歴史だより

東洋と西洋の歴史についてのエッセイ

≪関正生氏の英語の勉強法~『世界一わかりやすい英語の勉強法』より≫

2021-12-15 18:30:56 | ある高校生の君へ~勉強法のアドバイス
≪関正生氏の英語の勉強法~『世界一わかりやすい英語の勉強法』より≫
(2021年12月15日)


【はじめに】


 関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』(中経出版、2011年)をもとに、英語の勉強法について考えてみる。





【関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』(改訂版)はこちらから】

カラー改訂版 世界一わかりやすい英語の勉強法











関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』(中経出版、2011年)

本書のもくじは次のようになっている。
<もくじ>
はじめに
本書の特長
第1章 語学に必要な「メンタル」を鍛えよう!
第2章 世界一わかりやすい「単語・熟語の勉強法」
第3章 世界一わかりやすい「文法・リーディングの勉強法」
第4章 世界一わかりやすい「リスニング力・発音の勉強法」
第5章 世界一わかりやすい「ライティング・スピーキングの勉強法」
第6章 プロ読解の「学習ツール活用法」
第7章 基礎トレーニング後の「英語の試験対策」
おわりに




さて、今回の執筆項目は次のようになる。













関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年
「英語の基礎体力」を具体的に言うと、「英検2級ないし大学入試センター試験で150点」であり、基礎トレーニングである(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、38頁)。
関正生は「一番効率よく勉強できる順番」で書き、章立ても、それを反映しているという
(関、2011年、38頁)。


基礎をつくるトレーニングの順序


本書の目次は次のようになっている。
<もくじ>
はじめに
本書の特長
第1章 語学に必要な「メンタル」を鍛えよう!
第2章 世界一わかりやすい「単語・熟語の勉強法」
第3章 世界一わかりやすい「文法・リーディングの勉強法」
第4章 世界一わかりやすい「リスニング力・発音の勉強法」
第5章 世界一わかりやすい「ライティング・スピーキングの勉強法」
第6章 プロ読解の「学習ツール活用法」
第7章 基礎トレーニング後の「英語の試験対策」
おわりに

この目次にあるような順番で勉強をするのが一番効率がいいと関正生はいう。
第2章 単語力=筋力
第3章 文法・リーディング力=持久力
第4章 リスニング力=柔軟性
第5章 ライティング・スピーキング力=瞬発力

第2章で、「単語・熟語の覚え方」を説明する。
第3章では、文法と英文解釈で、「英語のルール」を学び、正確に英語を読み取り、返り読みしないリーディング力のつけ方を説明する。
第4章では、返り読みしない力を土台に、リスニングの勉強に入る(リスニングでは返り読みなんて絶対にできないから)
第5章では、「リーディング力・リスニング力」を土台に、「ライティング・スピーキング」の勉強に入る。

「読めない英語」を「書ける」わけがないし、「聞けない英語」を「話せる」わけがない。そしてゆっくりでも「書ける」ようになれば、その瞬発力を上げていくことで「話せる」ようになるわけである。
(斎藤兆史や澤田昭夫が難しく言っていることを簡単にわかりやすく述べている。)
第6章では、基礎トレーニングを効率的にこなすための「道具」を紹介している。
(関、2011年、39頁、41頁)。

英文の速読とは


速読とは、決して「急いで読むこと」ではなく、「正しく読むこと」であると関正生はいう。世間にはびこる「(段落の頭だけ読む)速読」や「スキャニング(必要な部分だけ読むこと)」といったテクニックは絶対にやめるべきであるという。

まずは正しいフォームが必要である。この「正しいフォーム」こそ「英語の正しい読み方」である。さらに「正しいフォーム(英文解釈力)」に加えて、「筋力(単語の瞬発力)」「実際の試合(音読力)」などの要素が必要である。いろんな要素が相互作用して「速くなる」と説く。

つまり、速読に必要な要素とは、次の3つである。
①単語の瞬発力(0.1秒で単語の意味が浮かぶか?)
②英文解釈力(英文の構造を正しく把握できるか?)
③音読力(日本語を介入させずに英語をそのまま理解できるか?)~最低30回、理想は50回の音読

公式化すれば、速く読むには「単語の瞬発力×英文解釈力×音読力」が大事だという
(関、2011年、94頁~101頁、110頁)。


関正生と伊藤和夫の『ビジュアル英文解釈』


関正生は
〇伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅠ』駿台文庫、1987年
〇伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅡ』駿台文庫、1988年
について絶賛している。

【伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅠ』駿台文庫はこちらから】

ビジュアル英文解釈 PARTI (駿台レクチャー叢書)


【伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅡ』駿台文庫はこちらから】

ビジュアル英文解釈 PARTII (駿台レクチャー叢書)




つまりこの参考書により、「正しく読めること」ができるという。
この本で「返り読みせずにアタマから正しく読める」ようになると、関正生はいう。
さらに「ボク自身、この本に出合(ママ)わなければ英語を仕事にしていなかったと思います」と“運命的な出会いの本”であることを強調している。そして「PARTⅠとPARTⅡの2冊をこなしてください。内容は地味で単調に感じるかもしれませんが、すさまじい効果があります」とその良書を保証している。
(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、97頁)

文法と英文解釈で、「英語のルール」を学び、正確に英語を読み取り、返り読みしないリーディング力のつけ方を関正生は説明している。返り読みしない力を土台に、リスニングの勉強に入ると勉強の順序を説いている。
(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、39頁)


オススメの多読教材


関正生のオススメの多読教材として、1物語、2日本のマンガ、3日本の小説を挙げている。とくに1物語の次の3冊は面白く、予備校の生徒にも評判がすごくいいらしい。
① 『シンデレラ/眠りの森の美女』
Tales of Two Princesses : Cinderella & Sleeping Beauty, Xanthe Smith Serafin著、アイビーシーパブリッシング)
カンタンな単語で気軽に読めるし、ほのぼのとした気分になれる

② 『星の王子さま』
The Little Prince, Antoine de Saint-Exupéry著/Mariner Books
『星の王子さま』を大人になってから読むと、いろいろとハッとさせられるという

③ 『クマのプーさん』
『クマのプーさん――Winnie-the-Pooh』A.A.Milne著/講談社インターナショナル
もともとイギリスの物語で、単語が少し難しいが、予備校で紹介すると生徒が一番に買いに行く本らしい
(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、102頁~103頁)


ここから古いメモをもとに加筆 2021年10月24日

関正生と英語


 関正生は、1975年、東京生まれである。
 埼玉県立浦和高校、慶応義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業後、東進ハイスクールを経て、秀英予備校講師などを経歴している。予備校デビュー1年目から出講校舎すべてで、常に最多の受講者数・最速の締め切り講座数を記録したそうだ。

「はじめに」において断っているように、その勉強法は留学もネイティブ講師も必要なく必ず独学でできるものである。つまり「正しい努力」の方法、このことを大前提にした勉強法を紹介していく。
(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、4頁)

日本人はまず「英文法を頭で理解」⇒「反復して無意識の領域まで落とし込む(体に染み込ませる)」という作業をこなす必要があると説く。つまり、非ネイティブは英文法を頭で理解し、反復して体に染み込ませる!(87頁)ことが重要であるという。

英文解釈力



英文を速く読むためには、「英文の構造」をキッチリつかむこと(英文解釈力)が必要である。

でも最近は「英文解釈」と聞くだけで、やたら古くさいと思われ、あげく「だから速く読めない」と、メチャクチャなことまで言われる。
しかし、新聞、ビジネス、TOEICなどの資格試験、洋書、英字新聞に必要とされる英語力には、「英文解釈」が絶対に必要である。

英文解釈をやると、英文の構造を予想する力がつき、きちんと英文が読めるようになる。きちんと読めれば、読むスピードも上がる。
「TOEICの問題集をいくらこなしても点数が伸びない」「読むのが速くならない」と思っている人には、一度速度の呪縛から抜けて、きちんと正しく読むことをオススメすると、関正生は強調している。

関正生は
〇伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅠ』駿台文庫、1987年
〇伊藤和夫『ビジュアル英文解釈PARTⅡ』駿台文庫、1988年
を絶賛し、「正しく読める」ことを目指してほしいという。
(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、96頁~97頁)

音読力


音読力(日本語を介入させずに英語をそのまま理解できるか?)
英語をマスターするためには「やさしい英文を大量に処理していくことで英語アタマをつくる」という作業が絶対に必要である。
そのために必要なのが「音読」である。

英文解釈できちんと理解した英文を、何度も音読して脳に染み込ませる。
5~10回では足りず、最低30回、理想は50回の音読である。
2~3回英文を読んだだけでは、いちいち日本語に置き換えないと意味が理解できないかもしれないが、何度も繰り返して同じ英文に触れていくうちに、英語を英語のまま処理できるようになる。
英文を目で見ながら、意味がどんどん浮かぶようになる。これができるようになれば、返り読みもしなくなり、日本語を介さずに英文の内容が浮かぶようになる。すると、英文を読むスピードが格段に上がる。いちいち日本語に直す手間が省けるのでスピードが上がる。毎日30分音読して2~3カ月かかる。でも、ぜひ挑戦してほしい。

音読は、関正生が英語ができるようになった最強の武器であるという。受験のとき、問題集の英文を50回は読み込んだし、30歳まで1日30分の音読を13年間続けたそうだ。

ディクテーションとシャドーイングの使い分けも重要である。
ディクテーションとは、聞こえる英文をすべて書き取るのである。数行または1分程度の英文を週にひとつだけでもよい。シャドーイングは、リスニングしながら、その英文に影のようにくっついて声に出していく。3分程度の英文を毎日やるとよい。

ボイスレコーダーを手に入れたら、同じ教材を何度も何度も聞き込むことである。たくさんの英文を1回だけ聞くよりも、同じ英文を何度も聞くほうがリスニング力は上がる。ひとつの英文を完璧にシャドーイングしたら、その英文は終了だが、50回以上聞くことになるようだ。「音の記憶力」をつくるわけである。「音を脳に染み込ませる」つもりで聞きまくることが重要である。

さて、音読するときに気をつけることは何か?
「音読」は「英語アタマ」をつくるものである。だから、無意味に音読しても効果はない。
次のことを気をつけよと説く。
≪音読の細かい注意点≫
①必ず声に出す
(黙読だと無意識のうちに目で飛ばしてしまうので)
②声の大きさは無関係
(ボソボソでも十分なので、どこでもできる)
③何も考えずに字面だけ追っても効果はない
(a)まずは英文の構造(英文解釈)を意識して10回
(b)次に英文を読みながら和訳が浮かぶように10回
(c)最後は自然なスピードで10回
④目標は1日30分~早ければ2カ月、普通は3カ月で効果が出る
⑤一気に30回読む必要はない。1日5回×6日=合計30回が目安。
⑥サボってしまったら、翌日は1時間音読。2日サボったら最初からやり直しと考える。
(厳しいが、英語アタマはそんなにカンタンには手に入らない)

音読するときはダラダラ読んでも意味がないので、1日30分、集中して取り組むこと。
3カ月後にはきっと「劇的な読解スピード」を手に入れることができる。

(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、97頁~100頁、127頁~128頁)

リスニング


リスニングができない原因とは、「4つの知識」で英語が聞こえるようになる。「知らない」とリスニングはできない!
①「正しい音(弱形)を「知らない」
②「速い」のではなく「短い」という事実を「知らない」
③リスニング特有のルールを「知らない」
④読解力がないとリスニングもできないという事実を「知らない」

①「弱形」の例
「聞こえない」どころか「最初からそうは言ってない」単語
 それぞれの強形と弱形
(a)前置詞
 for     フォー⇒フ
 from   フロム⇒フム
(b)代名詞
 him   ヒム⇒イム
 our   アウア⇒ァー
(c)接続詞
 and   アンド⇒ン
 or    オワ⇒オー
(d)助動詞
can    キャン⇒クン
 have   ハヴ⇒ァヴ
(e)その他
 some   サム⇒スム
 any    エニィ⇒ァニ

読解力がないとリスニングもできない。
・英語を読むときに「返り読み」したり、「日本語に訳してから意味を考える」という段階では、リスニングのスピードについていけない。
・「英語を英語で考える」ようになるためには、徹底的な音読が必要である。
・英文を読むときに、返り読みせず、英語を英語のまま考えられるようにするための訓練が「音読」である。
・実は、リーディングの延長線上に、リスニングがある。
・リスニング上達のためにも、読解力をつけ、音読を続けること。

リーディングとリスニングには相乗効果があるので、リスニングを続けると読むスピードも上がるはずであると、強調している。

(関正生『世界一わかりやすい英語の勉強法』中経出版、2011年、112頁~118頁)








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