報道写真家から(2)

中司達也のブログ 『 報道写真家から 』 の続編です

タイ情勢 : タイ警察“Men in Black”を逮捕

2014年09月29日 08時12分28秒 | タイ

9月11日、タイ警察は Men in Black を逮捕したと発表した。

Men in Blackとは米映画のタイトルだが、タイでは2010年に暗躍した正体不明の武装集団のことを指す。

2010年、民主党アピシット政権に対して、タクシン派団体UDD(赤シャツ隊)は、議会解散・総選挙の要求を実現するため、バンコクのビジネス街の幹線道路を封鎖し、砦を築き長期間にわたって籠城占拠した。

封鎖の解除を命じる
アピシット政権の最後通牒後、タイ国軍の治安部隊が籠城グループの強制排除に乗り出した。これに対して、正体不明の武装集団が各所から銃撃をはじめ、武装集団と治安部隊との間で激しい銃撃戦となった。バンコクのビジネス街で市街戦が展開されるという異常事態となった。一連の騒乱で約90人が死亡した。

この武装集団は黒ずくめの戦闘服を着用していたためMen in Blackと呼ばれるようになった。
軍の治安部隊と互角に銃撃戦を演じていることから、専門的な軍事訓練を受けた集団と見られた。

この集団がタクシン派の戦闘部隊であることは明らかだったが、その正体の解明につながるような目撃情報や証拠映像はなかった。その姿を捉えた映像はわずかで、画像も不鮮明だった。

タクシン派団体UDDは今日に至るまで関係を否定している。

単なる生贄か、本格捜査か

今回タイ警察に逮捕されたMen in Blackは、たった5人(男4、女1)だ。

長年、正体不明だったMen in Blackが捕らえられたことは快挙には違いない。
しかし、単なる生贄という見方もある。
数人を逮捕してそれで問題に決着をつけてしまおうということだ。

2010年の騒乱時、密輸された1000丁のライフルが押収されるという事件があった。これがタクシン派の戦闘部隊と関係があるとは断定できないが、1000丁もの武器を必要とする組織がタイ国内にいくつもあるとは思えない。Men in Blackは全体で1000人規模だと推測できる。5人程度の生贄を差し出してもとり立てて問題とはならない。

この戦闘部隊に軍事訓練を施したのは、当時現役の陸軍少将であったカッティヤ・サワディポン(通称セーデーン)とされている。カッティヤ少将は2010年の騒乱時、UDDの砦内でのインタビュー中に、ビルの屋上付近から狙撃され死亡した。Men in Blackの全貌を知る人物の口は早々と封じられた。

タイ警察は、今後もMen in Blackの逮捕に尽力すると発表しているが、はたして本気の発言かどうかはあやしい。

そもそもタイの警察機構は本質的にタクシン派だ。
警察官にタクシン派が多いという意味ではない。

タクシンの牙城 タイ警察機構

タクシン・シナワット(チナワット、シナワトラ)元首相は警察官僚出身であり、首相時代もその後のタクシン派政権時代も、警察機構の上層部にはタクシン一族とその一派が座ってきた。警察機構はタクシンの私的機関の様相を呈している。

タクシンの牙城であるタイ警察とタクシンの戦闘部隊である“Men in Blackとは、すなわち「身内」のような関係にある。したがって、警察が率先して、タクシンの戦闘部隊狩りをすることはない。

これまでMen in Blackによるとみられる数多くの襲撃事件が発生している。まれにタイ警察が犯人らしき人物を逮捕することはあったが、数日で釈放されるのが常だった。訴追された例など一例もない。

タイ国民の大多数がプラユット陸軍司令官(現首相)率いる軍事政権を大歓迎しているのは、ひとえに国内の混乱を収拾し、安心して暮らせる環境を迅速に整えたからだ。しかし、Men in Blackが無傷で存在している限り、本当の安心とは程遠い。

タイ国軍は、「クーデター」後いち早く、警察機構からタクシン一族とタクシン派の高官を排除した。タクシンの影響力を弱めるためだが、タクシン勢力を排除したくらいでは、タクシン色を一掃できるものではない。警察機構はいまでもタクシンの牙城であることに変りはなく、タイ警察と武装集団とは馴れ合いの関係にある。

そのタイ警察が突然、5人のMen in Blackを捕らえたのだから、タイでは大きなニュースとなった。

毒をもって毒を制す

「身内」を捕らえたからと言って、タイ警察と武装集団との関係に変化が生じたというわけではない。

ただ、タクシン派高官が排除されたいま、
タイ警察は窮地に立っていると言える。警察機構に対するこれ以上の介入は防ぎたい。そのためにはある程度、軍事政権の意向を反映しなければならない。その目玉がMen in Blackの逮捕だったのだろう。

タイ警察は、容疑者の男性4人に黒い戦闘服を着せて、これみよがしの記者会見を開いた。銃撃現場での検証では自動小銃やグレネードランチャーを構えさせた。確かに耳目を引く演出ではあった。

しかし、この程度の「成果」で軍事政権が納得するはずがない。5人を捕らえたところで何も変らない。タクシン派の戦闘部隊が無力化されない限り、タイ国内の治安は担保されない。

軍事政権は、タイ警察の弱点を理解している。警察機構とはすなわち巨大な利権組織なのだ。社会の隅々にまで利権の網を広げている。軍事政権は、警察機構のこうした利権構造にメスを入れることも可能だ。すでに警察の利権の一部をつぶしている。タイ警察の最大の関心事は利権の維持と拡大だ。もし、その利権を失うとしたら警察内は大パニックになるだろう。

タイ警察は巨大な利権を守るのか、それとも「身内」を守るのか。

タクシン・シナワットがタイの政治に登場して以来、タイ王国は常に混乱と対立の中にある。
タクシンがもたらした災いは、タクシンが収拾すべきだろう。
毒は毒で制す。




<参考資料>

タイ警察“Men in Blackを逮捕

2014.09.12  'Men in black' arrested
http://www.nationmultimedia.com/politics/Men-in-black-arrested-30243114.html
2014.09.12  2010年のバンコク占拠事件、兵士襲撃の「黒服」逮捕
http://www.newsclip.be/article/2014/09/12/23143.html
2014.09.12  反政府デモの「黒装束の戦闘員」、容疑者5人を逮捕
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=4494
2014.09.12  Hunt for the 'men in black'
http://www.nationmultimedia.com/national/Hunt-for-the-men-in-black-30243113.html
2014.09.12  Cops nab five 'men in black' suspects
http://www.bangkokpost.com/news/crimes/431781/cops-nab-five-men-in-black-suspects
2014.09.12  Prayuth:We know everyone behind attacks
http://www.bangkokpost.com/news/local/431946/prayuth-ready-to-name-names
2014.09.12  Somyot : 'Men in black' not scapegoats
http://www.bangkokpost.com/news/politics/431902/arrested-men-in-black-not-scapegoats-for-2010-khok-wua-violence-says-senior-police-general
2014.09.13  New DSI investigation team to take over 'men in black' case
http://www.nationmultimedia.com/politics/New-DSI-investigation-team-to-take-over-men-in-bla-30243207.html
2014.09.13  Police pursue 2 more "men in black"
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432058/police-pursue-2-more-men-in-black
2014.09.13  Somyot defends 'men in black' probe, arrests
http://www.bangkokpost.com/news/politics/431970/somyot-defends-men-in-black-probe-arrests
2014.09.14  'Men in black sought millions to reveal name of mastermind'
http://www.nationmultimedia.com/politics/Men-in-black-sought-millions-to-reveal-name-of-mas-30243231.html
2014.09.14  民主党幹部が暴露、「黒装束の戦闘員が首謀者名と引き換えに現金要求」
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=4506
2014.09.14  Early men in black probe 'torpedoed'
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432127/early-men-in-black-probe-torpedoed
2014.09.14  Pheu Thai says ”men in black” probe not dumped
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432225/pheu-thai-says-men-in-black-probe-not-dumped
2014.09.15  CSD seeks indictment of 'men in black'  
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432370/csd-seeks-indictment-of-men-in-black
2014.09.16  Investigation report on 'men in black' goes to prosecutors
http://www.nationmultimedia.com/politics/Investigation-report-on-men-in-black-goes-to-prose-30243346.html
2014.09.18  UDD seeks fairness for 'men in black'  #BangkokPost
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432916/red-shirts-demand-fairness-transparency-in-police-handling-of-cases-against-men-in-black
2014.09.18  7 suspects face arms indictment
http://www.bangkokpost.com/news/politics/432814/7-suspects-face-arms-indictment


軍政、警察機構からタクシン派を排除

2014.05.25  武器・爆発物の所持など厳しく処罰、武装闘争を警戒
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=3942
2014.05.27  タイ軍政、警察幹部らタクシン派粛清 上院廃止
http://www.newsclip.be/article/2014/05/27/21938.html
2014.05.29  県知事8人や警察高官16人が左遷、タクシン派押さえ込みか
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=3949
2014.05.29  タイ軍政のタクシン派粛清続く 警察幹部34人、県知事13人ら左遷
http://www.newsclip.be/article/2014/05/29/21989.html
2014.06.05  タイ軍事政権、警察や地方からタクシン派一掃を推進
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0EG0AP20140605
2014.06.13  タイ軍政のタクシン派粛清続く 検事総長、ICT省次官ら解任
http://www.newsclip.be/article/2014/06/13/22162.html
2014.06.29  タイ国営企業で会長・取締役大量辞任 タクシン派粛清で
http://www.newsclip.be/article/2014/06/29/22336.html
2014.07.16  軍政の警察機構改革に政治家が評価と懸念
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=4182
2014.08.04  警察首脳が厳命、「警察官による恐喝を一掃せよ」
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=4281

2010年騒乱時の”Men in Black”

2010.02.11  セーデーン、赤服傘下の黒服部隊設立との報道を否定
http://thaina.seesaa.net/article/140788851.html
2010.02.17  【タイ】同盟、カッティヤ少将が地方住民に施している軍事訓練とは無関係
http://jp.ibtimes.com/articles/567/20100217/50567.htm
2010.02.17  同盟、カッティヤ少将が地方住民に施している軍事訓練とは無関係
http://thaina.seesaa.net/article/141358064.html
2010.04.12  首相、同盟デモ隊の中に赤服に身をやつしたテロ集団がいる
http://thaina.seesaa.net/article/146352968.html
2010.04.14  セーデーン、政府が対応を誤ると組織不明の"部隊"から反撃を受ける事になると警告
http://thaina.seesaa.net/article/146461464.html
2010.04.15  「狙撃手」の写真公開でUDDが反論
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=9837
2010.04.16  平和維持本部、アリスマン氏の部隊発言がテロリストの存在認識を裏付け
http://thaina.seesaa.net/article/146642648.html
2010.04.20  ANALYSIS-Thailand coup not on the cards for now
http://www.reuters.com/article/2010/04/20/idUSSGE63I0H6
2010.04.21  ナタウット氏、1億で国家騒乱を請け負ったとの指摘を否定 - DSIは捜査を開始
http://thaina.seesaa.net/article/147262619.html
2010.04.28  逮捕された赤服俳優の車から黒服の物と思しきDNA
http://thaina.seesaa.net/article/148028804.html
2010.04.30  28日の衝突の際にデモ隊側に黒覆面、アルジャジーラのビデオ中で
http://thaina.seesaa.net/article/148228821.html
2010.05.18  治安当局、「兵士を装って銃撃」
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=10075
2010.05.18  Who are Thailand's men in black?
http://edition.cnn.com/video/data/2.0/video/world/2010/05/18/rivers.thailand.men.in.black.cnn.html
2010.05.02  タイ騒乱に謎の黒シャツ集団 衝突ごと現れ、兵士狙撃?
http://www.asahi.com/international/update/0501/TKY201005010362.html
2010.05.10  レムチャバン港でライフル1000丁 フィリピンから密輸か 
http://www.newsclip.be/news/2010510_027465.html
2010.05.22  反政府デモ期間中、85人が死亡
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=10130
2010.05.22  タイ騒乱の「黒シャツ」は舞い戻る
http://newsweekjapan.jp/newsroom/2010/05/post-94.php
2010.05.13  Thai General Shot;Army Moves to Face Protesters
http://www.nytimes.com/2010/05/14/world/asia/14thai.html?hp&_r=0
2010.05.14  セーデーンが銃撃を受け重傷、一時死亡との情報が駆け巡る
http://thaina.seesaa.net/article/149794911.html
2010.05.17  Seh Daeng pronounced dead at 9:20 am
http://www.nationmultimedia.com/home/2010/05/17/politics/Seh-Daeng-pronounced-dead-at-920-am-30129546.html


タクシン派、仲間を意図的に銃撃の疑い

2010.05.21  医療ボランティアも銃撃で死亡
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=10120
2010.06.04  寺院内の遺体問題で司令官が潔白主張
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=10218
2013.03.18  Journalist puts troops in clear
http://www.bangkokpost.com/news/local/341195/journalist-puts-troops-in-clear/page-2/
2013.03.19  Journalist clears King's Guard
http://www.bangkokpost.com/learning/learning-from-news/341308/journalist-clears-king-guard
2013.03.19  パトゥム・ワナーラム寺院の6名の殺害に軍は関与していない、フランス人ジャーナリスト証言
http://www.suzukitk.com/


タクシンによる「麻薬戦争」という「処刑」

2004 The War on Drugs, HIV/AIDS, and Violations of Human Rights
http://www.hrw.org/legacy/campaigns/aids/2004/thai.htm
http://www.hrw.org/reports/2004/thailand0704/thailand0704.pdf
2007.11.27  薬物と無関係の1400人、「処刑」か=タクシン前政権の撲滅運動
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007112700992
200812.19  Thailandbackground and U.S Relation(12p参照)
http://fpc.state.gov/documents/organization/115904.pdf
2010.06.30  タイ:手錠をされた薬物犯罪容疑者が射殺された事件 捜査必要
http://www.hrw.org/zh-hans/news/2010/06/30-1
2011.05.03  タイ:昨年の政治衝突での人権侵害 捜査を
http://www.hrw.org/ja/news/2011/05/03-3




タイ王国の不敗神話

2014年07月27日 23時19分45秒 | タイ


2006年の軍事「クーデター」から8年。
2014年の軍事「クーデター」はタイの政治的混乱に終止符を打つだろう。

終止符が打たれるかどうかを今の段階で断言するのは早すぎるかも知れない。
しかし、プラユット司令官率いる軍事政権は、タイ王国の未来に対して、何を成すべきかを明らかに理解している。

軍事政権への高い支持

「戒厳令」や「クーデター」というものものしい言葉が世界のメディアに躍った五月以降、タイへ渡航する外国人観光客は二割ほど減少した。観光大国としては二割の減少でも大きな打撃だった。

しかし、二ヶ月後には、様子見だった観光客がタイにもどり、観光地は観光客で満たされていった。子供を連れた外国人観光客さえ普通に目にする。繁華街のデパートは平日でも買い物客でにぎわっている。タイが戒厳令下にあることを感じさせるものはもはやない。

軍事政権は、各地で隠匿された大量の武器弾薬を応酬し、反対勢力の機先を制し、短期間で国内の平常化を実現した。

欧米諸国や欧米メディアはいつものごとく、「クーデター」などけしからん、軍事政権など言語道断と大合唱した。その論調をあざ笑うかのように、プラユット司令官率いる軍事政権は、「クーデター」直後から大多数の国民の支持を獲得した。

タイ国民にとって、8年間におよぶ国内の混乱を収拾し、国民の求める政治が行われるなら、政治形態などどうでもよいのだ。タイ国軍が国家のために行動していることをタイ国民はすばやく理解した。七月の調査では88.5%の国民が軍政に満足していると答えた。次期首相に最もふさわしい人物は誰か、というアンケートではプラユット司令官が圧倒的多数を獲得した。

欧米の目論見

欧米政府やメディアは、軍事政権がタイ国民に支持されているという事実は無視し、「クーデター」や “軍事政権” という形態だけを問題視する。それは、「民主主義」という理念が犯されているからではない。

欧米が「民主主義」を持ち出すとき、そこで欧米の利益が侵害されつつあることを意味している。「民主主義」とはそういう指標なのだ。

ようするに、タイ国軍による「クーデター」によって、欧米の目論見が頓挫しようとしているから非難し、制裁を打ち出しているにすぎない。

東南アジアの中心国家であるタイ王国がほとんど手に入りかけていたのに、それが「クーデター」によってするりと手からすべり落ちた。魔法にでもかかったような気分だったかも知れない。8年間の工程が無に帰したのだ。その落胆は大きいだろう。

タクシン・シナワット(チナワット、シナワトラ)という人物を使って、タイ王国の間接支配を試みたが、結局のところ失敗に終わったのだ。

タクシンの金権手法

今後、タイ王国は軍政から民政に順次移管していく。

政権を追われたタクシン派勢力は、民政に移管すれば、また選挙で勝てばいいと考えているようだ。
しかし、タクシン派が再び政権に就く可能性はほとんどない。

タクシン派が選挙で圧勝できたのは、ひとえに金の力だ。タクシンから潤沢な工作資金が送られ、それが上から下へと流れ落ちていた。選挙に勝ってタクシン派が政権に就けば、私物化された国家の金が落ちてくる。タクシン派の結束とは、金が生む吸引力にすぎない。何らかの信念や理念によって団結している集団ではない。

インラク政権が「クーデター」で失脚する直前、多くの農家がインラク政権に対して抗議行動を起こしていた。80万人の農民が米質入制度による米代金の支払いを受けていなかった。その総額は924億バーツ(約3000億円)にのぼる。しかし、インラク政権には支払いの目途がまったくなかった。米質入制度は、タクシン派の議員や閣僚、政府高官の汚職の温床だった。タクシン派の地盤である多くの農家がタクシンへの忠心を失い、抗議行動を起こした。所詮は金のつながりにすぎないのだ。

タクシン派は自派であるはずの農家の信頼を失ったものの、再度大金をばら撒けば、一度離れた心もまた簡単に取りもどすことができるだろう。金の力は決してあなどれない。欧米の申し子であるタクシンの資金は決して枯渇することがない。どれだけ資金を費やしたとしても必ず何らかの形で補填される。そこがタクシンの強みだ。タクシンは「国際社会」においてVIP中のVIP待遇なのだ。

しかし、いくら資金が無尽蔵だといっても、金が末端にまで届かなければ意味がない。金の流れが堰き止められれば、とたんにタクシン派グループは干しあがる。金が落ちてこなければ人は決して動かない。タクシンという個人に人望があるわけではない。タクシン派はタクシンの金を拝んでいるにすぎない。

タクシンの金の流れを封じればいいのだ。

タクシンマネーの封じ込め

軍政から民政に移管された後のタイでは、政治家や政府高官の資金の動きが厳しく監視されることになる。
国家汚職制圧委員会という政府機関は、銀行に対して情報を開示させる権限を付与される。

また、資金洗浄対策室という政府機関が独立機関に昇格する。もともとこの機関だけが、銀行に対する情報の開示請求権を持っていたが、独立機関になればさらに機動力が高まる。

タクシンの資金はタクシン派の政治家や官僚、有力者の口座に入ったあと、順次配下に流れているはずだ。口座資金の出入りを監視追跡し、あやしい口座を凍結すれば、タクシンから流れる一定の資金を封じることができる。また、監視されているという意識が、不正送金の抑制になる。タクシンの政治資金の流れは複雑多岐にわたっているはずなので、すべてを封じることは難しい。しかし、これまでのようにふんだんに振り撒くことはできなくなる。それで十分なのだ。

金は末端にまできちんと行き渡らなければ人を動員することはできない。しかし、自分の取り分を削ってまで配下に回すお人よしはそれほどいないだろう。タクシンの資金が末端に届く前に蒸発すれば、すべては無駄金に終わる。

今後、国家汚職制圧委員会資金洗浄対策室の二つの機関が、不審な送金や資金の流れを縦横に監視することになる。

軍事政権は何を成すべきかを明確に理解していることがうかがわれる。

不敗神話

軍政、民政にかかわらず、タイ王国の未来はタイ国民の手になければならない。
タイに限らず、外国の手先が政権に就くようなことがあってはならないのは当然だ。

タクシン・シナワットもタイ国民には違いない。しかし、タイ王国の利益よりも外国の利益を優先するかも知れない者に、国家の運営をゆだねられるはずがない。タクシンとタクシン派は排除されるべくして、排除された。

今後も欧米諸国や外国メディアは、タイ王国の内政に干渉し続けるだろう。
タイ王国は、外国と協力することはやぶさかではない。
しかし、外国に支配されることは断じて受け入れない。

タイ王国は外国の支配を跳ね除けてきたという歴史を持っている。
今回そうした断固とした歴史的意思を証明したのかも知れない。


 

<関連記事>

タイ情勢 : 軍事「クーデター」から一ヶ月
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/77a7179c047c9a22b5b4bcde5be3b1f0


タクシン前首相、マンC買収の意味 2007年09月11日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/2bfc113f06712b30378e3675e1df6595


タイの混乱はなぜ長引くのか <前編>2010年04月11日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/34c80184841c8741bb9013588bb2d90f


タイの混乱はなぜ長引くのか <後編>2010年04月11日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/1e05a1fc85ea5a7c526a9bd93e32f0d2


支持者の大量死を望むタクシン 2010年05月18日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/dfac7e42e3d218aa509dc3bcd1c23dd6


タイ王国の長く孤独な戦い 1  2010年05月30日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/600b00a25ecef90accf7bf96ff87f331


タイ王国の長く孤独な戦い 2  2010年05月30日
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/8f08e2cece8eece8a0bce77ecacb2260



タイ情勢 : 軍事「クーデター」から一ヶ月

2014年06月26日 19時20分04秒 | タイ



522日の軍事「クーデター」から一ヶ月がすぎた。
外出禁止令も解除され、タイ国民の生活はほぼ正常にもどっている。

タイ国民の70%以上が今回の軍事「クーデター」を歓迎している。
長期にわたる国内の混乱を収拾する能力が軍に期待されているからだ。

2006年の軍事「クーデター」以降、タイは今日まで混乱の渦中にある。一般的には、タクシン派(地方農村、新興財閥)反タクシン派(都市住民、既存財閥)の争いと捉えられている。しかしそれは表面にすぎない。もし、この戦いがそうした国内勢力間の争いなら、とっくに決着している。

解決する気配が見えないのは、ここにはイラクやアフガニスタン、リビアやシリアに通じる構造が隠れているからだ。中東地域は容赦ない武力を使った破壊が進んでいるが、アジアは政治経済的手法を使った破壊が進んでいるのだ。

こうした破壊の背後には常に同じ意思が働いている。

タイガーエコノミーの破壊

1997年、タイの通貨バーツが突然暴落しはじめた。
その影響は周辺国へと広がり、マレーシア、インドネシア、韓国の通貨も暴落をはじめた。
危機打開のためと称してIMF(国際通貨基金)が「通貨の救援」に乗り出すと、通貨危機は経済危機へと拡大した。IMFは救援ではなく、破壊にやってきたのだ。

なぜアジア経済を破壊しなければならなかったのか。それはアジアが、欧米の「自由主義経済理論」とはまったく違った仕組みで経済発展を実現したからだ。それはタイガーエコノミーと呼ばれ、欧米の経済専門家は好奇の目でその事実に注目した。そのままアジアが経済発展を続ければ、途上国はタイガーエコノミーを真似るだろう。そして欧米の経済理論などには見向きもしなくなるはずだ。そんな事態になれば欧米の優位性や指導力は失われる。そうなる前にタイガーエコノミーを叩きつぶし、世界の目を「自由主義経済」に引き戻す必要があった。それが、アジア通貨経済危機の真相だ。

そもそもアジア諸国は日本を手本として経済発展したのだが、その日本はバブルで破壊された。日本のバブルは、欧米の圧力による1985年のプラザ合意に端を発していることは周知の事実だ。1990年、バブルははじけた。以後、失われた10年は20年となり今日まで続いている。日本はゆっくり確実に奈落に向かっている。日本の次は、日本を手本としたアジアの番だったのだ。

だが、アジアに対する経済的破壊はマレーシアのマハティール首相(当時)に阻止された。マハティールはIMFの救援を断固拒絶し、正反対の政策を執って通貨危機から脱したのだ。逆にIMFの政策を受け入れたタイ、韓国、インドネシアは通貨危機から経済危機に被害を拡大していった。どちらの政策が正しいかは自明となった。アジアの破壊はそこで頓挫した。破壊者にとってマハティールは憎んでも憎みきれない存在になった。マハティールがことあるごとに「国際社会」から非難を浴びるのは、彼がアジアを救ったからだ。

しかし、アジアの破壊をあきらめたわけではない。

タイに傀儡政権を

1997年にタイのバーツが最初に狙い撃ちされたのは、タイ王国が東南アジアの中核的国家であり、その影響は周辺国へと伝播していくからだ。まず最初に落とすべきはタイ王国なのだ。したがって、通貨経済危機後もタイ王国の支配が最優先課題となる。

外からの破壊は中途で頓挫した。となると次は内からの破壊を試みることになる。つまり、意のままになる傀儡政府を作ることだ。そこで白羽の矢が当たったのが、政治とは無関係だった地方財閥出身のタクシン・シナワット(チナワット、シナワトラ)だ。

タクシンは警察官僚だったが、どちらかと言えばうだつの上がらない存在だった。ビジネスを手がけては失敗を繰り返していた。そのタクシンが通信事業を手がけるとなぜか大成功をおさめ、タイ屈指の資産家になった。ビジネスの才覚に欠けるタクシンが先端的事業で突然成功したのは不自然に思える。それだけではなく、政党を組織すれば破竹の勢いで選挙に勝ち第一党になった。タクシンは今度は首相に就任してしまった。絵に描いたような立身出世物語だ。できすぎている。

タクシンはうってつけの人材だったかも知れない。中央にしがらみのない地方財閥の出身だ。中央に対する敵愾心を持っていれば理想的だ。2010年の騒乱でタクシン派赤シャツ軍団はバンコク都内数箇所に火を放った。タクシンの許可がなければそんなマネはできないだろう。タクシンはそこそこ頭は切れる(アメリカで政治学の修士号取得)。だが、野心はあっても才能には恵まれず、何をやってもうまくいかなかった。常に自分と自分を取り巻く状況に不満を持っていたはずだ。こうした不満を抱えた人物に明確な目標と援助を与え、成功体験を積ませると、自分には何でもできると勘違いし、大胆なことさえやってのける。

タクシンは首相に就くと、ほどなくタイ王室を軽んじるような発言と態度をとりはじめた。中央にしがらみがないとはいえ、王室を軽視するなどというのはきわめて大胆で不自然と言える。いくら絵に描いたような立身出世を遂げ、得意の絶頂にあっても、乱心でもしない限り王室を軽んじることなどできない。それが正気で行えたのは、タクシンを怖いもの知らずにするものがあったのだ。それはきわめて強力な後ろ盾の存在以外にない。もちろん、タイ国内にはいくら探してもそんなものは見つからない。

タイを追われたあとのタクシンが6カ国ものパスポートを所持し、何の制限も無く世界を移動できたり、イギリスプレミアリーグのマンチェス ター・シティのオーナーになれたのはきわめて象徴的だ。国際人権団体は、タクシンには2000人以上に上る虐殺容疑があるとプレミアリーグに抗議したが、厳しい審査をパスしているとして一蹴された。ほとんどのメディアがこの出来事を黙殺した。タクシンの資産は数千億円規模だが、金の力を使って虐殺疑惑をもみ消したわけではない。タクシンの「守護神」が放っておいても常に守ってくれるのだ。資産の多寡は関係ない。

インドネシアの元大統領スハルトの個人資産は4兆円とも見積もられている。一族全体では7兆円とも言われる。スハルトは30年間インドネシアの独裁者として君臨した。しかし、アジア通貨経済危機直後に辞任に追いやられると、その後は汚職疑惑の罪人として法廷に引きずり出される生活を送った。だが、スハルトの本当の罪は、守護神の意向に背き、インドネシア経済を破壊から守ろうとしたことだ。もし、スハルトが率先してIMFを受け入れていれば、辞任に追い込まれることはなかった。守護神の怒りを買うと4兆円の資産も役に立たないのだ。

タクシン・シナワットに2000人以上の虐殺疑惑があろうとも「国際社会」で悠々と暮らしていられるのは、欧米社会にとってタクシンは自分たちが白羽の矢を当てた「よき友人」だからだ。そのタクシンがもしタイの政治の頂点に返り咲けば、タイ王国に何が起こるかはもはや考えるまでもない。

「クーデター」最後の砦

522日の軍事「クーデター」により、タクシン派インラク政権は幕を閉じた。
インラク政権は政府機関や警察機構にタクシン一族とその一派を多数登用していた。
軍事政権は、そうしたタクシン系の人物をことごとく更迭した。

当然のごとく、欧米社会はタイの軍事「クーデター」を非難している。アメリカからの援助は打ち切られ、EU連合はタイとの外交関係や交渉を制限すると宣言した。ほぼ手中にしていた傀儡政権の樹立が「クーデター」でもろくも崩れ、振り出しに戻ったことの失望感は、さぞかし大きいことだろう。

タイ軍部は、タイ王国を守るという使命を遂行しているにすぎない。
今回の「クーデター」をタイ国民の70%以上が支持している。
「国際社会」はこの数字の意味を理解すべきだ。

軍事政権の本当の仕事はこれからはじまる。
タクシン一派を政治の中枢から排除しただけでは何も変わらない。
タクシンのような傀儡のつけいる隙のない強固な防壁を構築する必要がある。


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写真 : ソンクラン (タイ正月)

2014年04月20日 23時05分36秒 | タイ

 ※写真はすべて2013年撮影

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                  

 

昨年11月に、ステープ元副首相率いるPDRCPeople's Democratic Reform Committee)は大規模な反政府運動を開始した。
おおかたの予想は、数週間程度で軍が動いて決着するだろうというものだった。
つまり、インラク政権は早々に終了すると。

しかし、西暦の新年から旧正月(春節:Chinese New Year)を経て、タイ正月(ソンクラン:4月13~15日)もすぎた。
三つの正月を経て、いまだ決着がつく気配はない。

タクシン派インラク政権反タクシン派PDRCは微妙な均衡状態にある。
どちらも決定打を欠き、迂闊に駒を動かせない。

しかし、PDRCに対する手榴弾攻撃が後を絶たず、死者の数が増えるにつれ、観光立国タイのイメージは大きく損なわれた。東南アジアをめざす外国人観光客はタイをすり抜け、隣国のラオスなどに流れた。このまま政情不安が続けば、経済は停滞し、国民のフラストレーションは高まるだろう。

ただ、タクシン派インラク政権反タクシン派PDRCとの戦いの形勢は、PDRCが有利だ。憲法裁判所は、インラク首相による違法人事を審査中であり、首相は失職する可能性がある。また、国家汚職制圧委員会が、インラク首相の職務怠慢を認定すれば、罷免請求され停職となる。インラク首相が失職もしくは停職になれば、バランスは崩れ、PDRCが優位に立つことになる。

インラク政権は自らの政策によって自分の首を絞めたようなものだ。インラク政権最大の罪は、票を獲得するために国費を使ったことだ。表面上は経済政策だが、実際は国家の予算をふんだんに使って票を買ったのだ。政権党にそれが許されるなら、一度選挙に勝てばあとは永遠に勝てることになる。

タイの主要輸出産品は米で、世界第一位の米輸出国だった。インラク政権はその米を国際価格よりも高値で米農家から買い上げた。正確には米を担保に融資を行ったのだが、米が引き出されることはまずないので、実質的な買い上げだ。その結果、政府の倉庫には、売却できない膨大な米が備蓄されることになった。

国際価格よりも高く買ったのだから、国際市場で売れるわけがない。国際価格で売れば損失が生じる。差損が表面化するので売れないのだ。倉庫に眠っている間は差損を計上しなくてすむ。いったいどれほどの米が備蓄されているのかインラク政権は明らかにしていない。

米の質入制度にどれだけの国費が投入されたのかも明らかにされていない。また、莫大な予算の動くこの不透明な米質入制度は、インラク政権関係者の汚職の温床になった。したがって、なおさら詳細を明らかにできない。さしものIMF(国際通貨基金)でさえ、インラク政権の米質入制度を看過できず、改善を要求した。インラク首相は、こうした汚職を放置したとして国家汚職制圧委員会から監督責任を問われている。

米質入制度は国家の予算を使って票を買ったと言って差し支えない。
タクシン派は、選挙に勝ったということは国民から白紙委任状を託されたと勝手に解釈している。その後は国民の意見を聞く必要はないらしい。タクシン派は、これを「民主主義」と呼んでいるに等しい。

インラク首相は就任当時、タイのことを「半分の民主主義」と呼んだ。
もし、タクシン派による「完全な民主主義」が完成したとき、いったいそこには何が残っているだろうか。

政情不安の中で迎えることになった今年のソンクラン。
タイ人にとって正月とはソンクランのことだ。
来年はどんな気分で迎えているだろうか。


タイ情勢 : バンコク封鎖(九日目) 非常事態宣言

2014年01月22日 13時19分52秒 | タイ

 

 

21日、インラック政権は非常事態宣言を決定した。
22日から60日間発令される。
政治集会が禁止され、逮捕状なしでの逮捕も可能になる。
市民の権利は大幅に制限される。

政治集会が禁止されるといっても、主要七ヶ所の封鎖拠点を解除することはまず無理だ。
夕方になると仕事を終えた人々が封鎖拠点に集まり、拠点の人口は一気に膨れ上がる。
おそらく合わせて10万人というところだろう。
週末になると数十万人規模になる。
警察力だけでこれだけの規模の集会を解散させるのは到底不可能だ。
非常事態宣言は都民の足を何とか封鎖拠点から遠ざけたいという一縷の望みにすぎない。
おそらくその願いはかなわないだろう。

軍が非常事態宣言に協力する見込みはほぼない。
政権の無力を示すだけに終わるだろう。

インラック政権のでたらめな政策は、絶対的支持基盤だった地方農家でさえ愛想を尽かし始めている。
金さえばら撒けば農家は言いなりだと侮っていたようだが、金の切れ目が縁の切れ目というしかない。
見境のないポピュリズムは財政を逼迫させ、自身の首を絞めあげている。
行き着く先は見えている。

ただし、タクシンとその一派の悪あがきはまだ当分は続くだろう。
タクシンの出身母体である警察はいまや逮捕状なしで誰でも拘束できる。
追い詰められ、風前の灯のタクシン一派は何をするか分からない恐ろしさがある。
彼らの武装部隊は、遠距離を攻撃できる武器も保持している。

この戦いはタイ国内の個別問題ではない。
世界はなぜか安定から対立へと大きく流れている。
平和で安定した社会には必ず混乱と対立が持ち込まれている。
イラクやリビア、シリアは極めて安定した平和な国家を築いていた。
イラクやリビアは欧米並みの高教育、高医療を誇っていた。
21世紀にあって安定と平和は悪なのだ。
タイ王国も極めて安定した平和な社会だった。
しかし、タクシンがタイの政治に登場して以降、この国の安定と平和は脅かされている。
タクシンはいったい誰の利益を代表しているのか。


ひとまず今回の滞在を終え、帰国することに。
すぐまた来ることになるかも知れない。








タイ情勢 : ステープPDRC事務局長
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タイ情勢 : PDRCシンボルカラー
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タイ情勢 : バンコク封鎖(初日)
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タイ情勢 : バンコク封鎖(二日目) 戦勝記念塔会場
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タイ情勢 : バンコク封鎖(三日目) ルンピニ公園会場
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タイ情勢 : バンコク封鎖(三日目) MBK前会場
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タイ情勢 : バンコク封鎖(四日目) ラマ8世橋会場
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タイ情勢 : バンコク封鎖(五日目) BTSアソーク駅前会場
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タイ情勢 : バンコク封鎖(六日目) 犠牲者追悼
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タイ情勢 : バンコク封鎖(七日目) デモ&ラープラーオ五差路会場
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