作業に不安があるなら部品だけ先に入手してバイク屋さんに交換依頼したほうが
いいかもしれませんね。
特殊工具代一式分相当以上の工賃になるとは思いますが、技術も買うので等価以上に
お得です。
なかなか情報の少ないバイクなので、これからも記事を参考にさせていただきたいと思います。